内臓脂肪を燃焼させる?腹式呼吸のやり方・ダイエット効果

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普段、あまり意識しながら呼吸することはありませんよね。呼吸法には、胸を使って息をする胸式呼吸と、お腹を使って息をする腹式呼吸がありますが、女性は胸式呼吸、男性は腹式呼吸が多いと言われています。ヨガや太極拳のゆっくりとした呼吸は、腹式呼吸が基本です。ダイエットやリラックスに効果があると言われる腹式呼吸のやり方などについてまとめています。

腹式呼吸と胸式呼吸

女性よく「男性は腹式呼吸、女性は胸式呼吸が多い」と言いますよね。胸式呼吸は、肋骨を広げたり閉じたりして肺に空気を取り込む呼吸法です。

胸式呼吸は、「とにかく楽に」「空気をすばやく取り込むことができる」という特徴があり、男性でもマラソンや階段の昇り降りなどで息を切らしているときには胸式呼吸をしています。

また、ラジオ体操の深呼吸は、腕を大きく広げて肋骨を開き、空気を吸い込むので胸式呼吸です。

女性は、妊娠するとお腹が膨らみ、お腹を出したり引っ込めたりする腹式呼吸が難しくなります。

また、出産時には息んで素早くたくさんの空気を必要とするため、女性の身体は、妊娠・出産に備えて胸式呼吸をしやすいようにできています。

胸式呼吸は、息を吸い込むときに肋骨内の空間が膨らんで肩が持ち上がるため、「肩で息をする」と表現されることもあります。

一方、腹式呼吸は、お腹を引っ込めたり出したりすることによって、横隔膜を上下させて肺に空気を取り込む呼吸法です。

普段、胸式呼吸に慣れている人が腹式呼吸をやろうとすると、「吸うときにお腹をひっこめ、吐くときにお腹を出す」とやってしまいがちですが、腹式呼吸では、お腹の出し方も、吸う・吐くの順番も逆です。

腹式呼吸の基本は吐くことであり、まず「お腹をひっこめながら吐き、お腹を出しながら吸い」ます。これだけでダイエット?と思いますが、意外にも効率的に腹筋(インナーマッスル)が鍛えられます。



腹式呼吸とダイエット・美容効果

ダイエット精神的なリラックス効果を得ながらダイエットができるヨガや太極拳。

ヨガや太極拳の呼吸法は腹式呼吸です。腹式呼吸はインナーマッスルを鍛えると言われていますが、この考えはピラティスにも応用されています。

腹式呼吸がダイエットや美容に効果がある理由はいくつかあります。

  1. 腹式呼吸により、肋骨の下にある横隔膜が大きく上下に動くため、普段使われていない筋肉が使われて基礎代謝がアップする。 → ダイエット効果
  2. 横隔膜の運動範囲が広がると、腹腔の内圧が上がり、胃腸が刺激を受けて活発に動く。これによって内臓の血行が良くなり、新陳代謝が促される。 → 美肌効果
  3. 胃腸が刺激を受けることによって、便秘が解消される。 → 美肌・ダイエット効果
  4. 新陳代謝が良くなることにより、内臓脂肪の燃焼が促される。 → ダイエット効果
  5. お腹を大きくへこませることによって、お腹の内側のインナーマッスルが鍛えられる。 → ダイエット効果

腹筋運動をやりすぎると、チョコレートのように腹筋が割れてしまって女性らしくないですよね。

インナーマッスルを鍛えると、腹筋が割れることなくウエストが細くなるので、女性らしい丸みを残したままきれいにダイエットすることができます。

女性は普段から胸式呼吸の人が多いので、腹式呼吸の効果がでやすいのもうれしいですよね。
 

腹式呼吸で歌が上手になる?

胸式呼吸に慣れている人の多くは、鼻ではなく口で呼吸しがちです。

口呼吸+胸式呼吸の場合、空気を吸うときと吐くとき、それぞれ逆方向に気道や声帯が動きます。これでは、うまく呼吸を繋げることはできず、一定の空気を長く吐くということは難しくなります。

カラオケ教室などでは、必ず発声練習をしますが、その目標は「強い空気圧で息を長く出す」ことです。吐く息のスピードと量を向上させることにより、声量が増えて大きく通る声を出せるようになります。

つまり、肺活量を増やすことと、空気を吸うときと吐くときの繋ぎをスムーズにすることが大切です。

腹式呼吸に慣れてくると、たくさんの空気を自分のスピードで吐き出すことができるようになるので、カラオケの練習にはぴったりです。

特に、喉や声帯に無駄な緊張を与えないように、腹式呼吸+(吸うとき)鼻呼吸を意識してみましょう。

なお、プロに歌を習うと、講師によって腹式呼吸の方法が全く異なるようです。たとえば、息を吸うときには「お腹の上部を膨らます」「おなかの下部を膨らます」、「姿勢を良く」「姿勢は自分がリラックスできる状態で」など・・・。

ただ、1つ共通しているのは、「腹式呼吸では、息を吐くことから始める。息を吐いた後リラックスすれば、意識しなくても息は自然と入ってくる。」ということです。

こっそり腹式呼吸の練習をして、忘年会などで自慢の歌声を披露してみたいですね。

自律神経と腹式呼吸

私たちは、特に意識をせずに呼吸をしています。呼吸だけではなく、血流、発汗、目の瞳孔の動き、ホルモン分泌、内臓の働きといった無意識に行われている動作は、自律神経が調整役を担っています。

自律神経には、交感神経と副交感神経とがあります。

交感神経とは、運動・ゲーム・勉強・仕事など、活発に活動しているときに優位に働いて、発汗や血流を促して身体を動きの良い状態に保つものです。いわば、「興奮状態を作って戦闘態勢を整える神経」。

それに対して、副交感神経は、ホルモン分泌や免疫の働きを促して活動後の身体を治療し、身体と精神をリラックスさせる「癒しの神経」です。

どちらも重要なものであり、その時々の状況に応じてそれぞれが働きの強弱を調整してバランスをとっています。

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが狂ってしまい、体調を崩してしまう症状です。

自律神経失調症の詳しいことについては、こちらをご覧ください。

ここで、先ほど説明した自律神経の担っている働きの中で、血流や発汗などは自分の意志ではどうしようもありませんが、「呼吸」だけは自分でコントロールできますよね。

実は、呼吸によって自律神経をコントロールすることができるのです。

現代は、仕事や対人関係などのストレスが溜まっていたり、1日中、目から光の情報が入ってきて興奮状態が続いている人が多く、副交感神経を優位に切り換えることができない人が増えています。

腹式呼吸により深くゆっくりとした呼吸をすると、副交感神経を優位に働かせることができ、リラックス効果や安眠効果を得ることができます。

また、副交感神経が優位になることで、ホルモン分泌や免疫、消化の働きなどが正常になり、生理時のイライラや肌荒れ、かぜをひきやすいといった症状も緩和することができると言われています。

1日の最後はスマートフォンなどを見るのはやめて、その代わりに腹式呼吸を実践してみましょう。

その他の効果(腰痛・冷え性・集中力UPなど)

リラックス女性は、筋肉が弱いので無理な体制で体を支えてしまいがちです。さらに、日常的にハイヒールを履くことで不安定な姿勢をとってしまい、反り腰による腰痛を持っている人が多いようです。

腹式呼吸を行うことによって、横隔膜が大きく動いて腹筋(特にインナーマッスル)が鍛えられ、姿勢を正しい位置で支えられるようになるため、腰痛の改善を期待することができます。

また、腹式呼吸は、リラックス効果によって手足の毛細血管が開いて血流が良くなるうえ、深くゆっくりとした呼吸で体中に酸素を巡らせることができ、冷え症の改善にも効果的です。

腹式呼吸を行うと精神的に落ち着くため、集中力を高める効果もあります。

スポーツ選手は、プールに飛び込む前、PK戦でボールを蹴る前、ピッチャーがボールを投げる前などに深呼吸して気持ちを鎮めていますよね。

腹式呼吸によって、身体に落ち着きと冷静さを取り戻し、次の瞬間に最高のパフォーマンスを得られるように集中力を高めているのです。

一般人にはこれほどの集中力を必要とすることはあまりありませんが、腹式呼吸をすると精神的に落ち着くので、「会議でプレゼンをしなければいけない!」など、緊張しそうなときには実践してみましょう。


腹式呼吸のやり方

腹式呼吸の基本は「お腹をひっこめながら吐いて、お腹を膨らませながら吸う」です。でも、慣れるまではなかなか難しいです。正しい腹式呼吸のやり方をマスターして、習慣化しましょう。

姿勢

壁にお尻と肩がくっつくように立ち、両腕を耳の横につけて上に挙げて、そのまま円を描くように両腕を下げます。

これが正しい姿勢です。いつもよりも「肩甲骨がくっついている」と感じる方が多いのではないでしょうか。

感覚

  1. ゆっくりと息を吸い込みます。
  2. 息を吸い込んだら、お腹をへこませながら息を吐き出します。自然とお腹をへこませきって「吐ききったな」と感じたら、さらに腹筋に力を入れてお腹をへこませ、限界まで吐きます。
  3. 限界まで吐ききったら、腹筋をゆるめてリラックスします。すると、体が自然と息を吸い込むとともに、お腹が自然と膨らみます。これが腹式呼吸の感覚です。

練習(簡単バージョン)

  1. おへその下あたりに手をあてます。手が背中側に動くのを感じながらお腹をへこませ、口を大きくあけて「ハー」とゆっくりと息を吐きます。
  2. 「ハー」の状態で吐いたら、さらに手が背中側に動くように腹筋に力を入れ、口をつぼめて「フー」と息を吐ききります。
  3. 続いて、手が前方にゆっくりと動くようにお腹を膨らましながら息を吸います。
  4. 吐く時間と吸う時間が2:1になるのが理想です。夜、寝る前などに、1日10回程度行ってみましょう。過呼吸にならないように注意してください。

練習(特訓バージョン)

吸ったあとに止める時間を作ります。「吸う」1:「止める」2:「吐く」3となるようにゆっくりと行います。

鼻で呼吸するとさらに効果的です。「止める」が入るので、無理をせずに1日10回を目安に行ってください。