女性の薄毛の原因はホルモン異常?遺伝や更年期?原因をしっかりと解説します。

多くの女性が薄毛に悩んでいます。原因にはホルモンの乱れや遺伝、病気など様々ですが、年代特有の原因もあります。ここでは発毛の仕組みとともに、原因をしっかりと説明し、薄毛の女性の悩みにもお答えしていきます。


発毛の仕組み

昔から、美しく豊かな髪は女性の象徴として崇められてきました。

現代のように個性が重んじされる時代になってからも、やはり女性にとって髪は自己表現に欠かせないものとして捉えられています。

しかしその一方で、これまではどちらかと言うと男性に多いと言われていた薄毛に悩む女性が増えていると言われています。

そこで今回は、女性の薄毛について取り上げたいと思いますが、その前にまず、髪がどうして生えるのかそのメカニズムについてご紹介したいと思います。

髪は皮膚の一部

意外に思われるかも知れませんが、実は髪は皮膚にある角質層が変化してできたもの。

そのため、頭皮から全く別物の髪が生えているわけではなく、頭皮と髪の毛は元々は同じものからできているのです。

髪の元は18種類のアミノ酸

髪の毛は、18種類のアミノ酸が結合し、ケラチンというたんぱく質を組成して作られています。

18種類のアミノ酸
シスチン、グルタミン酸、アルパラギン酸、アルギニン、セリン、スレオニン、グリシン、バリン、アラニン、ロイシン、プロリン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、リジン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファン

このケラチンは、髪以外にも皮膚や爪を構成する成分となっていますが、髪と皮膚、爪を比べると、とても同じ物からできているようには思えませんよね?

これは、使われるアミノ酸が同じであってもその割合が異なるためで、髪の場合は強度を生むシスチンと、黒髪の元となるメラニン色素を生みだすチロシンが多く含まれています。

なお、その含有量などの違いから、髪や爪は硬質ケラチン、皮膚は軟質ケラチンとも言われています。

髪の構造

髪は、頭皮から生えて外から見える部分と、頭皮の中に潜り込んでいて外からは見えない部分の2つに区別されます。

外から見えているのは、一般的に髪と認識されている毛幹部と呼ばれる部分。

一方、埋もれていて外からは見えない部分は、毛根部と呼ばれています。

さらに、毛根部の先端は植物の球根のように膨らんでいます。

抜け毛を拾った時など、髪の根元が球状になっているのを見たことがないでしょうか。

この部分は毛球と呼ばれ、毛球には毛母細胞と呼ばれる髪を作る細胞が存在しています。

髪は一生伸び続けるわけではない

いくら豊富な栄養があり、毛母細胞が活発に活動していても、髪はそのまま永遠に伸び続けるわけではありません。ヘアサイクルと呼ばれる一定の周期があります。

図のように「成長初期 → 成長期 → 退行期 → 休止期」といった周期で生え変わるのです。

個人差もありますが、女性の場合はこの一連のサイクルに4~6年ほど費やすと言われています。

薄毛(抜け毛)の原因

ヘアサイクルが短い

ヘアサイクルは通常、以下のようになっています。

  • 成長期が全体の8~9割
  • 残りの1~2割が退行期及び休止期

そのため、本来であればその殆どの時間を髪の成長に費やしていると言えますが、この成長期の時間が短いと、生えてくるのが細く短い毛であったり、生えてくる毛よりも抜け毛の方が多くなってしまうため、薄毛になりやすくなると言われています。

女性ホルモンの乱れ

これまで、男性ホルモンの一種であるテストステロンが変化した5α-DHTという物質に抜け毛を増長させる働きがあることから、男性ホルモンの多い男性の方が薄毛になりやすいと言われていました。

しかし、女性ホルモンも髪の成長にとても深く関わっていることをご存知でしょうか。

女性ホルモンのエストロゲンには、髪の毛母細胞を活性化する働きがあることから、産後や更年期、ストレスといったことが原因でホルモンバランスが崩れて分泌量が減ってしまうと、髪の成長が阻害されて薄毛になってしまうことがあります。

頭皮の状態が悪い

鏡で髪の分け目を見た時に、頭皮が赤くなっていることはありませんか?

通常、健康な頭皮というのは白に近い肌色をしており、赤みがある場合は炎症などを起こしている可能性があります。

頭皮は顔の皮膚と繋がっているため、乾燥や刺激の強いシャンプー・リンスの使用、ゴシゴシと強く洗い過ぎるなどした場合には、皮膚が傷付いたり炎症を起こすことがあります。

また、頭皮の皮脂を取りすぎてしまうと、皮膚が乾燥してぴりぴりとした痛みや灼熱感があることがあります。

さらに、頭皮が赤くなるもう一つの原因として、血行不良が考えられます。

血液の流れが悪いため、血が溜まって頭皮が赤く見えるのですが、そうなると髪の成長に必要な酸素や栄養が上手く運ばれなくなってしまいます。

このようなことから、頭皮の赤みや痛みは薄毛になりやすい危険信号と言われています。

遺伝の可能性は低い

男女ともに薄毛の原因として遺伝が考えられていますが、女性に関しては男性と比べて薄毛が遺伝する確率は少ないと言われています。

これは、X染色体にある男性ホルモンの受容体(アンドロゲンレセプター)の受け継ぎ方に違いがあるからです。

アンドロゲンレセプターは、男性型脱毛症(AGA)の主な原因と言われている5α-DHTの材料となるジヒドロテストステロンを引き寄せる性質があり、毛母細胞の分裂を止めてしまうなど髪の成長に影響を与えることから、薄毛の遺伝子と言われています。

アンドロゲンレセプターはX染色体に存在するため、母親からX染色体、父親からY染色体を受け継ぐ男性(XY)は、もし母親の遺伝子の中にアンドロゲンレセプターがあればそれを直接受け継いでしまう可能性が高くなります。

一方の女性は、母親父親それぞれからX染色体を受け継いで女性(XX)として誕生します。

この時、母親から例えアンドロゲンレセプターを受け継いだとしても、父親のX染色体にアンドロゲンレセプターがなければ、相殺されて薄毛の遺伝子を受け継ぐことはないと考えられています。

つまり、男性に薄毛が多いのは、母親が持っているアンドロゲンレセプターを受け継いだ時、それを打ち消すもう一方のX染色体が存在しないためだと言われています。

このようなことから、女性は男性に比べて薄毛が遺伝する確率は低いと言われていますが、決して0%というわけではなく、両親ともにX染色体にアンドロゲンレセプターがあれば、女性であっても遺伝的に薄毛を発症することは十分に考えられます。

年代ごとの薄毛の原因

10代の薄毛の原因

薄毛と言うと、中年以降の人の悩みというイメージがありますが、実は最近は若い人でも薄毛に悩んでいる人が増えていると言われています。

中でも、10代で薄毛になる主な原因には、過激なダイエットや偏った食生活が考えられます。

髪の毛を作る毛母細胞は、体の中でも特に細胞分裂を活発に行い、髪は一日で0.3~0.4㎜ほど伸びると言われていますが、ダイエットによって栄養不足に陥るとその働きが鈍くなってしまい、髪が新しく生えたり伸びなくなってしまいます。

20代の薄毛の原因

20代の薄毛の原因には10代と同じくダイエットが挙げられますが、その他にヘアカラーやパーマなどによる髪のダメージが考えられます。

会社の規則にもよりますが、カラーリングやパーマは学生時代に比べて大らかな場合が多く、また働いてお金に余裕があるため、髪色や髪型をこまめに変える人は少なくありません。

むしろ、これまで一度も髪色を変えたりパーマをかけたことがない、という人の方が少ないのではないでしょうか。

しかし、これらの行為は髪にとってはダメージ以外の何者でもありません。

当然ながら頭皮や毛根が痛みやすくなるため、ヘアサイクルが乱れて髪の成長期が短くなってしまう可能性があります。

30代の薄毛の原因

女性も30代になると体調の変化を感じやすい年代となり、特に仕事や育児などのストレスを抱えやすくなると言われています。

ストレスが溜まると、睡眠がきちんととれなくなったり、暴飲暴食や飲酒といった生活習慣の乱れが起こりやすくなりますが、これらは自律神経を狂わせ、血行不良などを起こす大きな原因となり、髪の成長を阻害する恐れがあります。

病気も薄毛の原因になる

薄毛は髪や頭皮のトラブルだけではなく、病気が原因で起こることもあります。

では、薄毛が症状として現れる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

更年期障害

更年期に入ると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減り、髪の成長が妨げられるため薄毛になりやすくなると言われています。

甲状腺異常

甲状腺は、喉に蝶のような形をして存在し、血液中にホルモンを分泌して、心身の成長や発育に大きな影響を与える臓器です。

この甲状腺に異常が生じ、甲状腺機能亢進症(ホルモンの分泌が過剰になる)や甲状腺機能低下症(ホルモンの分泌が弱くなる)を発症すると、ヘアサイクルに乱れが生じて薄毛になりやすくなると言われています。

膠原病

膠原病とは、自己免疫疾患の総称を言い、全身性エリテマトーデスや慢性関節リウマチ、シェーグレン症候群などが挙げられます。

私達の体は細菌やウイルスなどが侵入した際、それを敵と見なして攻撃する免疫機能が備わっていますが、本来であれば敵と認識しないはずのものにまで攻撃をしてしまう膠原病では、臓器や軟骨、皮膚などがその過剰反応によって炎症を起こしてしまいます。

そして、膠原病の症状には抜け毛や薄毛があります。

膠原病による薄毛の場合は円形に髪の一部が抜け落ちることが多いようです。

どのあたりが薄毛になるのか

薄毛と一口に言っても、薄くなる場所によって見た目の印象も違うもの。

では、具体的にどのような部分が薄毛になりやすいのでしょうか。

前頭部

女性の場合、男性型脱毛のように前頭部からだんだんと薄毛が進行していく、ということはないそうです。

それよりも、髪の一本一本のコリやハリがなくなり、抜けていくことで全体が薄くなっているものが、鏡を見ると目につきやすい前頭部や分け目に意識がいくため、そこだけが極端に薄くなっているように感じてしまうようです。

生え際

女性は、長い髪をアレンジしたり、ゴムなどで括ることが多いため、生え際への負担が男性に比べて多いと言えます。

特にポニーテールやお団子ヘアーなど、きつく縛り上げるヘアースタイルは髪や頭皮へのダメージが高くなってしまいます。

また、シャンプーやリンスはしっかりと洗い流しているつもりでも、生え際に残ってしまうことが多いため、生え際の頭皮に汚れが溜まりやすくなることも、薄くなりやすい原因と言えるでしょう。

頭頂部

女性に多いのがびまん性脱毛症と呼ばれるもので、これは本来、毛穴から複数の髪が生えているところが、老化現象によって1本程度となってしまうため、髪全体が薄くなってしまうものを言います。

びまん性脱毛症の場合は、特に頭頂部の薄さが目立ってしまうと言われています。

薄毛に悩んでいる女性からよくある質問にお答えします。

髪の毛は一日にどれくらい抜けるの?

平均すると、50~100本の髪が一日で抜け落ちると言われています。

思ったよりも多いと感じるかも知れませんが、これくらいはヘアサイクルにおいて通常と言えるため、抜け毛があること自体は深く悩む必要はありません。

ただし、明らかに抜ける本数が増えてきたり、お風呂の排水溝がすぐに詰まってしまう、朝起きると枕にびっしりと髪が落ちているといった場合は、抜け毛が進行している可能性があります。

美容院へ行くのが恥ずかしい時はどうしたらよいのでしょうか?

薄毛で悩んでいる女性の中には、美容室に行くのを躊躇う人も少なくありません。

理由は様々にありますが、一番多い理由として挙げられるのが「薄毛の私が行ってお店のイメージを悪くしないか」というもの。

お客様としてお金を払っていく美容室に対して、申し訳なさを感じてしまう人が多いと言われています。

しかし、美容室にはそれぞれ髪に悩みを抱えた人が来店します。

剛毛の人、癖毛の人、その悩みは本人にとっては深刻でも、周囲の人はそれほど意識することがなかったりしますよね。

そして何より、美容師は髪のプロ。

万が一、美容師が薄毛のお客様に対して不満そうな態度を取ったとしたら、その時点でその人はプロ失格と言えるでしょう。

それに、薄毛をカバーするようなヘアースタイルや、髪や頭皮の正しいケアの方法を知っているのも美容師に他なりません。

あれこれ悩むよりも、信頼できる美容師を見つける方が精神的にも髪にもよいと言えます。

とは言え、それでもどうしても美容室に行くのが恥ずかしいという場合は、薄毛や抜け毛に対応している美容室も増えてきているようなので、そのような美容室を探してみるのがよいでしょう。

抜け毛がひどい時の対処法とは?

生活習慣の改善

厳しい食事制限を伴うようなダイエットや、睡眠不足といった生活習慣の乱れは、髪や頭皮の栄養不足や環境悪化を招き、抜け毛を増長させる原因と言われています。

このようなことが原因の抜け毛を防ぐには、栄養バランスの摂れた食事をすることが大切ですが、中でもわかめなどの海藻類や卵、緑黄色野菜には髪の発育に効果がある栄養素が多く含まれていると言われているので、意識して摂るのがよいでしょう。

また、午後10時から午前2時は成長ホルモンの分泌が促され、肌や髪のゴールデンタイムとも呼ばれていることから、この時間にはしっかり布団に入り、質のよい睡眠を得ることも大切です。

ホルモンバランスを整える

女性の場合、40代に入るとプレ更年期に突入し、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下して薄毛になりやすくなると言われています。

更年期が原因の抜け毛の対処法としては、エストロゲンに似た働きを持つ大豆イソフラボンの摂取がよいと言われています。

大豆イソフラボンは大豆製品に含まれているため、納豆や豆乳、おから、豆腐といった食品を意識するのがよいでしょう。

ただし、大豆イソフラボンは摂り過ぎても体に害を及ぼす恐れがあるため、納豆なら一日2パックまで、豆乳なら200mlを目安に摂り過ぎには注意しましょう。

シャンプーやリンスは皮脂を取りすぎないようにする

清潔で毎日お風呂に入る習慣のある日本人は、髪を洗い過ぎる傾向にあり、頭皮に必要な皮脂までも取ってしまい、乾燥による頭皮トラブルが多いと言われています。

そのため、髪を洗う時は指の腹で頭皮をマッサージするようにし、爪などで傷付けないように注意しましょう。

また、必要以上に髪をこすり合わせないことも大切です。

さらに、洗浄力の強いシャンプーを使うのも頭皮の乾燥を招きやすくなるため、自分の頭皮に合ったシャンプーを選んだり、育毛作用のあるものを使用するのがおすすめです。

地肌が見えて恥ずかしい場合の対処法を教えて欲しい

分け目を変える

いつも同じ分け目で髪を分けていると、その部分が癖になってきっちりとしすぎてしまい、地肌が目立ってしまうことがあります。

このような時は分け目を変えることで、髪にボリュームが生まれ地肌が見えづらくなります。

地肌を目立たなくする商品を使用する

髪に振りかけるだけで、地肌の目立ちを解消してくれる商品があります。

根本的な解決にはなりませんが、とにかく今だけ地肌を隠したいという時には役立ちます。

薄毛に悩んでいる人は持っていると安心感があるかも知れません。

ウィッグやかつらを利用する

手軽に地肌を隠すなら、ウィッグやかつらがよいでしょう。

市販ものでもよいですが、オーダーメイドの方がより自分の髪に近いものなので、違和感が少なくなります。

帽子を被る

他に手段がなければ、帽子を被ってしまうのも一つの方法です。

しかし、長時間帽子を被ると、蒸れによって頭皮環境が悪化してしまうため、あくまでも一時しのぎとして使うのがよいでしょう。


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