デング熱の原因、症状、治療法など

デング熱とは

デング熱とは、デングウイルスが感染することによって生じる熱性の感染症です。デング熱は大人も子どもも感染する病気で、感染すると発熱や頭痛、筋肉痛、目の奥の痛み、発疹などの症状が現れます。通常は1週間程度で回復していきますが、まれに、重症化して命にかかわることもありますので、医療機関で適切な治療を受けることが大切です。

また、デング熱は蚊を媒介して感染しますが、人から人へ直接感染することはありません。なお、「ング熱」ではなく「ング熱」といいます。

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デング熱の国内外の状況

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東南アジア、南アジア、中南米、アフリカなどの熱帯、亜熱帯の地域で感染者が多く、オーストラリアなどでも発生がみられます。

日本に近い感染地域としては、台湾があげられます。

日本国内の状況

国内においては、海外で感染して帰国し、デング熱が発症した感染者数は例年200名前後となります。

日本国内で感染した例は、長い期間ありませんでしたが、2013年には、ドイツ人渡航者が日本で感染したと疑われる報告があり、2014年8月にも国内感染例が確認されています。

なお、厚生労働省の発表によると2014年の8月から10月にかけて、デング熱に感染した患者数は160名となっています。そのうち、代々木公園で感染した人は128名にのぼります。また、国立感染症研究所において、2014年の8月から10月の発生状況についてまとめた基本的分析がありますので、参照してください。

厚労省公表データ(2014年10月31日公表分)に基づく基本的な分析(国立感染症研究所のHP掲載のPDFファイル)

デング熱の原因・感染

デング熱の原因は、フラビウイルス科フラビウイルス属に属するデングウイルスです。デングウイルスにはいくつかの型がありますが、型によらず同様の感染・症状となります。

デングウイルスは蚊を媒介して感染します。蚊がウイルス感染者の血を吸うと、その蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊が他の人の血を吸うとウイルスが感染します。人から人へなどの直接的な感染はありません。

感染経路となりうるのは、主にネッタイシマカという蚊で、日本には存在しませんが、ヒトスジシマカという日本中に生息する(主に青森県以南)蚊も感染経路となります。ネッタイシマカと比較して、ヒトスジシマカの方が、蚊の体内におけるウイルスの増殖力は低いといわれています。

ヒトスジシマカについて

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ヒトスジシマカ(出典:国立感染症研究所昆虫医科学部ホームページ)

ヒトスジシマカは、日本のほとんどの地域(青森県以南)に生息しています。5月中旬〜10月下旬頃に活動します。

ヒトスジシマカの幼虫は、植木鉢の受け皿や空き缶・ペットボトル、公園などに放置されたブルーシートに溜まった水などによく発生します。

また、墓地、竹林の周辺、公園や庭の木陰などでヒトスジシマカによく刺されます。

ヒトスジシマカは成虫では越冬できません。成虫は死んでしまい、卵を生んで、その卵が冬を越すことになります。ただし、デングウイルスが卵に伝播して次世代の蚊がデングウイルスを持ったという報告は国内・国外ともにありません。

ネッタイシマカについて

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ネッタイシマカ(出典:国立感染症研究所昆虫医科学部ホームページ)

ネッタイシマカは国内には生息していません。以前は九州地方の一部や小笠原諸島に生息していたようです。

ネッタイシマカが生息する地域で最も北の地域は、台湾の台北市周辺となります。

熱帯地域以外での生息は難しいようですが、飛行機などによって国内に運ばれ、空港などの温度が維持されるビルなどにおいて、そのまま定着してしまう可能性もゼロとはいえません。

また、ネッタイシマカはヒトスジシマカと比較して、デングウイルスの検出率が高く、人の血を吸いやすく、デングウイルスを媒介する可能性が高いといえます。

デング熱の潜伏期間、症状

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デングウイルスは感染すると、2〜15日程度(多くは3〜7日)の潜伏期間を経て、発症します(症状が出ない場合もあり、デング熱の発症率は10%から50%程度といわれています。)。

初期症状として、急な高熱とともに、頭痛、眼の奥の痛み、顔面紅潮、結膜充血が生じ、食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともあります。

発熱は2〜7日間程度持続します(一度下がって、再度高熱を発することが多くなります)。その後、全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感を伴ってきます。

また、発症してから3〜4日の後、胴体から麻疹(はしか)のような発疹が現れ、手足や顔へ広がっていきます。その他、リンパ節の腫れがみられることもありますが、通常は1週間程度で回復していきます。

子どもの場合、風邪、嘔吐、下痢といった症状が現れることがあります。一般的に症状は大人よりも軽い傾向がありますが、一方で重症になりやすいといわれます。

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デング出血熱について

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デング熱は、ごくまれに発熱して2〜7日程後に、血漿漏出(血液の細胞成分(赤血球、白血球、血小板)以外部分が血管から漏れてしまう症状)や、出血傾向を主な症状とする重篤な状態となり、デング出血熱へ発展することがあります。

この状態になって、適切な治療を受けていないと、死に至ることがあります。感染者は不安・興奮状態となり発汗がみられて手足が冷たくなっていきます。

また、10%〜20%程度に出血斑、鼻血、消化管出血などがみられます。さらに血漿漏出による血管中の循環血液量の不足からショック状態となることがあります。(デング熱の重症のものでショック症状があらわれるものをデングショック症候群と呼ぶこともあります。)

この状態は発熱が終わって平熱に戻りかけたときに起こることが特徴となります。デング出血熱は、適切な治療を受けないと死に至る病気です。デング出血熱の致死率は数パーセントとなることもあります。(致死率は治療の状況などで異なりますので、国によって異なります。)

デング熱は重篤な症状となることもありますので、必ず医療機関を受診して適切な治療を受けることが必要です。

デング熱の検査・治療

デング熱の検査

血液検査により、デングウイルスの検出などを行い、デング熱の感染が判明します。また、発症後数日すると血小板及び白血球の減少がみられます。

デング熱は、感染症法における4類感染症に指定されていますので、医師はデング熱と診断した場合は、保健所に届け出ることになります。したがって、デング熱はしっかりと確定検査を行います。

デング熱の治療法

デング熱については、特別な治療法はなく、有効なワクチンもありません。したがって、対症療法(症状を和らげる治療)を行うこととなります。

発熱時に鎮痛解熱剤を使用しますが、サルチル酸系のものは出血傾向やライ症候群発症の可能性があるため禁忌で、アセトアミノフェンの使用をすすめられます。市販のお薬で対応する場合は、必ず薬剤師に相談してください。

テング熱が重症化し、テング出血熱へ発展するなどして、血漿漏出などの症状が出現した場合は、輸血により血漿漏出による循環血液量の減少を補うなどの治療が必要となります。

なお、2014年9月に日本のバイオベンチャーがデング熱の抗体の開発に成功したといった報道がありましたが、その実用化には5年から6年程度かかるようで、今後の状況を注意する必要があります。

デング熱の予防

国内では多い病気ではありませんが、感染者がみられる地域などでは予防を考慮することが必要でしょう。

デングウイルスは蚊を媒介して感染しますので、特にヒトスジシマカに刺されないように配慮する必要があります。

ヒトスジシマカは日中はヤブや木陰などで活動しています。その時間帯に蚊に刺されそうな場所へ出る場合は、長袖・長ズボンを着用し、虫除けなどを使用するようにしましょう。

感染してしまった場合

発熱が見られる場合など、デング熱に限らず医療機関を受診するようにしましょう。

感染した場合は、他人へ感染させないことが大切です。人から人への直接感染することはありませんが、感染した人が蚊に刺されることがないようにしないといけません。

看護師からひとこと

日頃から蚊に刺されないように予防策をとることと、蚊が発生しないように家の周囲などに不要な水たまりをなくすようにしてください。

海外からの帰国者で感染の疑いのある人は、2週間は発熱に注意してください。帰国後に心配なことがある場合は、最寄りの保健所等にご相談ください。発熱などの症状が認められたときは医療機関に相談するようにしてください。

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まとめ

  • デング熱とは、デングウイルスが感染することによって生じる熱性の感染症です。
  • 熱帯、亜熱帯の地域で感染者が多く、日本の近くでは台湾に感染者がいます。
  • 日本ではヒトスジシマカという日本中に生息する蚊が感染経路となります。
  • デングウイルスに感染すると1週間程度の潜伏期間を経て発症します。
  • 初期症状として、急な高熱、頭痛、顔面紅潮、結膜充血などが生じます。
  • 子どもの場合、風邪、嘔吐、下痢といった症状が現れることがあります。
  • デング熱については特別な治療法はなく、対症療法(症状を和らげる治療)を行うこととなります。
  • 重症化しないためには、医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。
  • テング熱はごくまれに重症化し、適切な治療を受けていないと死に至ることがあります。
デング熱の質問や回答が多く寄せられていますので、こちらも参考にしてください。

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