子供の車酔いの原因、予防法、車の中での解消法などを解説します。

投稿日:2016年04月15日│更新日:2016年04月02日

※この記事は看護師が監修をしています。

車酔い・乗り物酔いとは

GS118_L車酔いは、自動車の揺れやスピードなどにより耳の奥にある三半規管が刺激され起こります。

これは自律神経のバランスが崩れた状態(自律神経失調)であり、吐き気や気分不良など様々な症状を出現させます。

これらは個人差が大きく、病気ではありませんが人々を不快な気分にさせます。

また車酔いは、動揺病や加速度病とも呼ばれています。身体的なもの、精神的なもの、環境など様々なものが原因として相互に関係しています。

車酔いなど、乗り物酔いの原因や症状、予防法などについて、以下に詳しく説明していきたいと思います。

車酔いなど、乗り物酔いが起こる原因

乗り物は自律神経のバランスが崩れて起こると最初に書きましたが、そもそも自律神経とは身体の機能をコントロールする神経のことを言います。

私達が無意識に体温を調整出来たり、呼吸が出来たりしているのはこの自律神経が働いているからです。

この自律神経の役割の1つに「身体のバランスを保つ」という機能があります。

耳の奥には内耳という器官がありますが、内耳にある三半規管という場所が主に身体の平衡感覚を保つ働きをしています。

また、目は視覚として位置確認をしており、身体の筋肉が必要に応じて働き身体を支えるようになっています。

これらの3つの情報が連動して自律神経を伝って脳に届き、身体のバランスを保っています。

乗り物に乗っている時、これらの器官は次のような働きをします。

  • まず、乗り物の振動や加速、体の傾きなどの刺激を三半規管がとらえます。
  • この情報が三半規管から脳に伝えられ、脳から目に伝達されます。
  • 脳からは目は頭の位置と協調して動くように指示が出されます。
  • 頭が右を向けば、目も右を向くといった具合です。

ところが、車に乗ることで頭の位置(車の振動や揺れなど)と目から入る視覚としての情報(揺れる景色やカーブなど)にズレが生じて混乱起こします。

これが車酔いなどの乗り物酔いの原因になります。

これに加え、以下のようなものが車酔いを助長させます。

  • 匂い・・・車内の匂い(特にタバコ)、排気ガスの匂いなど
  • 視覚的なもの・・・実際に酔っている人を見る、携帯メールや読書など眼球の動きを細かくするような動作を行うなど
  • 精神的なもの・・・不安や緊張、「酔う」という思い込みなど
  • 身体的なもの・・・睡眠不足、疲労、食べ過ぎ、飲み過ぎ(特にアルコール類、乳製品、炭酸飲料)、空腹など
  • その他・・・冷暖房の効き過ぎ、連続したカーブなど揺れの多い道、着物など身体を締め付ける衣服を着ている、荒い運転など

また、乗り物は横揺れより縦揺れによって起こりやすいというデータもあります。

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乗り物酔いしやすい人とは

GLH1720乗り物酔いは個人差が大きいですが、2歳~3歳くらいから始まると言われています。

赤ちゃんのうちは三半規管が未熟なため、酔いにくいとされています。

車酔いは、一般的には小学校の高学年くらいにピークを迎え、徐々に落ち着いてくる人が多いです。

これは徐々に乗り物に身体が慣れてくるからです。

子供に乗り物酔いが多い理由は、車などの乗り物に乗ることに慣れていないことの他に、耳や脳の感覚が敏感で不安定なことが挙げられます。

また、状況を予期することが未熟なため、車の中で動き回ったり、正しくない姿勢をとったりすることで車酔いのリスクを高めています。

大人になると酔いやすい人でも酔う頻度は減ってきますが、あまりに乗り物酔いが酷い人は単に酔いやすい体質というだけの問題ではないかもしれません。

ホルモンなどの内分泌系に問題があったり、脳や耳に何か病気が潜んでいる場合があります。

乗り物酔いが酷い場合は耳鼻科や脳神経内科などに一度受診することをお勧めします。

また、乗り物酔いは犬などの動物にも起こります。ペットを連れてお出掛けなどする際は人間と同様に気を付けてあげて下さい。

乗り物酔いの症状とは?

乗り物酔いを起こすと以下のような症状が出現します。

初期症状

気分不良、あくび、生唾、頭痛、頭重感など

初期症状が悪化してくると・・・

冷汗、顔面蒼白、嘔気・嘔吐、呼吸が速くなる、めまいなど

乗り物酔いは個人差が大きいため症状も程度も人それぞれです。これらの症状は一過性であり、車などから降りると徐々に落ち着いてきます。

症状は、段階を経て徐々に悪化していきますので、我慢せずに初期症状が出た時点で早目に対応するようにしましょう。

また、症状がずっと治まらない場合は、他の病気の可能性があるため病院に受診しましょう。

酔ってしまった時の対処法

車などの乗り物に酔ってしまったら、対処法として、車から一旦降りて風に当たり、身体を休めることが一番です。

しかし、渋滞に巻き込まれたり、バスなどの公共機関などの場合そういう訳にもいきません。

車に乗ったままでも出来る対処法を以下に紹介しますので、参考にして下さい。

  • 衣服を緩める(身体を締め付けることで気分不良を助長します。)
  • 頭を冷やす、頭をあまり動かさないようにする
  • 乗り物と一緒に身体を動かす(ジッとしていた方が良いと思う人もいるかもしれませんが、カーブなどに合わせて身体を動かすことで、乗り物による揺れを小さくし、酔いを抑えることができます。)
  • 遠くの景色を見て、景色の変化を少なくするようにする(景色の変化が多いと脳を混乱させる原因となり酔いやすくなります)
  • 窓を開けるなどして換気し冷たい風に当たる
  • シートを倒して横になる

以上に加え、原因をはっきりさせるために病院に受診することも治療の1つになります。

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また、乗り物に酔ってしまった時に症状を和らげるツボというのがあるので紹介します。

酔い始めたと感じたら是非ツボを押してみて下さい。

乗り物酔いの症状を緩和させるツボ

内関(ないかん)

手のひら側の手首にあるツボです。手首の中央の3㎝肘側の部分を指します。

この部分を親指の腹の部分でゆっくり何度も揉みましょう。気分不良や吐き気を和らげる効果があります。

ただ、しんどい時に何度もこの部分を繰り返し揉むことは結構大変という人もおり、予防的に内関に米粒を当ててテープでとめておく人もいます。

最近では「シーバンド」という内関のツボを押さえてくれるバンドなども売っているようです。

築賓(ちくひん)

内くるぶしから膝方向に指5本分上がった場所を指します。

骨の際の部分でもあり、押さえると痛みを感じることが多いです。

このツボで吐き気やだるさを和らげることが出来ます。

指の腹で1分程度自分の心地良い強さでゆっくり押して下さい。

手心(しゅしん)

手のひらの中心にあるツボです。気持ちを落ち着かせる効果があり、緊張している時などにも効果があります。

指の腹やボールペンの先の尖った部分で10回程度軽く押して刺激して下さい。

天柱(てんちゅう)

うなじの中央の髪の生え際から指1本分上のくぼみの更に左右に指3本分ずらした位置にあるツボのことを言います。

自律神経失調症による頭痛を和らげる効果があります。他にも疲れ目やストレスによる疲労回復などにも効果があります。

親指の腹で3秒押して、3秒離してを繰り返します。天柱は両手で頭を支える様にしてツボを押します。

乗り物酔いを予防する方法は?

車酔いを始めとする乗り物酔いは、以下の方法である程度予防することができます。

酔いやすい人は事前にしっかり対策を取ることが大切です。

  • 十分な睡眠を取り、疲れを取っておく
  • 空腹や満腹の時は乗り物に乗るのを避ける
  • 車に乗った際は換気をしておく(香水など匂いの強いものを付けるのもなるべく避けて下さい)
  • 車に乗る30分~1時間前に酔い止めを飲んでおく(添付文書に従うようにして下さい)
  • 乗り物の中では携帯メールやPCの操作、読書などは控える
  • 揺れを小さくするため車体の中心に近い席に座るようにする
  • 歌ったり、友人と話したりして気分転換をする。また、寝入ったり、ラジオを聴いたりして気を紛らわす
  • 自分で運転出来る人は自分で運転するようにする。(自分で運転すると刺激に鈍くなり酔いにくくなります)
  • バスに乗る際は、予約出来るものは事前に予約して乗るようにする。また、バスは揺れの少ない前方の方に座る。(ただしタイヤの上は避ける)

車の場合は安全にスムーズな運転をすることが大切になります。

スピードが出過ぎていたり、不慣れな人が運転するとどうしても車酔いが生じやすくなります。

安全運転は事故だけでなく、車酔いも予防することが出来ます。

また、前転やブランコなどで平衡感覚を鍛えることも乗り物に酔いにくい身体を造るのに効果的です。

妊婦さんへの注意事項

GLH1884車酔いによってお腹の赤ちゃんへ特別な影響を与えることはありません。

しかし、悪阻がある人はその症状を助長してしまう可能性があるため注意が必要です。

酔い止めの薬はお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性もあるため、服用する場合はきちんと産婦人科の先生に相談するようにして下さい。

市販のものより産婦人科で処方して貰う方が良いでしょう。

また、可能性は低いですが、切迫流産や出血などがみられる妊婦さんは乗り物の揺れによって症状が悪化する可能性があります。

状態が安定するまでは極力乗り物に乗ることを控えるようにして下さい。

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おわりに

乗り物酔いは気分が悪くなったり、眩暈が出現するなど非常にしんどいものです。

これらの身体的苦痛だけではなく、判断力を低下させ事故などを起こしかねません。

出来るだけ事前に対策をとって予防するように心掛けて下さい。

また、これらは車だけではなく船や飛行機、エレベーターなど乗り物全般でも同じようなことがいえます。

酔いやすい体質の人は是非参考にしてみて下さい。

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