子どもに多い疲労骨折!原因や治療、予防法を解説します。

疲労骨折とは

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骨折とは何らかの原因により骨の組織の連続性が断たれた状態を言います。骨折の種類には外傷性骨折、病的骨折、疲労骨折などがあります。

その中で、疲労骨折とはジャンプやランニングなどの行動を繰り返し行うことで、同じ骨に圧力が掛かり折れてしまうものを言います。

例えて言うなら、丈夫な針金でも何度も曲げ伸ばしを繰り返すと金属疲労を起こして、ちぎれてしまうのと同じです。

マラソン選手などのスポーツ選手に多くみられます。

疲労骨折の原因とは

疲労骨折はスポーツが原因で起こることがほとんどです。

どのスポーツでも起こりえますが、マラソン、ジョギング、ゴルフ、野球などで多くみられます。

原因としては以下のようなことが挙げられます。

  • オーバートレーニング(短期集中など短期間にハードな運動を行うと疲労骨折を起こしやすくなります)
  • 自分のレベルに合っていない高度なレベルの運動をする
  • 運動を行うグラウンドが堅すぎる、もしくは柔らか過ぎる
  • 運動するシューズやスパイクが自分の足に合っていない
  • 本人の筋力不足や筋肉の柔軟性の不足
  • カルシウム不足(カルシウムが不足していると骨密度が低くなり骨折しやすくなります)
  • 土踏まずのアーチが高い人(足の甲が高い人、「ハイアーチ」とも言います)

このように、疲労骨折は本人の体質だけでなくスポーツする環境によっても起こることがあります。どの世代でも起こりえますが、骨の成長期である10歳から高校生くらいの人に好発しやすいです。

また、女性の場合は、骨粗鬆症と無月経、そして摂食障害が合わさると疲労骨折を起こしやすいことが分かっています。

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疲労骨折が起こりやすい場所とは

疲労骨折は全身どこでも起こりますが、足にみられることが多いです。足は全身を支える場所であり、もっとも骨に負荷がかかる場所といえます。

具体的に疲労骨折が多く起こる場所は、以下のようになります。

第2中足骨

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全体の約35%を占めます。足の甲の内側から2番目の骨で、足の人差し指の付け根の方向にある骨です。マラソンやジョギング、短距離選手、その他にも剣道のような裸足で行う競技のスポーツなどによくみられます。

また、扁平足や外反母趾の人にも見られます。

脛骨(けいこつ)・腓骨(ひこつ)

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脛骨の疲労骨折は全体の約25%を占めています。脛骨とは、すねの骨のことで、俗に「弁慶の泣き所」と呼ばれる場所です。

長距離やハードル、走り高跳び選手によくみられます。

腓骨(ひこつ)の疲労骨折は全体の約10%を占めます。脛骨の外側にある細い骨のことです。長距離やうさぎ跳びなどが原因で起こります。

肋骨

全体の10%を占め、ゴルフや野球などが原因で起こることが多いです。

ゴルフのスイングや野球のバッティングのフォロースルーのときに肋骨に負荷がかかることが原因です。

その他

大腿骨や足関節内果(くるぶし)、尺骨(腕の骨)などでも多くみられます。

症状はさまざま

骨折を起こすと強い痛みや運動障害などを引き起こしますが、疲労骨折の場合はそうではありません。

症状は状況により様々ですが、以下のようになることが多いです。

  1. 原因となる運動を始めると痛みが出現し、安静にすると痛みがない。
  2. 運動の最中は痛みが感じないが、運動の直後に痛くなる。
  3. 運動の直後から痛くなり、その後安静にしていても痛い。
  4. 骨折部位を押さえると痛い。

特に1番目の症状は初期の症状です。疲労骨折の度合いが進むにつれて痛う時間が増えていくことが多いです。

また、痛みの強さも様々ですが、強い痛みではなく我慢できる痛みであることが多く、場合によっては違和感程度のことも多くあります。

腫れも骨折では骨折部位が大きく腫れ上がりますが、疲労骨折の場合、腫れは軽度で中には腫れがみられない場合もあります。

骨折していても骨折部位が動かせなくなる訳ではないので、知識のない指導者などは「成長痛」だと判断することがあり注意が必要です。

疲労骨折とシンスプリントの違い

疲労骨折の度合いにもよりますが、疲労骨折が腓骨で起こった場合は、シンスプリントと近い症状になります。

シンスプリントとは骨を包む膜(骨膜)に炎症が起こったもので、「過労性骨膜炎」と言われています。

どちらもいわゆる「使い過ぎ」が原因で起こります。

一般的には、疲労骨折の場合は、骨折している骨の部分だけに痛みを感じますが、シンスプリントの場合は、腓骨の下1/3に痛みを感じます。

微妙な違いですが、痛みの範囲をよく把握することが大切です。レントゲンでも判断することができますが、疲労骨折の程度によってはレントゲンでも判断が難しいことがあるようです。

疲労骨折とシンスプリントのどちらであっても適切な治療が必要となります。場合によってはいきなり骨折することも考えられますので、脛骨や腓骨の周辺に痛みがあるときには早めに病院に受診するようにしましょう。

診断方法

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疲労骨折は他の骨折と違い、完全に骨が折れてバラバラになっている訳ではなく、ヒビが少し入っているだけの場合もあります。

そのためレントゲンにしっかりと骨折部位が写らないことも多く、診断までに時間を要すことも少なくありません。

すぐにレントゲンで分かる場合もありますが、骨折してから2~6週間してからの場合もあります。この場合、骨折部位の修復過程で新たな骨が形成され始めた時にレントゲンでうっすらと新しい骨が写るのです。そして、初めて疲労骨折と診断されます。

そのため、初期のレントゲンで痛みなどの症状に対する原因が分からなかった場合は、数週間後に再度レントゲン撮影をして確認することがあります。

MRIや骨シンチグラフィー検査も

レントゲンの他にも、MRI検査や骨シンチグラフィー検査などがあります。

MRI検査は磁気を使って体を輪切りにしたような映像を撮って検査するもので、レントゲンよりコストは掛かりますが、より正確に骨の状態を診ることが出来ます。レントゲンで診断がつかなかった場合にはMRIを行うことがあります。

骨シンチグラフィー検査とは、がんが骨に転移しているかの確認で使われることが多い検査です。

骨は日々破壊と再生を繰り返していますが、その破壊と再生のバランスが崩れていないかを検査するものです。検査をする場合は薬を体内に注射して、2時間程度経過してから撮影を行います。

ただし、この検査は特殊ですので、予算や時間、身体に与える侵襲を考えると特別な理由がない限り行わないことが多いです。

治療は安静とリハビリ

治療は主に「安静」と「リハビリ」が中心となります。それぞれどういったことに注意すればよいのでしょうか。

安静

まずは、安静についてです。疲労骨折と診断された場合、安静にすることが最も重要になります。

原因となっているスポーツを中止し4~8週間は様子をみます。プロなど激しく運動する人は12~16週間の安静が必要です。

ただし、骨折部位以外はしっかり身体を動かし、筋力低下を予防することが大切です。

リハビリ

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状態が徐々に軽快に向かってきたら少しずつリハビリを開始します。

最初は激しい運動はせずに痛みの出ない程度に留めておきます。その後痛みのない範囲で運動のレベルを上げていきます。

痛みを和らげたり、リハビリ中はテーピングをしても良いでしょう。テーピングは痛みを緩和させる役割の他に、筋肉の動きを制限するため捻挫などのケガの防止や症状の悪化を防ぐ働きをしてくれます。

注意点

テーピングをすると治りが早くなると思っている人がいますが、それは違います。あくまで症状の緩和と怪我の予防をすることが目的で、治りを早くする効果はありません。

その他

安静やリハビリ以外では、痛みや腫れが強い場合に車椅子や松葉杖を一時的に用いて骨折部位に負荷を掛けないようにする場合もあります。

また、骨折が著しい場合は手術を行うことも頻度は少ないですがあります。

全治までの期間

疲労骨折は全治まで約2ヵ月を目安に考えておいて下さい。

他の骨折と違い痛みが多少あっても動くことが可能な場合も多いですが、そのまま放置して運動を継続していると大きな骨折へ繋がる場合があります。くれぐれも甘く見ないようにして下さい。

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疲労骨折の予防

疲労骨折を予防するために日頃から出来ることは以下のようなことです。

  • 正しいトレーニング方法でスポーツを行う(自分のレベルに合わないハード過ぎる運動は身体に負担を与えるので控えましょう。レギュラーの座が欲しいからと言って根拠もない方法でずっと運動し過ぎることは危険です。
  • 筋力をつけて骨折を起こしにくい身体を作る
  • カルシウムをしっかり摂取し骨を強くする(一緒にビタミンC、D、クエン酸などを摂取するとカルシウムの吸収を更に良くします)
  • 痛みがある時は無理をしないようにする
  • 正しい運動シューズを着用する(アーチをしっかり支えるもの)

腰の疲労骨折について(腰椎分離症)

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腰の疲労骨折は「腰椎分離症」と言われます。

以前は先天的なものが原因で発症すると言われていましたが、最近ではスポーツが原因で発症することが原因として最有力だということが分かってきました。

この腰椎分離症は成長期の腰痛の原因で最も多いと言われています。ここで少し腰椎分離症について説明したいと思います。

腰椎分離症とは

腰の骨とは腰椎と呼ばれる骨が5つ積み重なって出来ています。

この腰椎は骨盤の中央の骨(仙骨)の上に乗っています。この腰椎とは真っ直ぐではなく、緩やかなカーブを描いており、このカーブが保たれることで身体を正しい姿勢で保ってくれます。

これが何らかの原因により、5つの腰椎の繋ぎ目のどこかが切れてしまう状態を腰痛分離症と言います。

最も多いのが、第5腰椎と仙骨の繋ぎ目で、次に多いのが第4腰椎と第5腰椎です。

原因や症状は?

腰痛分離症の原因として多いのはゴルフや野球、テニスなど腰を捻る動作が多いスポーツです。

特に子供の頃に過度なスポーツ活動を行うことで生じることが非常に多いとされています。

症状は、腰を後方に反らせると痛みを生じます。

また、長時間立ったままの姿勢の場合も痛みを生じることがあります。痛みは我慢できる範囲の場合が多く、無症状の場合もあり、気付かずにスポーツを続けてしまうということもあります。

診断と治療

診断は主にレントゲンで行い、コルセット装着による治療がメインとなります。

また、痛みに対しては痛み止めの薬の服用や注射を行います。

成長期の間に腰椎分離症が発見された場合は、コルセットによる治療できちんと骨同士が癒合することも多いです。

しかし、発見が遅く成人を過ぎた場合は、正しい骨の癒合が行われず不安定な腰椎を形成してしまう場合があります。

無症状の場合も多いですが、痛みなどある場合はコルセットやリハビリなどで治療を行います。

まとめ

疲労骨折は他の骨折と違い、症状は軽いですが身体が動けることがほとんどのため発見も遅くなりがちです。

特にスポーツをしている人は、少しの痛みや違和感を感じたら、無理なトレーニングをせず、早期に病院に行くことをお勧めします。

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