外耳炎の症状や治療法、予防策、耳かきの方法などをまとめました。

※当記事にはPRを含みます。

外耳炎は中耳炎と異なり、軽症ですむと思っている方も多いでしょう。しかし、治療が必要になることもあり、また、間違った耳掃除をしていることで外耳炎になってしまっている人も大勢います。外耳炎について重要な事項をまとめましたので、参考にしてください。

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更新日:2017年12月18日

この記事について

監修:豊田早苗医師(とよだクリニック院長)

執筆:当サイト編集部

外耳炎とは

外耳炎は、外耳道炎(がいじどうえん)ともいわれ、耳の穴から鼓膜までの部分(ここを外耳といいます。)に炎症が発生する病気です。

耳の穴の皮膚は非常に薄く、少しの刺激で傷がついたり荒れたりしやすいため、耳に水が入ったり、耳掃除をした時に傷をつけてしまい、外耳の部分に炎症が生じます。

外耳炎の原因

外耳炎の主な原因は、耳かきなどで外耳道に傷をつけてしまうことです。

特に小学生ぐらいになると自分で耳掃除をする子どもさんもいます。何かのはずみで耳かき中に強くかきすぎてしまうこともあります。

その傷口から細菌などが感染して炎症を起こします。炎症を起こす前の外耳に異常がない人であれば、軽度の炎症はそのまま放置しても、通常は自然に治癒していきます。

2〜3日たっても症状が回復していかない場合は、耳鼻科を受診したほうがよいでしょう。糖尿病や免疫疾患を持っている人は、繰り返し外耳炎になることがありますので、注意が必要です。

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外耳炎の症状

外耳炎の主な症状は次のものになります。

  • 耳の痛み(特に耳を引っ張ったり、押したりすると痛む)
  • 耳だれ(白、黄色の液)
  • 耳のかゆみ
  • 耳の灼熱感(耳が熱くヒリヒリする感じ)
  • 37度程度の微熱
  • 耳が臭う

症状がひどくなると、食事をして顎を動かしたり噛んだりすると痛みがでたり、場合によっては耳の骨が変形することや、顔が腫れることもあります。腫れがひどくなると、耳鳴りや難聴が発症することもあります。

外耳炎の治療

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軽度の炎症であれば、2〜3日程度で自然治癒します。

治療が必要な場合は、まず吸引器や脱脂綿などで感染による分泌物などを外耳道から取り除きます。

分泌物が多い場合は、外耳道を塞いでしまい、難聴になっていることがありますので、この作業で聴力の回復が見られることもあります。

耳から分泌物などを除去し、患部を消毒した後は、抗生剤や副腎皮質ステロイドを含む軟膏を塗り、飲み薬として抗生剤の使用を一週間程度行います。

切開して膿をだすことも

通常は前述の治療により回復していきますが、膿みがある場合は切開して膿みを出すことになります。膿を出した後の患部には、抗生物質を塗布します。

ただし、外耳炎の原因となるものが細菌か真菌(カビ)かで、治療法が異なる場合がありますので、場合によっては耳だれを採取して細菌培養検査をすることもあります。また、痛みが強い場合は、鎮痛剤が投与されます。

薬局にも外耳炎用の市販の薬が置いてありますが、症状や原因の細菌などにより、治療方法が変わってくることがありますので、たかが外耳炎などと思わず、医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしてください。

外耳炎の中には、少し治りにくいものもあります。次のものについては、特殊な治療が必要になります。医師のもとで治療を行うようにしてください。

外耳道湿疹(がいじどうしっしん)について

アレルギー体質や、外傷、細菌やカビによる感染、化粧品などが原因といわれていて、水疱(水ぶくれ)、落屑(皮がむける)などが生じます。また、かゆみも強くでます。

この場合、ステロイドの外用薬などを使った治療が行われますが、原因によって薬が異なることもありますので、自己判断せず医師の診断と処方に基づいて、治療するようにしてください。

真菌が原因となる場合について

カビが原因となるもので、糖尿病の人などにみられることがあります。かゆみが強く、掻きむしったりすることで二次感染が生じることがあります。専門医の診断のもとで、一定期間の治療を要します。

悪性外耳道炎(あくせいがいじどうえん)

非常にまれな疾患ですが、緑膿菌(りょくのうきん)による感染です。その症状は外耳道の皮膚のみならず、耳の周りの軟骨や骨を壊し、さらに頭蓋内へ進行していくことがあります。

糖尿病、白血病、がんの末期の人など免疫力が低下した人にみられます。

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外耳炎の予防

耳の皮膚はとても薄いため、少しの刺激で傷がついたり荒れたりします。

また、洗浄していない耳かきは、耳かきに細菌が付いていますので、先の硬い耳かきを使用して、強く耳掃除をしてしまうと、耳を傷つけてしまい、そこから細菌が入ってしまいます。

耳かきは、手前の耳あかを取り除く程度に、やさしく行いましょう。

綿棒を使用して掃除する場合でも注意が必要です。綿棒といえども、強くこするように使用することは避けた方がいいです。

特に乳幼児は皮膚が弱いので、綿棒が軽く触れる程度で十分です。また、耳の奥まで綿棒を入れてしまうと、分泌物などのかすを鼓膜の方へ押し込んでしまうこともあります。

綿棒を使用する場合も、耳の手前を掃除する程度で問題ありません。

いずれにしても、過度に耳かきをすると、耳の皮膚を傷つけてしまい、外耳炎になりやすくなります。

参考までに、耳あかのでき方について記載したいと思います。耳あかのでき方を知っておくと、耳掃除のやり方が変わってきますよ。

耳垢のでき方

赤ちゃん用綿棒

前述のとおり、耳の入り口から鼓膜までの耳の穴を外耳道といいます。

外耳道ではゴミや皮膚や毛などが固まって、耳あかが作られます。この耳あかが作られるところを、耳垢腺(じこうせん)というのですが、耳垢腺は外耳道の手前側(耳の入り口の方)の3分の1の場所にあり、その場所より奥では耳あかは作られないのです。

また、モノを噛むことや、あくびなど顎を動かすと、耳あかは手前の方へと自然に移動し、外へ落ちるようになっています。

したがって、耳かきを下手に使うと、手前にある耳あかを押し込んでしまったり、耳あかが存在しないはずの耳の奥を引っ掻いてしまい、外耳炎を引き起こす原因となります。

看護師からひとこと

外耳炎は耳にできた傷から細菌が入り、耳の穴に炎症が起きている状態です。1週間程度で治りますが、耳掃除の際に、気を付けないと何度も繰り返してしまう病気です。

耳かきの頻度は1か月に1~2度ほどの間隔が好ましいです。耳には自浄作用があり、耳垢を自然に外部へ押し出してくれますので過剰な耳かきはいりません。

乳幼児の場合、お風呂上りに耳掃除をすることが多いですが、耳の中の皮膚は弱いので、耳の穴の手前にある水分を軽く拭き取る程度にしましょう。

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外耳炎について質問や回答が多く寄せられていますので、こちらも参考にしてください。

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