あかぎれの予防や対策には自宅ケアがとても大切です。また、軽いうちは市販薬を塗ったり、自宅での保護対策で改善が見込めますが、ひどくなったら病院での治療が必要です。ここでは自宅ケアの方法、市販薬、病院でもらう薬、あかぎれの原因などについて説明します。

あかぎれとは?

あかぎれとは手指関節、手の甲、手のひら、足の裏などの角質(表皮の上層部)の厚い部分にひびができ、その裂け目が深くなったところから、出血した状態をいいます。

指先や手の甲などにできたあかぎれは、ぱっくりと割れて、水仕事のときは傷にしみて、とても痛い思いをします。また、料理を作るにも出血するので、衛生的にもよくありません。

このようなつらいあかぎれに、多くの人が悩んでいます。

自宅でできるあかぎれ対策と治し方

水仕事をするときはゴム手袋で保護

食器洗いや洗濯などの水仕事をするときは、手が水でぬれないようにゴム手袋などで保護しましょう。

まれに、ゴム手袋(天然ゴム成分)や手袋の内側に塗ってあるパウダーによってアレルギー反応を起こす人もいますので、使用してかゆみや蕁麻疹、呼吸苦などの症状が出る場合はすぐに中止してください。綿の手袋をはめてから、ゴム手袋を使用する方法もおすすめです。

やむをえず、素手で洗う場合は冷たすぎる水や熱すぎるお湯の使用はひかえてください。

手が濡れた場合はタオルで水分をきちんとふき取りましょう。

乾燥予防に保湿クリーム

手やかかとの乾燥しやすい場所には、ハンドクリームやボディークリームなどを塗って保湿してください。保湿効果のあるクリームであれば何でも結構です。

クリームを塗った後に、手袋や靴下をはくと保湿効果が高まります。

暖房をつけるときは室内の加湿もしましょう。

皮膚の乾燥を防ぐため、暖房を使用するときは加湿器も一緒に使用すると乾燥が防ぐことができます。加湿器がない場合は、洗濯物を干すなどして湿度を保つようにしてください。

身体を冷やさないようにすることも大切

指先や足先などの体の先端部分には細い血管が多くめぐっていて、外気や水などで冷えると血管が収縮し、皮膚への血流が悪くなります。

そうなると、手足の先の皮膚には、血液中の栄養が十分に行き渡らないことになり、結果、皮膚が弱り、傷ができやすくなったり、傷の治りも悪くなってしまうのです。

寒い日はもちろん、室内でのクーラーによる冷えなどに対しても、防寒対策を行うことが大切です。手袋、マフラー、厚めの靴下、ひざ掛けなどを身に着けて寒さから体を守りましょう。

保湿クリームを塗るときに、一緒に手足をマッサージしながら血液の流れを良くするのも効果的です。ただし、あかぎれができたときは、マッサージをすることで強い力が傷に加わり、悪化することがありますので、注意して行ってください。


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市販の塗り薬・軟こう

軽いあかぎれの場合はドラッグストアなどに売っている、あかぎれ専用の軟こうを塗って様子をみるといいでしょう。ドラッグストアなどには、色々な種類のあかぎれの市販薬があります。

いずれの薬も用法・用量を守ってきちんと使用すれば有効です。あかぎれの初期に効き目がありますので、傷が深くなったり、繰り返すようでしたら医療機関を受診してください。

オロナイン軟こう

殺菌作用があり、感染予防の効果があります。ワセリンなども含むため、皮膚の保護をする作用もあります。軽いあかぎれに使用できます。

メンソレータム軟こう

皮膚を乾燥や刺激から保護し、血行を促す作用があり、かゆみの症状も軽減します。あかぎれ予防に効果的です。

ケラチナミン配合クリーム

ケラチナミンは尿素の成分のひとつで、皮膚の角質を柔らかくして、うるおいを保つ作用があります。

ケラチナミンなどの尿素を含むクリームは、あかぎれの刺激になる場合がありますので、予防的に使用することをお勧めします。

ワセリン

皮膚の保護・保湿する作用があります。予防的にも、あかぎれが出来てからも皮膚を守ります。水仕事の後に水分をよく拭き取り、塗り込むと皮膚の水分が閉じ込められて、蒸発を防ぎます。

市販の絆創膏タイプのもの

痛みのある時は保護用の絆創膏で、外部刺激から傷を守りましょう。3、4日使用して改善がなければ、医療機関を受診して適切な処置を受けるようにしてください。

絆創膏タイプのものには、あかぎれテープ、キズパワーパッド、あかぎれバン、絆創膏、あかぎれガード、水絆創膏などがあります。

絆創膏タイプのものは、あかぎれになった患部をしっかり保護するのに有効な貼り薬です。

水仕事をしてもしっかりフィットしているため、患部が濡れることはありません。皮膚の血行をよくする、ビタミンE成分が塗布された絆創膏もあります。

大きさや形は様々ですが、傷の大きさ、形にあったものを選ぶといいです。

湿潤療法を用いたキズパワーパッド

湿潤療法といって、傷を乾燥させずに、傷から出る体液(浸出液)で治す方法があります。キズパワーパットなどは傷をぴったりと覆って、体液中の成分で傷を治癒させる方法を兼ねています。

医療機関でも湿潤療法が用いられることがあります。ただし、家庭での処置では軽いキズであることが前提の処置方法となりますので、注意してください。

外部からの刺激を保護する水絆創膏

水絆創膏は接着剤のような水溶の液体のぬり薬で、空気に触れると固まります。傷にぬるとかさぶたのように傷を覆い固まって、外部の刺激から保護します。傷が浅いときに有効ですが、出血していたり、炎症がひどい場合は使用を控えてください。

接着剤、ボンドはダメ!

あかぎれのひび割れた部分に木工用のボンドや接着剤を塗って患部を接着している人がいますが、傷口から体内に接着剤の成分が入りこんでしまうことが考えられますので、安全な治療方法とはいえませんのでやめてください。

必ず、あかぎれ専用の水絆創膏などを使用するようにしてください。

食生活で肌の健康を保とう

日ごろの栄養バランスに気を付けて、肌や皮膚の健康を保つことが大切です。ビタミンを含む食品を積極的に、食事からとるようにしましょう。

皮膚に良い栄養素とそれを含む食べ物は、次のようなものになります。

栄養素 食べ物 働き
ビタミンA 緑黄色野菜(かぼちゃ、にんじん、ほうれん草など) 皮膚をスムーズに形成し、うるおいを保つ働きがあります。不足すると皮膚が乾燥し、角質が厚くなります。
ビタミンB 納豆・乳製品・魚・肉 皮膚の新陳代謝をうながし、ハリや弾力を保つ働きがあります。
ビタミンC かき、キウイ、いちご、ブロッコリーなど 皮膚のコラーゲンを作る働きがあり、肌のハリを整えたり、抵抗力を高めます。
ビタミンE 植物油・アーモンド・ピーナッツなど 血行促進と、新陳代謝を活発にします。
たんぱく質 魚・卵・肉・大豆製品(大豆、納豆、豆腐、おからなど) 皮膚の他に体をつくる大切な栄養素です。
脂肪
(必須脂肪酸)
ごま、クルミ・脂ののった魚(さんま・うなぎ) 不足すると乾燥肌や皮膚の病気が起こりやすくなります。体内で作られないので、食物から体内へ取り入れることが大切です。
食物繊維 穀物、大豆製品、海藻類、野菜、きのこ 不足すると便秘になりやすく、ニキビも出やすくなります。

ビタミン剤・サプリメントについて

皮膚を健康状態に保つため、食事の他に補助的に飲用するのはいいことです。

すべてをビタミン剤・サプリメントで補うのは好ましくありませんので、バランスよく食事からとるようにしましょう。

病院で処方される薬など

市販の薬で改善がみられないときは、皮膚科を受診してください。長引くと症状が悪化してしまい、治療回復に時間がかかってしまうことがあります。

皮膚科では、あかぎれの症状にあわせた軟こうや飲み薬が処方されます。処方される薬には次のようなものがあります。

保湿・保護軟こう

ユベラ軟こう、ワセリン、亜鉛華軟こう、ウレパール、ヒルロイドなど。

皮膚の血行促進・保湿の効果があります。

ステロイド軟こう

デルモベート、アンテベート、リンデロンV、キンダベート、ロコイドなど。ステロイド剤には強さのランクがあり、症状によって使い分けられます。

炎症・痛みに効果があります。塗布する用量・回数は医師の指示に従ってください。自己判断で調節すると悪化する恐れがあります。

外用抗菌剤

ゲンタシン軟こうなど抗生物質が入った軟こう。あかぎれ患部へ菌の感染が見られるときに処方されます。

飲み薬

  • 抗ヒスタミン剤(かゆみ、炎症を伴う場合に処方されます。)
  • 抗アレルギー剤(かゆみ、炎症を伴う場合に処方されます。)
  • 抗生物質(細菌感染がある場合に処方されます。)
  • ユベラ錠(血行不良の改善作用があります。)
  • 漢方薬(血行不良、冷え症などに効果がある薬をその人の体質に合わせて処方されます。)

これらの薬はそれぞれの症状に合わせ、組み合わせて処方されます。


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あかぎれの原因

主な原因は寒さと乾燥

冬に手がかさついたり、あかぎれが出来てしまうのは、寒さによる血行不良と乾燥した外気が主な原因です。

血行不良の皮膚には、血液中の栄養が行き渡っていないため、表皮のバリア機能が弱くなってしまいます。主に指先や足先など、外気に触れやすい末端に血流不足が起こりやすくなります。

そこに空気の乾燥が加わると、表皮中の水分や油分もなくなってしまい、ひび割れてきてしまいます。血管のある真皮まで深くひび割れてしまうと、あかぎれの状態になります。

洗剤や洗髪剤の刺激

洗剤や整髪剤などによる刺激が原因で、あかぎれになることがあります。

水仕事をする人(主婦・調理師など)、洗髪剤をあつかう美容師、毎朝シャンプーをする習慣のある人や、過度な清潔志向がある人によくみられます。

刺激のある薬剤が表皮のバリア機能を低下させる

洗剤などに含まれる合成界面活性剤によって、食器の油とともに、表皮の油分まで流されてしまいます。その他に香料や殺菌剤、漂白剤なども含まれている洗剤もあるため、皮膚の刺激となります。

さらに、水を使用することで、血行不良が起こり、空気の乾燥などが加わるとあかぎれになります。熱いお湯を使用すると、今度は皮膚にある油分が流されてしまい乾燥が進みます。

水仕事をするときは予防対策と作業後のケアが大切です。

また、界面活性剤などの刺激成分が少ない洗浄剤も市販されていますので、肌の弱い人は使用することをお勧めします。

皮膚の老化

老化は人間であれば、誰にでも起こり得ることで、これは仕方のないことです。

老化とともに、皮膚の角質にある水分や油分、コラーゲンなどが減少し、外気の乾燥が加わることでいっそう、皮膚はカサカサの状態となり、あかぎれとなります。

身体全体の皮膚機能が低下しているので、入浴時に体を洗うときには、強くこすらず手で優しくなでるように洗いましょう。また、石鹸も刺激の少ないものを選ぶようにしましょう。

お年寄りのいる家庭では、お年寄りの方の皮膚の状態を観察し、保護クリームを塗ってあげるなどして、ケアをしてあげてください。

水虫もあかぎれに

水虫は足の裏、指間など、手の水虫は手指、爪など角質が厚いところに多くできます。手の水虫は足よりは少ないのですが、湿疹とまちがわれて、適切な治療をしていない人もいます。

水虫は白癬菌という原因菌が角質に入り込み、皮むけ、びらん、亀裂を起こさせます。亀裂を起こす水虫は少ないのですが、冬のほうが乾燥が伴い、ひどくなります。

乾燥や血行不良が重なると、水虫でもあかぎれを起こすことがあります。

白癬菌を殺菌治療するとともに、皮膚の保護・保湿ケアと感染部の清潔を保つことが大事です。

水虫が疑われる場合は皮膚科を受診し、適切な処置を受けるようにしてください。

アトピー性皮膚炎

遺伝性な体質が関係して起こるアレルギー性の皮膚炎をアトピー性皮膚炎といいます。

ほこり、花粉、動物の毛、カビ、ダニ、食物などが、アレルギーの原因となって、皮膚炎を起こします。

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能に異常があることがわかっています。その異常があることで、皮膚がアレルギーの原因物質を吸収しやすかったり、細菌やカビが付着しやすくなります。また、乾燥し、粉のふいたようなざらついた皮膚が特徴になります。

その他に顔、耳、首、関節の外側や内側などに発赤や汁が出て、かさぶたができたり裂けてしまったりして、あかぎれを起こすことがあります。かゆみもとても強く感じます。

治療では乾燥をとる保湿剤、感染を起こしてる場合は抗菌剤、炎症にはステロイド剤を使用します。かゆみには抗ヒスタミン剤、アレルギーを起こしにくくするために、抗アレルギー剤を使用する場合もあります。また、アレルギーの原因物質を特定して、原因を遠ざけることも大切です。

家庭では毎日、皮膚を入浴やシャワーなどで清潔にすること、乾燥させないように室内の乾燥対策や皮膚の保湿ケアが大切な治療になってきます。

肌の役割や構造

皮膚の役割は体の表面を覆って、外からの乾燥や温度変化、衝撃などから保護します。皮膚の構造は外側から表皮・真皮・皮下組織からなっています。

表皮の役割(バリア機能)

一番外側の表皮は角化細胞が分裂を繰り返して角質層を作っています。

角質層は5~6層の厚み(0.02ミリメートル程度)があり、角化細胞の寿命は14日程度で、細胞が死ぬと垢やフケとなります。

垢やフケが剥がれ落ちるまでさらに14日かかるため、新しい皮膚との入れ替わりには4週間程かかります。

さらに、表皮の外側には皮脂膜(脂質膜)があります。皮脂膜では、絶えず汗(汗腺より分泌)と皮脂(皮脂腺より分泌)が少しずつ分泌されており、それが混じり合って薄い膜となり表皮を覆っています。

皮脂膜には殺菌効果もあり、外部からの菌や真菌の侵入や発育を抑えています。また、皮膚の乾燥を抑えてうるおいを保ち、外部の刺激から皮膚を守る役割もあります。

表皮の角質層内には次のような組織が存在しています。

組織名 働き
セラミド 表皮の角質層に存在する脂質(油分)で、外界からの刺激に防御的に働きます。
ランゲルハンス細胞 アレルギーを引き起こす物質を感知する細胞
色素細胞(メラノサイト) 肌の色をつくる色素細胞。有害な紫外線から真皮侵入を防ぎます。

このように、表皮は体の水分や油分の蒸発や、外界からの異物(細菌や毒素、微生物など)が体内に入り込むことを防ぐバリアのような役目をはたしています。

真皮の役割(うるおい機能)

真皮は表皮のすぐ下にあります。真皮はコラーゲン(膠原繊維)とエラスチン(弾力繊維)が占めており、老化とともに性質がかわると、皮膚の張りや弾力がなくなります。

そのほかに血管・リンパ管・神経・汗管・汗腺・皮脂腺などの器官があります。怪我をして出血するのは、真皮まで傷ついているということを意味しています。

皮下組織の役割(クッション機能)

主に脂肪組織で構成されています。

脂肪によって身体を外界からの衝撃をクッションのように受け止め、外気温の変化からも断熱材のような役割を果たし保温します。脂肪として栄養分も蓄える役割もあります。

看護師からひとこと

あかぎれは皮膚の保護や温度の調節によってふせぐことができますので、日常的に予防対策やスキンケアしていくことが大切です。

アレルギー性の皮膚炎や水虫などの皮膚炎によってできるあかぎれの場合は、原因となる病気の治療が必要ですので、皮膚科を受診するようにしてください。

参考文献・サイト

あかぎれについて多くの質問や回答が集まっています。こちらも参考にしてください。

[カテゴリ:手・足, 皮膚]

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