めまいといってもそのタイプには種類があり、症状もさまざまです。場合によっては脳梗塞や脳腫瘍などが原因となる重いものもあります。原因が明確にならず根本的な治療が難しいものもあり、上手に付き合って生活していくことも大切です。めまいの症状や原因となる病気についてポイントを説明します。

更新日:2017年03月27日

※この記事は看護師が監修をしています。

めまいには脳の病気が隠れていることがある

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めまいには、耳から神経、脳へと繋がる身体の一部の異常や、血流・血圧の異常によって起こるものと、心因性といってストレスなどから引き起こされるものがあります。

耳やそれに関わる神経など、身体の中でも特に繊細な部分に関わる問題のため、様々な検査をしたうえで原因を判断します。

めまいで一番怖いのは、脳神経の病気が隠れていることです。危険なめまいの特徴は以下の通りです。

  • 初めて感じるタイプで、30分以上持続するめまい
  • ひどい頭痛や吐き気を伴うめまい
  • 手足の動かしづらさやしびれ、喋りづらさを伴うめまい

このような特徴のあるめまいを感じた場合は、なるべく早く医療機関を受診してください。

また、めまいは原因が見つかるまで時間がかかり、治療を始めてもなかなかすぐには改善しないことの多い、難しい病気です。むやみに自己判断せず、気長に治療を続けていくことが大切です。

めまいの種類は大きく3つ

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回転性

回転性のめまいとは、天井や周囲がぐるぐる回っているように感じるめまいのことです。耳の器官の異常によって起こることが多く、耳の症状(耳鳴りや難聴など)を伴うことが多くあります。

目を閉じて横になると治まることが多く、吐き気止めや、乗り物用の酔い止めが効くこともあります。

動揺性・浮動性

浮動性あるいは動揺性のめまいでは、めまいを感じるだけでなく、実際に身体がまっすぐに保てなかったり、ふらつきが起こったりします。聴力に関係する耳以外の場所(脳や神経など)に関わっているため、頭痛やしびれを伴うこともあります。

身体を動かしたときに、めまいが強く出ることがあり、立ちくらみのようになることもあります。

浮動性のめまいを感じる高齢者の多くが、高血圧や糖尿病などの持病を持っているのも、特徴の一つです。血圧を調整する機能が衰えているため、普通の人よりめまいが起きやすくなると考えられています。

また、さまざまな薬を飲んでいるため、その飲み合わせや副作用が原因になっていることも考えられます。新しい薬を飲み始めて短期間でふらふらするようなめまいを感じた場合は、内服を続けるべきかどうか、薬を処方した医師と相談するとよいでしょう。

失神性

「立ち上がる」、「起き上がる」など、頭をそれまでの位置より上に持ち上げたときに、脳の血流が急激に低下することによって起こります。

身体のふらつきなどの症状や、意識が遠のくような感覚を伴います。このような場合の症状を一般的に「立ちくらみ」と呼びます。

また、排尿・排便後や、強い痛みを感じたときなど、副交感神経が急激に刺激されたときにも、血圧が急に下がることで、失神性のめまいを生じます。

失神性のめまいが起こったときは、その場に安静にする、頭を低くするなどして、脳への血流を戻すことが必要です。それでも改善しない場合は、吐き気や便意を催すなどショックに近い症状が現れ、ひどい場合は失神してしまいます。

失神性のめまいは、体質によって起こりやすい人がいます。なんとなく気分が悪くなり、「めまいが来そうだな」と思ったら、しゃがむ、壁に寄り掛かるなど、転倒を防ぐために早めの対処をすることが大切です。

めまいの原因

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ストレスなどの心因性

ストレスが溜まると、自律神経のうち交感神経が過剰に働いてしまい、自律神経のバランスが乱れます。心因性のめまいは、自律神経の乱れによって起こると考えられています。

心因性のめまいは、病気によるものでない分、治療が難しいといわれています。検査をしても原因がはっきりせず、薬の効果も出づらいことがあります。

さらには、そのような治療経過がストレスとなり、めまいが悪化するといった悪循環に陥りやすい特徴があります。

心因性めまいの種類は、回転性や動揺性など、人によって、また時によってさまざまで、耳鳴りや不眠、頭重感を伴うことも多くあります。

低血圧

なんらかの理由で急激に血圧が下がると、脳への血流も不足します。それにより、脳への栄養が不足するため、立ちくらみのタイプのめまいを引き起こします。

また、日ごろから血圧が低い人では、もともと脳の血流が悪いので、少しのきっかけでめまいを起こしやすくなります。横になるなど安静にすることで自然に回復しますが、安静の後に急激に動かないよう、注意する必要があります。

鉄分不足

鉄分不足の多くは血液を薄くしてしまうため、貧血を引き起こします。脳への栄養や酸素の運搬が不足してしまうため、少しの運動で立ちくらみのようなめまいを引き起こします。

貧血を起こしている場合、めまいのほかにも少しの運動で動悸がしたり、息切れがしたりします。


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生理・生理前

生理前にホルモンバランスの乱れにより、さまざまな不快症状が起こることを、月経前症候群(PMS)といいます。PMSの症状の一つとして、めまいが起こることがあります。

また、生理中の脱水や貧血によっても、めまいが起こることがあります。脱水や貧血による場合は、水分摂取によってある程度改善が期待できます。

妊娠・妊娠初期

妊娠中のめまいの原因は、つわりによるものと、貧血によるものの2つが考えられます。

つわりが起こるメカニズムについては十分に解明されていませんが、ホルモンバランスや代謝の変化により、さまざまな症状が起こってきます。

吐き気や脱水が原因でめまいがあることもあれば、つわりの症状が強くなり脳神経系が乱れることで、めまいが起こることもあります。妊娠中で薬の使用も制限されるため、つらい症状が長期間になってしまう傾向があります。

また、妊娠中は胎児にも血液を循環させるため、妊婦自身は貧血になりがちです。貧血により、脳への血流が不足するため、失神性のめまいを引き起こすこともあります。

寝不足

人がゆっくり休むには、自律神経のひとつである副交感神経が働くことが必要です。睡眠が十分にとれず、自律神経に乱れが生じると、浮動性のめまいが起きやすくなります。

疲れ

筋肉の過緊張によって起こる疲れは、さまざまな場所の血流障害を起こします。血流障害によって、脳にいく血液が不十分になると、浮動性のめまいを起こすことがあります。

また、疲れによって自律神経に乱れを生じた場合もめまいが起きやすくなります。

肩こり

肩から首にかけての筋肉の過緊張を肩こりと呼びますが、めまいも首付近の筋肉の過緊張から起こることがわかっています。首の筋肉の緊張で、めまいと肩こりが同時に起こりやすくなります。

病気が原因のめまい

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病気が原因となるめまいには次のものが考えられます。

良性発作性頭位めまい症

いつも決まった頭の位置でめまいが起こる病気で、耳の中の機関の障害によって起こります。目をつぶってもめまいの症状は治まらず、他の人が目を見ると、左右に眼が揺れる「眼振」という症状があります。めまいは数分以内におさまります。

緊張型頭痛

このタイプの頭痛は、めまいと同じ、首や目など、頭や首の周辺の筋肉の緊張が原因で起こります。

頭痛が原因でめまいが起こる場合や、めまいが原因で頭痛がひどくなる場合が考えられますが、同じ原因から、頭痛とめまいが独立して起こっている場合も、大いに考えられます。

偏頭痛(片頭痛)

偏頭痛の原因はいまだに明らかでなく、症状も様々ですが、めまいのある人のおよそ4割が偏頭痛でも悩んでいます。逆に、偏頭痛もちの人の2割程度は、めまいの症状も感じているといいます。

偏頭痛にめまいが伴う原因も明らかではありませんが、どちらの症状にも重い病気が隠れている場合があります。急にめまいや頭痛が同時に始まったときは、まずは耳鼻科もしくは脳神経科を受診しましょう。

うつ病や不安障害

うつ病や不安障害に関わる自律神経系と、めまいが関わる前庭神経系は、お互いに作用しあっています。そのため、うつ病の人がめまいを感じることがあったり、逆にめまいを感じることでうつ病を引き起こしたり、重くしてしまったりすることがあります。

そのため、めまいを訴える人のうち、1割程度はうつ病でもあるといわれています。めまいのことで不安に感じたり、気分が沈んだりする場合は、耳鼻科の主治医に積極的に相談しましょう。

メニエール病

高齢者がめまいを感じると、まず一番に疑われることの多い病気です。

発作のように急にめまいを感じ、起き上がっていることすら難しくなります。難聴や耳鳴りを伴うことがあり、頭を動かすと吐き気を感じることもあります。数時間以内に治まることがほとんどですが、この発作を繰り返すと、耳鳴りや難聴が治らなくなってしまいます。


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突発性難聴

突然、耳が聞こえなくなったり耳鳴りを感じたりする病気です。原因はまだよくわかっていませんが、めまいを伴うことがあります。

前庭神経炎

耳から脳へ繋がる、前庭神経というところに炎症が起こることで、めまいを感じます。動くことも難しいぐらいの強い眩暈が、数週間続きます。風邪を引いたあとに、起こりやすい病気です。

大腸癌

がんがある部分は刺激に弱く、出血に弱いものです。大腸にがんがある場合、便に血が付きますが、自分が思っている以上に出血していることがあります。結果として貧血が起こり、脳への血流が低下し、めまいが起こることがあります。

便に血が付く場合や血交じりの便が出る場合は、たとえ少量でも、明らかな痔や肛門付近の出血でない限り、医療機関を受診しましょう。

脳梗塞

脳内の平衡感覚を司る位置に脳梗塞が起こったとき、めまいを感じることがあります。

平衡感覚を司る部分は、脳内では「脳幹」と呼ばれていて、生命機能に関わる大切な場所です。そのため、脳梗塞を起こしやすいと言われている人や、脳梗塞を経験したことがある人が急激にめまいを感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

脳腫瘍

脳梗塞と同じく、脳内の平衡感覚を司る位置に脳腫瘍があるとき、めまいを感じることがあります。また、聴神経腫瘍といって、脳内にある聴神経そのものに腫瘍が出来てしまった場合にも、めまいを生じます。

脳腫瘍は、脳のがんです。ほかの場所のがんが脳に転移して起こる場合と、生まれたときから持っている場合があります。

生まれたときからある脳腫瘍は、場所によって無症状のこともあります。無症状だった脳腫瘍が急激に大きくなり、今まで正常だった部分を圧迫して急激にめまいや頭痛、吐き気などの症状が出ることが稀にあります。これらの症状が、急激に出た場合には、急いで医療機関を受診する必要があります。

高血圧症

高血圧の人がめまいを訴えることはよくありますが、高血圧の結果として、めまいが出るかどうかは、医師によって判断が違います。

めまいが起きたときに血圧が高かった、ということはよくありますが、めまいの結果、血圧が高くなっている、と判断することもできるからです。

めまいは脳血流が低下しているサインです。そのため、高血圧の人がめまいがあるからと、血圧を下げる薬をすぐ飲むと、さらに血圧が下がり危険です。

主治医と相談し、めまいが重大な病気のサインでないことを検査してもらうとともに、高血圧を伴うめまいの対処法などを確認しておくことが大切です。

低血糖症

インスリンや、それに関わるホルモンのバランスが乱れることにより、低血糖の状態になってしまう病気のことです。糖尿病とはまた別の病気です。脳にとっての唯一の栄養である糖分が不足することにより、めまいが起こることがあります。

起立性低血圧

失神性のめまいを生じる一番の原因です。収縮期血圧(数値が大きい方)が20mmHg以上下がったとき、と定義されていましたが、高齢者ではそれほど下がっていなくてもめまいを感じることがあります。 

起立性調節障害

10歳から16歳に多い種類の病気です。立ち上がったり体勢を急に変えたりすることで、全身の血流が急激に悪くなってしまいます。頭の血流が不十分になるため、めまいを感じることがあります。

他にも頭重感や耳鳴りなどの症状を訴えますが、横になると回復するのが特徴です。幼い子どもでは訴えがはっきりしないまま横になっていることが多いため、「活発でない、だらけている子ども」と勘違いされやすい病気です。

何科を受診すればよいか。

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症状がめまいだけの場合は、耳鼻科を受診しましょう。

高血圧や糖尿病など、持病がある人は、まずはかかりつけ医に相談しましょう。

他科での治療が必要になる場合も、かかりつけ医からの 紹介状(診療情報提供書)があると安心です。

ひどい頭痛や吐き気を伴う場合は、脳神経科のある総合病院を受診しましょう。

看護師からひとこと

めまいは原因がわからないことも多く、根本的な治療が難しい病気です。そのため、長い間めまいに悩まされる人も多く、とてもはつらいことだと思います。

めまいがあるときは、予定をキャンセルしたり、ゆっくり座れる場所を探すなど、症状が治まるのを待てる環境を作ることが大切です。

また、めまいによってストレスを溜めることのないよう、上手に付き合っていきましょう。

めまいについて多くの質問や回答が寄せられています。こちらも参考にご覧ください。

[カテゴリ:精神・神経, 貧血, 高血圧が原因]

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