水虫は白癬菌というカビによる感染症です。女性や子どもの水虫も増えていて、日本人の4人〜5人に1人が感染していると言われています。水虫は自然治癒しませんので、基本的には医師の治療を受ける必要があります。水虫を完治させる方法や予防法、再発させない方法などをまとめました。

更新日:2016年12月09日

※この記事は看護師が監修をしています。

水虫とは?

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足にかゆみがある・皮がむける・ジクジクする・プツプツができた、こんな症状はありませんか?それは、水虫のサインかもしれません。

水虫は白癬菌という真菌(カビ)の一種が原因で起きる皮膚の感染症です。白癬菌の潜伏期間は5~10年と長く、感染に気づいていない人も含めると日本人の4人から5人に1人は白癬菌感染者と言われ、不特定多数が利用する公共施設の水場(バスマットなど)には必ず白癬菌がいると推測されます。

自然治癒はしません!

水虫は命の危険を感じるような症状がなく放置されがちですが、自然に治るものではありません。皮膚の外側の角質は自然治癒力によって、白癬菌を退治できる場所ではないため、適切な薬で治療するしかないのです。治療せずにいると水虫菌が増え続け、体の他の部分にまで広がったり、他者に感染したりします。

最近では男性のみならず、女性・子どもでも悩む人が増えている「水虫」。いくつかのポイントを押さえて、しつこい水虫に感染しないようにしましょう。


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水虫の原因は「白癬菌」+「ある条件」

水虫の患者さんから剥がれ落ちた細かい角質(垢)や爪の破片には「白癬菌」が潜んでいて、これが他者の体に付着することで感染が始まります。体のどこかに付着した白癬菌は、皮膚の一番外側にある角質層(いわゆる垢)に入り込み、増殖することで症状を引き起こします。

しかし、白癬菌自体は強い菌ではないので、皮膚に付着しただけでいきなり感染するということはなく、「付着」+「一定の条件(温度・湿度・時間)」で菌が増殖・定着して、水虫になっていきます。

白癬菌が活発に増殖を始めてしまう条件

  • 温度:15度以上
  • 湿度:70%以上
  • 時間:24時間以上

したがって、長時間革靴やブーツを履き続けて、靴の中が蒸れている状態、温泉やジムなどの浴場で増殖することになります。

白癬菌がたくさんいそうな場所

  • スーパー銭湯
  • 足湯
  • スポーツジム
  • プール
  • 不特定多数の人が使う足ふきマットやスリッパ
  • デイサービスでの入浴や高齢者施設

水虫の種類・症状

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水虫の原因菌である白癬菌は、「ケラチン」というタンパク質を好んで栄養源にします。「ケラチン」は全身の皮膚(角質)以外にも髪の毛や爪の主成分であるため、水虫(白癬菌)の感染は全身で起きる可能性があり、感染部位により病名や症状が異なります。

白癬菌の9割が足への感染で、感染の初期にはかゆみが出たり、皮がむけてきたりします。

また、患部をかいた手で他の体の部分を触ると感染範囲は広がる可能性があります。

足白癬(主に3種類):ミズムシ

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(1)趾間(しかん)型:出来やすい場所→足の指の間

  • 白くふやける、薄皮がめくれる、ジュクジュクし赤くただれる。
  • 強いかゆみや臭いを発生させる。

(2)小水疱型:出来やすい場所→足の裏・土踏まず

  • たくさんの赤い小さな水疱ができ、1週間程度で乾燥し褐色のカサブタになって剥がれる。
  • かゆみと共に痛みも感じる。

(3)角質増殖型(かかと水虫):出来やすい場所→足裏のかかとなど皮膚の厚い所

  • 角質層が厚くなりボロボロと皮がむけてくる、粉を吹いたように白っぽく厚くなる、ひび割れる。
  • かゆみなどの自覚症状がほとんどない為、乾燥肌と勘違いしやすい。

頭部白癬:シラクモ

  • 子どもがなりやすい。現在ではあまり見られない。
  • 頭が白っぽくなる。
  • 強いかゆみがある。
  • 毛穴が赤くはれ上がり、周囲の髪の毛が抜ける。

体部白癬:ゼニタムシ

  • 体の柔らかい部分(お腹・胸・わきなど)にできる。
  • 小さい発疹ができ、次第に輪を作るように大きくなっていく。
  • 強いかゆみがある。

股部白癬:インキンタムシ

  • 股間の周囲や足の付け根あたりに小さいブツブツができる。
  • 痛みやかゆみを伴う。

手白癬(手水虫):ミズムシ

  • 他の部分に出来た水虫を触り、放置してしまったことでなる可能性が高い。
  • 症状は足と似ていて、爪や皮膚が分厚くなりボロボロはがれる。
  • かゆみがある。

水虫と間違えやすい病気

水虫だと思って受診する方の約30%は水虫ではないといわれています。水虫に似た症状が出る病気としては、次のような病気があります。

掌蹠膿疱症・多汗症・尋常性乾癬・掌蹠角化症・シモヤケ・梅毒・皮膚カンジダ症・紅色陰癬・脂漏性皮膚炎・異汗性湿疹(汗疱)・接触性皮膚炎(かぶれ)など。

24時間以内に洗って確実に予防しよう

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一度かかると二度とかからない病気もありますが、水虫の原因菌である白癬菌は「真菌(カビ)」の一種であり、人間は真菌に対して抗体を持てないため、一度完治したとしても条件が揃えば、何度でも感染してしまいます。

しかし、白癬菌が体に定着(感染)しても、目安とされる「約24時間」の間に綺麗に洗い流し、十分に乾燥させれば、発症を防ぐことが出来ます。

水虫を予防するために重要な2つのポイント

  1. 白癬菌を体に付着させない!
  2. 付着した可能性がある場合はすぐに洗い流す!

これで水虫を予防できる!

上記の2点のポイントを念頭に置きつつ、次のことに気をつけて生活すれば、しっかりと予防できます。

  • 1日1回は足を洗う。(石鹸を泡立てて優しく洗うこと。強く洗うと肌が傷つくので、逆に水虫になりやすい。)
  • 水洗いが難しい場合はアルコールを含んだティッシュペーパーや脱脂綿で拭き取る。
  • 靴を長時間(1日6時間以上)履かない。
  • 水虫の既往歴がある場合は「感染時に履いていた靴」を履かない。
  • 毎日同じ靴を履かないように複数用意する。
  • 5本指の靴下や・抗菌性のあるものを選ぶ。
  • 足を清潔にし、よく乾燥させ通気性を意識する。
  • 共用施設では素足を避け、不特定多数が利用する足ふきマットやスリッパは使用しない。
  • 共用施設で足拭きマットを仕様した場合は、その後にアルコール消毒できる除菌シートなどで綺麗に拭き取る。

家庭内外で感染を防ぐポイント

家庭内に水虫になってしまった人がいる場合は、みんなで感染を防ぐように注意することが大切です。上記の予防策に加えて次のことを心がけましょう。

  • 家に帰ったら手足を洗う。
  • こまめに掃除をして家族共用で使用するものは清潔・乾燥を心がける。
  • お風呂の足拭きマットやトイレのスリッパなどは、家族で共用することが多いので、特に注意して、まめに洗濯や拭き掃除を行う。
  • 足拭きマットなどを洗ったら日光に当てて乾燥させる。

以上の点に注意すれば、水虫が感染する可能性はかなり低くなります。

水虫患者の過半数を占める「爪白癬」

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水虫を放置することで合併症を引き起こす場合があります。その代表的なものとして、「爪水虫(爪白癬)」があります。

足白癬の白癬菌が爪にも感染してしまう事で発症し、水虫患者の過半数を占めるといわれています。爪の形状や色が変化していきます。

  • 爪の形状:爪が欠けたり、パサパサになったり、筋ができたりします。
  • 爪の色 :黄白色→褐色→黒変と色が変化していきます。

かゆみや痛みはないのですが、ひどくなると靴を履いた時に爪を刺激して痛みが出てきます。また、白癬菌は爪に住み着いていますので、爪切りなどを通じて感染することがあるので、しっかりと治療しないといけません。

爪白癬の治療

爪白癬は通常の水虫と比べて薬が浸透しにくいため、治りが遅く、治療が長期間に渡ります。

塗り薬があまり効かないので、皮膚科を受診して飲み薬を処方してもらう必要があります。基本的には爪白癬に感染した爪が生え変わるまで治療を継続する必要がありますので、半年以上かかると考えておきましょう。

爪水虫(爪白癬)の動画がありますので、ご紹介します。

水虫が引き起こす合併症・二次感染症について

水虫が引き起こし合併症としては、患部をかきむしった傷から細菌が感染する「二次感染症」があります。二次感染を起こした場合は、水虫の治療よりも細菌感染の治療を優先し抗生物質の点滴又は内服を行います。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

  • 化膿性の細菌感染症で、細胞を壊死させていきます。
  • 足に発症しやすく、広範囲で熱を持ち赤く腫れ痛みを伴います。
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蜂窩織炎

リンパ管炎

  • 細菌感染によりリンパ管が炎症を起こします。
  • 発熱・悪寒・頻脈・倦怠感などの症状があり、敗血症や歩行困難になる場合もあります。

壊疽(えそ)

  • 組織が壊死しして黒変していきます。
  • 糖尿病や血行障害があると感覚が鈍くなることで症状が気づかないまま悪化し、入院や足を切断しなければならなくなる場合もあります。

検査方法 検査の前には薬を控える!

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水虫の診断に関する検査は、顕微鏡検査(KOH検査:苛性カリ鏡検法)が主流になります。また、白癬菌は数種類あり、菌の特定ができれば治療に役立てることができるため、真菌培養や遺伝子診断という検査を行う場合もあります。

顕微鏡検査

  • 水虫が疑われる部分の皮膚(鱗屑)や組織を一部採取し顕微鏡で観察します。
  • 水虫の原因菌である白癬菌が発見されたら水虫と診断されます。
  • 痛みを感じることはほとんどなく、短時間で結果がわかります。

診察・検査を受ける際の注意点

  • 市販の水虫薬などを使用していると水虫菌の検出率が悪くなるため、受診する2週間以上は薬の使用を控えましょう。
  • 爪白癬を疑う場合は爪を切らずに受診しましょう。

水虫の治し方

水虫の治療は主に皮膚科で行われ、抗真菌薬による治療が基本になります。抗真菌薬は内服薬と外用薬に大きく分けられます。効き目のある薬は何か、内服と外用のどちらが効くかなど、一概には言えません。完治への近道は皮膚科で診断を受け、自分にあった薬を医師の指示通り使用することです。

内服薬(飲み薬)

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内服薬は処方箋が必要となるので医師の診断が必要です。塗り薬で治りにくい爪白癬や角化型の水虫の場合に処方されることが多いですが、副作用(胃腸症状・肝機能障害など)の危険性があるため、妊婦・授乳中・臓器(特に肝臓)が弱い方は服用できない場合があります。

効果

真菌の細胞にある細胞膜を破壊して白癬菌を死滅させます。また、真菌の細胞膜が作られないようにすることで、白癬菌の増殖を防ぎます。

有効成分

イトラコナゾール(イトリゾール) 、テルビナフィン(ラミシール)など。

副作用に対する血液検査

飲み薬は副作用が出る可能性があるため、開始前及び治療中(定期的)に血液検査を行い、肝機能や腎機能などに異常がないかを確認する必要があります。

外用薬(塗り薬)

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外用薬は患部とその周辺に塗っていきますが、塗る際には注意が必要です。

塗り方を間違えると治療にならない

角質層が柔らかくなっているお風呂あがりに、次の要領で塗っていきます。使用量の目安は軟膏1本で1~2週間ほどになります・

  1. 人差し指の第一関節から指先までの長さを、チューブから手に出します。
  2. それを両手いっぱいの面積に広げます。
  3. 両足分だと、この3回分になります。
  4. 塗る範囲は足首から下、足の指の間、足の裏はもちろん、足の甲や足の側面にも塗ります。(足の指や裏だけではダメです。)

塗り薬の効果

角質層に寄生している菌の活動をダイレクトに封じます。

有効成分

イミダゾール系、ベンジルアミン系、アリルアミン系、モルホリン系など。

治療は半年かかることも!

水虫の治療は完治までに約3~6ヶ月(爪白癬ならそれ以上の期間)と時間がかかるため、症状がおさまったら治療を中断してしまう人が多くいます。症状がなくなっても菌がいなくなったわけではないので自己判断で治療を中断せずに完治するまで治療を継続することが大切です。

市販薬は効果ある?

市販薬を仕様する際には、まず、自分が水虫であるかどうかを確かめることが必要です。水虫でないのに、水虫の市販薬を使っても効果がありません。再発などで自身が水虫であるとわかる場合には、市販薬を使用することも有効です。

市販薬には、クリーム状、液体、スプレー、パウダーなど、様々な形状のものがあります。一般的に足の指にはクリーム、水泡にはスプレーなどと言われていますが、症状に合わせて選ぶといいでしょう。

ただし、早く確実に治療するには、皮膚科を受診することが一番です。

水虫が再発しやすい理由とは?

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水虫はとても再発しやすいと言われています。その理由は2つあります。

  1. 白癬菌がいなくなる前に治療を途中で中断してしまう。
  2. 家族の誰かが常に感染している。

それぞれを簡単に説明していきます。

1. 白癬菌がいなくなる前に治療を途中で中断してしまう。

治し方のところにも書きましたが、症状が出なくなっても白癬菌が完全にいなくなるまでにはある程度の期間がかかります。

皮膚の奥に入ってしまった白癬菌は肌の新陳代謝とともに、少しずつ表面に出てきます。特に足の踵など、角質が厚い部分に感染すると、菌がいなくなるまでに時間がかかります。

再発しないためだけでなく、家族や周囲に感染させないためにも、しっかりと医師の指示に従って、完治させることが大切です。

2. 家族の誰かが常に感染している。

家族で誰かが水虫になってしまうと、感染が広がってしまいます。感染した人はしっかりと治療して、感染していない人は予防することが大切です。

家族の誰かが中途半端な治療をしていると、みんなで再発ということにもなりかねません。


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妊婦さんは爪白癬に注意

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妊婦さんと水虫は関係ないように思われるかも知れませんが、妊婦さんは妊娠前と比べて、免疫力が弱くなっているため、水虫にかかりやすい状態といえます。今までと同じように生活していても風邪などになりやすい状態であり、同様に水虫にも気をつける必要があります。

一番注意が必要なのは、女性もなりやすい水虫「爪白癬」です。 本来爪白癬の治療は飲み薬が中心になるのですが、妊娠・授乳中には使用できない薬もあるため外用薬を処方される場合が多くなります。

水虫は妊娠中に悪化したり、出産後白癬菌と接触した赤ちゃんが水虫に感染してしまう場合もあるので、計画的な治療が大切です。妊娠出産でホルモンバランスが崩れ、水虫とよく似た症状(妊娠性疱疹など)が現れることもあるので自己判断せず、皮膚科を受診しましょう。

子どもの水虫が増えている

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最近、子どもの水虫が増えています。子どもも大人と同様に、靴や靴下を履いている時間が長くなったことが原因と考えられています。

大人が感染する白癬菌も、子どもが感染する白癬菌も、同じものであり基本的に感染経路は同じですが、少し違うのは白癬菌感染者の家族からうつる「家庭内感染」の割合が7~8割と多いというところです。

家庭内だけでなく、外を裸足で過ごす機会の多い子どもはある意味水虫の危険にさらされていると言えます。いち早く異常を発見するためにも、足や体のかゆいところや、皮膚の異常がないかを親子でチェックしてみましょう。

水虫についてのまとめ

水虫は予防が大切ですが、常に気にして生活することは難しいかもしれません。少なくとも、毎日お風呂に入り、しっかりと足を洗い、清潔にしておくことが重要です。

また、感染した場合は確実に完治するように、継続的に治療を行っていくことが大切です。決して、自己判断で治療をやめたりせず、医師の指示に従うようにしましょう。

家族がいる場合は、家族みんなで対策することが必要になりますので、隠さずに水虫のことを共有しましょう。

[カテゴリ:手・足, 皮膚]

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