肩甲骨が上がってしまうと、肩や首のこりにつながることや、姿勢も悪くなってしまいます。ここでは、肩甲骨を自分で確認する方法、肩甲骨を下げる方法、肩甲骨を下げる筋肉などをご紹介します。肩甲骨を下げて美しい姿勢になりましょう。

投稿日:2016年03月14日│更新日:2016年04月20日

※この記事は看護師が監修をしています。

肩甲骨が上がっているとどうなるのか。

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肩甲骨とは、背中にある一対の骨のことを言い、左右の肩の下から逆三角形を成して肋骨を覆うように存在しています。

腕を後方へ引くと、腕の付け根あたりから背中の中心に向かって大きなでっぱりが生じますが、これが肩甲骨です。

私達の祖先が四足歩行を行っていた頃、前足は肩甲骨、後ろ足は骨盤によって支えられ、この2つが連動することで速く走ることを可能にしていました。

それが二足歩行に変化すると、肩甲骨は腕を支える必要がなくなり、代わりに腕の可動域を広げる役割を担っていきます。

肩甲骨は、骨の中でも少々特殊な構造をしており、背骨や肋骨といった胴体を形成する骨とは繋がっていません。

肩甲骨は上腕骨及び鎖骨のみと繋がっているため、これにより腕を上下・左右・回転と、あらゆる方向へ自由に動かすことを可能にしています。

しかし近年は、この肩甲骨が上がってしまっている方が増えています。

肩甲骨が上がるというのは、本来背骨に近い位置にあるはずの肩甲骨が、外側へ開いてしまっている状態を指します。

肩甲骨が上がっていると、周辺の筋肉が固まり血行不良を起こして、やがて痛みを感じるようになります。

そして、痛みによって交感神経が刺激されると、血管が収縮しさらなる血行不良を招いてしまいます。

これを繰り返していくうちに、肩や首のコリが慢性化し、常に痛みやだるさを感じるようになってしまいます。

また、肩甲骨が上がっていると姿勢にも影響が出てきます。背中が丸くなり、肩が前に巻いたいわゆる「猫背」の状態になりやすくなります。

猫背は、見た目が悪いだけではなく、体の前面が中に沈み込む形になるため、バストが下がる、お腹がポッコリと出る、ヒップが垂れるといった体のたるみの原因となります。

さらに、猫背によって胸の骨格(胸郭)が下がると、それに引っ張られるように顎や頬の筋肉も下がるため、顔がたるんだり、胸にしっかりと空気を入れることができなくなって呼吸が浅くなります。

このようなことから、肩甲骨は上がっている状態ではなく、下がっている状態である方が体によいことがわかります。

肩甲骨を「健康骨」と勘違いしていた、という話をよく聞きますが、上記のことと照らし合わせると、これはあながち間違ったことではないかも知れません。

では、なぜ肩甲骨は上がってしまうのでしょうか。次項では、その理由についてご説明しましょう。


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肩甲骨が上がる理由

肩甲骨が上がってしまうのは、以下の理由があると考えられています。

1. パソコンやスマートフォンの普及によるもの

今や仕事の多くにパソコンが使用されていますし、スマートフォンの保有率も50%を越えています。

これらを操作している時、画面をよく見ようと無意識に前傾姿勢をとることが多くなりますが、この姿勢では背中よりも首が前に出るため、おのずと猫背になり、肩甲骨が上がってしまいます。

2. 筋肉の疲労によるもの

長時間の車の運転やデスクワークなどで、同じ姿勢をとり続けていると筋肉の疲労が起こりますが、中でも背中は筋肉疲労が起こりやすい場所です。

筋肉が疲労すると、正しい姿勢を保っているのが辛くなり、だんだんと楽な体勢をとろうとして肩甲骨が上がってしまいます。

また、腕は体重の6%程度の重さがあると言われ、片方で2~5kgにもなると言われています。

その腕を引っ張っている肩甲骨は、当然負担が掛かりやすくなり筋肉疲労を起こしやすいと言われています。

3. 姿勢の悪さによるもの

寝転んだままテレビを見る、足を組む、肘を突くなど、重心が偏りがちな姿勢をとるのが癖になっている方は、骨格が歪み肩甲骨が上がった状態になりやすくなります。

4. 自律神経の影響によるもの

背骨には多くの神経が通っていますが、自律神経もその中の一つです。

ストレスや生活習慣の乱れなどが原因でこの自律神経の働きが狂うと、筋肉を刺激する交感神経が優位に立ち、背中が常に緊張した状態になってしまいます。

そして、筋肉の緊張がやがて痛みに変わると、無意識に肩甲骨を上げて筋肉を刺激しないような体制をとってしまいます。

肩甲骨が上がる理由の1~3のどれにも該当しないにも関わらず、背中にコリや痛みがある場合は、自律神経による影響を考えてみるのがよいかも知れません。

肩甲骨が上がっているか、自分の状態のチェック方法

肩甲骨が上がっていると、様々な弊害があることがおわかり頂けたのではないでしょうか。

しかし、肩甲骨は背中にあるため、簡単に目で見て確認することができません。

そこでここでは、肩甲骨の状態をセルフチェックする方法をご紹介します。

次の1~6の事項で、1つでも当てはまるものがある場合は、肩甲骨が上がっていると考えた方がよいでしょう。

  1. 背中に両腕を回し、片方は肩の上から、もう片方は腰の位置からそれぞれ対角線上に伸ばした時、指先が触れない・掴めない。
  2. 周囲から猫背を指摘されることが多い。
  3. ブラジャーのホックを胸の前で付けてから、背中に回している。
  4. 常に背中の中心にコリを感じている。
  5. 目の前で両腕を直角に曲げ、肘を付けたまま水平以上の高さに上げることができない。
  6. 立った状態で体の後ろで手を掴み、掴んだ手を腰骨の高さまで上げることができない。

肩甲骨が下がるとどのような効果があるのか。肩甲骨を下げる効果。

kenkoukotu1肩甲骨が下がるというのは、肩甲骨が外に開き上がってしまっている状態を、本来の正しい位置に戻すことを言います。

では、肩甲骨が下がるとどのようなメリットが考えられるのでしょうか。

ここでは、肩甲骨を下げることで得られる効果をご紹介したいと思います。

肩こりの解消

肩こりは日本人の国民病とも言われ、あるアンケートによると約9割の方が「肩こりの症状がある」と答えています。

そのため、世の中には様々な肩こり解消グッズが販売されていますが、一方で「温めても揉んでも叩いても、全く良くならない」と感じている方も多いと言われています。

このような方は、肩こりの原因が肩ではなく肩甲骨にある可能性があります。

実際に、長年何をしても治らなかった肩こりが、肩甲骨を下げたことで解消されたという例が多くあります。

また、肩こりを患っている方は、頭痛や吐き気、めまいなどの症状を抱えることも多いですが、肩甲骨を下げることでこれらの症状も徐々に改善することができます。

バストアップ効果

猫背になってみると、バストは体の中に押し込まれてしまうため、形が悪く見えます。

それとは逆に、肩甲骨を背中の中心に寄せてみると、バストが上に引き上げられるため、形はよく見えます。

これは、バストと背中は皮や筋肉で繋がっているためです。

つまり、肩甲骨を下げることでバストを綺麗に見せることができます。

また、肩甲骨を下げると血流が促進されてホルモンのバランスが整い、乳腺が発達しやすくなることから、バストアップ効果を得ることができます。

姿勢が美しくなる

どれだけ綺麗な人でも、猫背だとその魅力は半減してしまいます。

立ち姿や後ろ姿というのは、自分で思う以上に人から見られているため、美しい姿勢を保つことができるだけで、印象をよいものに変えることができます。
 

顔のたるみを解消

肩甲骨を下げ胸郭を上げることで、顎の筋肉が下に引っ張られることがなくなり、顔のたるみを解消します。

冷え症の解消

肩甲骨を下げることにより、固まっていた筋肉が解れ血行が促進されると、冷えを解消することができます。

シェイプアップ効果

肩甲骨が下がり、正しい姿勢で長時間過ごすことが可能になると、見た目が美しいだけではなく、体のラインを引き締める効果が期待できます。

なお、肩甲骨を下げることで肩甲骨周りに多く存在する褐色脂肪細胞が活性化し、体脂肪を燃焼させるためダイエット効果があるという話もありますが、実は褐色細胞に脂肪を燃焼させる作用があるかどうかは、現時点では詳しく解明されていません。

そのため、肩甲骨を下げることで体のラインを絞るシェイプアップ効果はあるとは言えても、ダイエット効果(痩身効果)を得られることはないと考えた方がよいでしょう。


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肩甲骨を下げる方法

肩甲骨を下げることは、美容・健康のためには欠かせないことがわかりました。

では、肩甲骨を下げるには、どのような方法があるのでしょうか。

ここでは、肩甲骨を下げる方法をご紹介します。

肩甲骨を下げるストレッチ

その1

両手を肩に置き、肘を前に出したらそのままぐるぐると回します。肘で大きな円を描くイメージで、前に5回後ろに5回行いましょう。

その2

手を腰に当て、思いっ切り肩を上げます。この時、息を吸いながら3秒掛けて行います。

次に、3秒掛けて息を吐きながら肩を下げます。

その3

背筋を伸ばした状態で立ちます。

そのまま、肘を直角に曲げ、体の横にぴったりと付けます。

肘から上は体から離さないようにして、手の平を内側に向けたまま外側へと開きます。

開いて閉じる、を10回繰り返します。

その4

両足を肩幅程度に開き、つま先を少し外側に向けます。

腕を頭の上へと伸ばし、手の平を合わせます。肘が曲がらないよう、まっすぐに伸ばしましょう。

次に、手の平を外側に向けながら、肘を曲げ体の後ろの方へ引いていきます。

肩甲骨を背中の中央に寄せるように意識しながら、肘が胸の位置まで下がったら止めます。

これを10回繰り返します。

その5

タオルの両端を持って立ち、そのまま腕をまっすぐ上に持ち上げます。

タオルを握ったまま、腕を背中の方へ下ろします。

タオルが下がったら、またまっすぐ上に持ち上げます。

これを10回繰り返します。

色々な肩甲骨ストレッチのやり方を見ることができる動画があるので、ご紹介します。

肩甲骨を下げる姿勢

そもそも、正しい姿勢・美しい姿勢とはどのようなものを言うのかご存知でしょうか。

正しい姿勢・美しい姿勢とは、顎を引き、左右の肩の高さが揃っていて、耳・肩の中心・くるぶしが一直線に結ばれている状態を言います。

しかし、このような姿勢を常に意識しているのは難しいですよね。

そこで役立つのが、肩甲骨を下げる姿勢です。

肩甲骨を下げる姿勢はとても簡単で、両腕を体の横にぴったりと押し当てて、脇を絞めるだけ。

実際にやってみるとわかりますが、肩甲骨が下がり、つられて肩も下がるため、肩や首の緊張をやわらげることができます。

肩甲骨を下げる筋肉

肩甲骨の周辺には多くの筋肉が複雑に入り組んでいますが、ここでは肩甲骨を下げる働きのある筋肉をご紹介します。

僧帽筋

首、肩、背中の中心にかけて台形のような形で存在する筋肉です。

一番表層にある筋肉のため、肩や首のコリを感じる時は、多くはこの僧帽筋の疲労と考えてよいでしょう。

僧帽筋は、上部僧帽筋・中部僧帽筋・下部僧帽筋に分かれ、肩甲骨を下げる筋肉は中部僧帽筋・下部僧帽筋となります。

中部僧帽筋は、肩甲骨を内側に引き寄せ、胸を張る時に必要な筋肉で、下部僧帽筋は肩甲骨を内側下方に引く作用があります。

小胸筋

胸郭の外側にある筋肉です。

肩甲骨を内側下方に引くことで、肋骨を上げる作用がある筋肉です。

大菱形筋

背骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉です。

肩甲骨を内側に引き寄せる作用のある筋肉で、この大菱形筋が衰えると肩が前に回りやすくなり、背中が丸くなりやすいと言われています。

小菱形筋

大菱形筋の上を走り、背骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉です。

大菱形筋と同様に、肩甲骨を内側に引き寄せる作用を持っており、小菱形筋が衰えると猫背の原因となります。

肩甲骨はがし

肩甲骨はがしと聞くと、バリバリと音を立てながら肩甲骨が背中から剥がされる、といったイメージを持つかも知れませんが、実際はそのようなことはありません。

肩甲骨はがしとは、整体院で行われる施術の一つなのですが、骨格から浮いた状態にある肩甲骨と背中の間に指を入れて、空間を作ることを言います。

こうすることで凝り固まった筋肉が解れ、肩甲骨を正しい位置に戻すことができます。

整体院による〝肩甲骨はがし〟の動画

また、セルフで行える肩甲骨ストレッチを、肩甲骨はがしと呼ぶこともあります。

上記でご紹介した肩甲骨ストレッチと重複する部分もありますが、セルフ肩甲骨はがしの動画も掲載しておきますので、よろしかったら参考にしてみて下さい。

[カテゴリ:上半身]

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