治らない耳鳴りに悩んでいる人は多いと思います。毎日の耳鳴りがある人や、夜だけの人。頭痛、動悸、鼻炎とともに耳鳴りがある人もいます。その原因もストレスから病気に至るまでいろいろです。重大な病気が隠れている症状もありますので、注意しなければいけません。

耳鳴りとは

耳鳴りとは簡単に言うと、自分の中から聞こえてくる音の総称です。

生活の中ではテレビや車の音など、さまざまな音が聞こえてきますが、それは外からの音が振動となって、鼓膜を震わせることで感じる音です。

それに対して耳鳴りは、外で音は鳴っていないのに、頭の中や耳のあたりで自分にしか聞こえない音が響く症状です。耳に音の原因となる異物があることもありますが、多くは音が耳の中から神経を通って脳に伝わるまでの、どこかで障害が起こっている場合に感じるものです。

早期に耳鼻科を受診することが大切

耳鳴りは、何か大きな病気のサインになっている場合があります。耳鳴りを自覚した場合、まずは大きな病気が隠れていないかを検査することが大切です。原因である病気を早く治療することは、耳鳴りを改善させるための大切な要素でもあります。

難聴など改善が難しく、それに伴う耳鳴りの改善も難しい病気や、病気でない原因不明の耳鳴りも多くあります。それを苦痛に感じて日常生活に支障をきたしてしまう場合は、耳鳴り自体が病名となり、治療の適応になります。

耳鳴りへの対症療法は血流の改善薬や筋肉の緊張を取る薬、心を落ち着かせる薬などが使われます。

耳鳴りが気になる場合は、耳鼻科を受診しましょう。普段から内科などにかかりつけの病気がある場合は、その担当医に相談するのも良いでしょう。耳鳴りが続く際には、同時に現れた症状がないかどうかも注意して、医師に伝えるようにしましょう。


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耳鳴りの症状

耳鳴りの聞こえ方は、「ピー」、「ジー」や、「キーン」、セミのような音など、人によって様々です。

耳鳴りの感じ方は主観的なもので、客観的な評価が難しいものです。そのため、診察の時には症状についてなるべく多くの情報を医師に伝えることが大切です。

  • いつから耳鳴りがあるのか。
  • どんなときに(頭の向きなども)耳鳴りを感じるか。
  • どんな種類の音が聞こえるか。
  • 鳴りの前後にかかった病気があるか。

耳鳴りの症状の強さには、大きく分けて4つの段階があります。どの程度の頻度や感じ方の耳鳴りなのかも、医師に伝えましょう。

1. ごく軽度の耳鳴り

普段は何も感じないものの、静かな場所で少し気になる程度の耳鳴りです。生活に支障をきたすことはほとんどありません。

2. 軽度の耳鳴り

ずっと耳鳴りは聞こえているものの、作業していたり、ほかのことに集中したりしていると忘れることのできる程度の症状です。寝る前や図書館などの静かな環境では気になりますが、日常生活にはさほど影響のない段階です。

3. 中等度の耳鳴り

常に耳鳴りがあり、ほかのことに集中できません。眠ることも耳鳴りによって妨げられてしまい、日常生活に支障をきたしてしまうほどの症状です。

4. 重度の耳鳴り

耳鳴りが大きすぎて、ほかの音が聞き取れないほどの症状です。スムーズな日常生活が送れないほかに、耳鳴りによるストレスや睡眠不足などの悪影響が心配される段階です。

中等度から重度の耳鳴りでは日常生活に支障が出ていますので、早めの受診をお勧めします。

症状と病気の関係

毎日の耳鳴り

毎日、どんな時でも耳鳴りを感じるのは、かなり進行している状態と言えます。

「毎日、耳鳴りがする」ということ自体は、病気の特定につながる要素ではありませんが、何か病気が隠れているサインかもしれないので、病院を受診する必要があります。

閉塞感

耳の閉塞感は、主に内耳や中耳という耳の中の部分が原因で起こっています。耳鳴りもこの部分の障害によって起こることがあるため、耳鳴りと耳の閉塞感はしばしば同時に起こります。

耳の閉塞感は、耳管と呼ばれる鼻と耳を繋ぐ管がふさがると起こります。風邪や中耳炎では、鼻粘膜の炎症により耳管が詰まるので、耳の閉塞感や耳鳴りを感じやすくなります。放置すると慢性中耳炎や滲出性中耳炎に進行することがあるので、早めに治療しましょう。

動悸と同時に耳鳴り

動悸と同時に耳鳴りが起こる原因としては、高血圧によるものと、パニック発作などの精神面の問題によるものが考えられます。

高血圧でかかりつけの場合は、正しい内服治療と食生活の改善が、耳鳴りの改善の第一歩となります。

ただし、動悸や耳鳴りなどの症状が起こった後に測る血圧は、それらの症状が起こったことによって高くなっている可能性もあり、判断が難しいところです。

普段から前触れもなく不安に駆られるなどの症状があり、動悸と耳鳴りの発作が頻繁に起こるときは、心療内科を受診してみても良いでしょう。

顔の痺れや感覚の異常

耳鳴りの原因となる病気で最も怖いのが、聴神経腫瘍です。

聴神経腫瘍の初期症状は耳鳴りや難聴などの耳の症状で、ほかに顔面の痺れや知覚の低下、頭痛や吐き気が現れます。耳鳴りだけで聴神経腫瘍を疑うことはありませんが、同時にこれらの症状が現れたときには注意が必要です。

便秘のときの耳鳴り

便秘と耳鳴りとは一見なんの関係もなさそうですが、どちらも自律神経失調症からくる症状です。

便秘と耳鳴りが直接関係しているわけではないので、便秘を改善しても耳鳴りが改善するわけではありません。けれど、便通によい食事などで便通を正しいリズムに戻すことは、心身ともにストレスの緩和となり、全身状態の改善にも繋がるでしょう。

夜だけ耳鳴りがする

夜など、周囲が静かな環境でだけ耳鳴りを感じる場合には、本当は普段から耳鳴りがあるものの、周りの音の方が大きく聞こえるので気づいていない、という可能性があります。

ほかに症状がなければ、まずは大きな病気の心配はありませんが、軽度の難聴など聞こえが悪くなってきている可能性はあります。長く耳鳴りが続いたり、眠りを妨げるほどの耳鳴りを感じたりする場合は、耳鼻科の受診をお勧めします。

鼻炎と耳鳴り

鼻炎の原因となっている菌が、耳と鼻をつなぐ管を伝って耳に感染すると、中耳炎となり耳鳴りが起こることがあります。

副鼻腔炎など慢性の鼻炎がある人は、繰り返しの抗生剤治療によって耐性菌ができ、鼻炎と共に中耳炎も繰り返してしまうことがあります。耳鳴りなどの症状が治まっても、医師から処方された抗生剤は飲みきるまで続けるようにしましょう。

耳鳴りの原因

ストレス

ストレスは万病のもとと言っていいくらい、さまざまな症状の原因となりますが、耳鳴りもその一つです。

ストレスからくる耳鳴りは、自律神経失調症状のひとつなので、自律神経失調症に準じた治療がおこなわれます。急性のストレス症状では、パニック発作のように突然の息苦しさや動悸と共に耳鳴りが起こることがあります。

疲れ・寝不足

慢性の疲れや寝不足が続いている状態では、全身の血の巡りが悪くなり、また自律神経失調症状も起こしやすくなるため、耳鳴りが起こりやすくなります。

疲れや寝不足を自覚した時は、早めに休息を取ることが必要です。また、日ごろから正しい生活リズムを保ち、次の日に疲れを残さないようにすることも耳鳴りの症状を予防するカギになります。

気圧

飛行機に乗って、飛行機が上昇したり下降したりした時に感じる耳鳴りや耳の痛みがあります。気圧の急激な変化に伴って、耳の調節が追い付かずにこれらの症状が現れるのは普通です。

しかし、この耳鳴りや耳の痛み、聞こえの悪さが飛行機から降りても長く続いてしまうことがあります。

これは「航空性中耳炎」と呼ばれ、抗生剤の内服などをして治療する必要があります。航空性中耳炎になりやすいのは、アレルギー体質であったり、副鼻腔炎や風邪気味であったりする人です。

健康な人で耳の圧調整機能がしっかりしていて、鼻に菌がいない人がかかることはまずありません。

航空性中耳炎が心配な場合は、搭乗前に耳鼻科に相談することで点鼻薬などの処方を受けることができます。

肩こり・目の疲れ

耳鳴りは、肩から上の筋肉の緊張によっても引き起こされることがあります。筋肉の緊張は血流を悪くするため、耳鳴りや片頭痛などさまざまな症状を引き起こします。

長時間、同じ姿勢でいるときは、数時間ごとにストレッチやマッサージを取り入れると、血流が改善して症状の緩和を期待できます。また、耳鳴りなどのつらい症状が長く続くときは、筋肉の緊張を取る薬の内服も効果的です。

耳鳴りを引き起こす病気

難聴

長い経過をたどって徐々に起こってくる難聴には、3割以上の割合で耳鳴りが伴うといわれています。

その中には「耳鳴りがずっと気になって難聴に気付かなかった」「補聴器を使ったら耳鳴りも難聴も解決した」という人もたくさんいます。

年を取るにつれて起こる難聴が原因で耳鳴りが起こっている場合、高い音から聞こえづらくなるため、耳鳴りも「ピー」や「キーン」など高い音の耳鳴りが起こりやすくなるといわれています。

難聴に伴う耳鳴りの治療はまず、補聴器など聞こえの改善から行います。難聴が改善するのと同時に耳鳴りの改善も見込めますが、改善がない場合は耳鳴りに対する対症療法を行います。

突発性難聴

前触れもきっかけもなく、突然片方の耳が聞こえなくなる病気で、50代から60代の大人に良く見られます。

片方の耳に幕が下りたような感じ、などの聞こえの変化と共に耳鳴りが起こることがあります。突然の聞こえの悪さと耳鳴りを自覚したら、すぐに耳鼻科を受診しましょう。

突発性難聴の治療は、症状が起きてからなるべく早くに始めることが大切で、主にはステロイド薬の内服を行います。

メニエール病

突然、めまいとともに耳鳴りや難聴などの耳の症状が現れる病気です。

発作のように症状が現れたり消えたりするのが特徴で、めまいは数十分から数時間続き、ひどいときは動けないくらい強いめまい発作になります。耳鳴りや難聴など耳に関する症状は、めまい発作の最中のほか、前後に現れる場合もあります。

メニエール病は30代から40代の人がなりやすい病気です。治療には血流を良くする薬などの内服治療が一般的ですが、手術を行うこともあります。

風邪

鼻についた風邪の菌が、鼻と耳の間の道を通って耳まで到達することで、耳鳴りが聞こえることがあります。中耳炎になっている可能性もあるので、耳鳴りが続くときや、風邪が治っても耳鳴りが続くときは耳鼻科を受診しましょう。

中耳炎

多くは風邪の菌が耳に感染することで起こり、耳の痛みや発熱を伴った耳鳴りが起こることがあります。中耳炎は子どもに多い病気で、耳の造りがしっかりしていて免疫も強い大人がかかることは稀です。

大人で耳垂れ(耳からの浸出液)を伴う中耳炎を繰り返す場合は、ほかの病気(咽頭がんなど)が隠れている場合もあるので、一度、耳鼻科で相談したほうがよいでしょう。

脳の病気

聞こえや耳鳴りに関係する聴神経や、脳のそのほかの部分に脳梗塞や脳腫瘍ができてしまうと、耳鳴りを感じることがあります。

耳鳴りのほかに、頭痛や吐き気、顔面を触っても鈍い感じや痺れがあるときは、脳の病気が疑わしいので、すぐに医療機関を受診しましょう。


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高血圧

耳鳴りは、めまいや動悸などと共に高血圧の症状のひとつと言われます。高血圧に伴う耳鳴りがするときは安静にしたり、深呼吸をしたりするなど、リラックスできる環境を整えましょう。

貧血

貧血で脳が血流不足になると、耳鳴りを感じることがあります。

耳鳴りに伴って立ちくらみや目の前が暗くなるなどの症状も出やすくなります。そのような症状と共に耳鳴りを感じたら、転倒しないようにしゃがむなどの対策を取りましょう。

貧血は若い女性に多い病気ですが、ほかの内科系の病気や自律神経失調症が隠れていることもあります。ひどい貧血の症状が頻繁に起こるときは、一度内科を受診しましょう。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経の2つからなる自律神経の協調が乱れ、心身ともにさまざまな症状が起こってくる病気のことです。

耳鳴りは、だるさや頭痛、立ちくらみなどとともに、自律神経失調症では比較的多い症状のひとつです。

自律神経失調症という病気の成り立ちはとても複雑で、完治は難しいことが多いのが現状です。ストレスを溜めないように、気長に治療を続けましょう。

更年期障害

更年期障害とは、閉経前後5年間の女性ホルモンのバランスの乱れにより起こる症状の総称です。更年期障害には自律神経失調症状が含まれ、耳鳴りはそのうちのひとつです。更年期障害の治療には、ホルモンを補う薬や漢方薬、ストレスが多い場合には心を落ち着かせる薬の内服をします。

看護師からひとこと

耳鳴りは原因が明らかにならないことも多く、日々気にしてしまうとそれ自体が鬱病などのほかの病気に繋がってしまうこともあります。原因不明のひどい耳鳴りに長い期間悩まされることは、QOL(生活の質)を著しく落してしまうものです。

原因不明の耳鳴りは長い間、「気にしないようにしましょう。」で済まされてしまっていましたが、最近ではTRT療法など積極的な治療が行える施設が増えてきました。

耳鳴りのメカニズムや検査、治療は複雑で、本当に専門的に診られる医療機関はまだまだ限られています。つらい症状でお困りの方は一度、耳鳴りを専門とする医療期間を受診してみてもよいでしょう。

耳鳴りに関する質問や回答が多く寄せられています。こちらも参考にしてください。

[カテゴリ:目・鼻, 貧血, 高血圧が原因]

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