生理不順は他にはない不安を感じさせる女性ならではの悩みですよね。旅行前などは「生理がちょっとずれて旅行期間から外れるといいな〜」なんて思ったりもしますが、実際に遅れたりすると「病気かな?」と心配になったりします。私自身、これまで生理不順に悩んできましたので、実体験を含めながらお伝えします。

更新日:2017年07月15日

この記事について

監修:山浦真理子医師(上用賀世田谷通りクリニック)

執筆:当サイト編集部

生理不順はみんなの悩み

女性なら誰でも一度は生理不順に悩んだことがあるのではないでしょうか。

初潮がはじまって間もない10代は、ちょっとしたことで悩んでしまって生理周期が乱れることが多いのです。生理周期が安定するまで数年かかる人もいますので、あまり心配しなくても大丈夫。

また、出産適齢期あたりから、生理周期というよりは、経血量が増えたり生理痛がひどくなるといったように生理不順の症状も変わってきます。

一概に生理不順といっても、他の人と比べられないことがさらに不安をあおりますよね。生理不順の原因と対処法について、筆者の実体験も踏まえてアドバイスしたいと思います。

生理不順とは?

生理不順って、実際はどの程度からそう呼ぶのでしょうか。生理周期は、生理が始まった時を1日目とし、次の生理の前日までを1周期とします。一般的な生理周期は25日〜38日程度、生理日数は3日〜10日程度と言われています。

生理周期や生理日数がこの範囲をこえたり、まちまちであったりすると生理不順ということになります。

生理の期間などによって以下のように呼ばれています。

  • 3ヵ月以上生理がこない場合を無月経
  • 周期が40日以上空いてしまう場合を稀発月経
  • 頻繁に生理がくる場合を頻発月経

ただし、生理日数については、3日以内だからといってすぐに生理不順とは決められません。

また、生理周期や生理日数だけではなく、経血量が異常に多い、逆に少なすぎるという場合も、生理不順に含まれます。タンポンに夜用のナプキンを併用していて、それでも2時間もたないといったひどい状態の場合は、婦人科疾患の疑いもありますので、医師の診察を受けてください。


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生理不順の種類

過多月経

通常の月経よりも出血量が多くなります。目安としてはおよそ140ml以上です。毎月続くと、鉄欠乏性貧血に陥る心配があります。子宮筋腫が原因のこともあります。

過少月経

出血量が極端に少ない生理不順です。無排卵出血や子宮内膜症が引き金となっていることがあります。

月経困難症

日常生活に支障をきたすほどの生理痛です。下腹痛、腰痛などがひどくでます。

若年性出血

生理が始まったばかりの若い年齢に見られる生理不順です。生理周期は不規則で、ほとんどは無排卵性です。

更年期出血

閉経に近い年齢の女性に現れるもので、排卵障害とともに不定期に出血があります。

排卵期出血

排卵期のホルモン分泌の変動に子宮内膜が過敏に反応して少量出血します。私はこれで病院に行ったことがあります。出血量はスプーン半量ほどで血の色も薄めでした。

生理不順の原因

10代のころは、まだ体が発達途中でホルモンバランスが不安定なため、生理周期が定まらないといった生理不順についてはあまり心配しなくて大丈夫です。「恋愛で悩んでいる」「進学した」「夏風邪で食べられない日が続いた」といった体調や環境の変化などによって一時的に生理不順が生じる場合もあります。

3ヶ月ほど様子を見て、生理不順が続いていたり、生理痛がひどかったりする場合などには婦人科を受診しましょう。

ストレスによるホルモンバランスの乱れ

脳の中の視床下部は、ホルモン分泌の中枢であり、自律神経の中枢でもあります。ストレスによって自律神経に乱れが生じると、女性ホルモンの分泌も乱れて生理不順を引き起こします。

また、ストレスというと「つらい」イメージがありますよね。ところが、「楽しみ」なことも精神的にはストレスになっていることがあります。

旅行の前など、生理が早まったり遅くなったりしたことはありませんか?このような一時的な生理不順はだれでもあることなので気にしなくて大丈夫です。引越しや転職、新学期が始まる前、何かものすごい楽しみなことがあるときなど、生理不順になることも多くみられます。

ダイエットも原因に

「痩せすぎて生理が止まった」という話を聞いたことはありませんか?急激なダイエットは、ホルモンバランスが乱れてしまって生理不順の原因となります。

「痩せすぎ」でなくても、体重変化が急激に生じると生理不順が生じる場合があります。

仕事が忙しすぎて食べる暇がなくて生理不順になった友達がいますが、見た目には中肉中背で、痩せすぎという感じではありません。このような生理不順の人も実際には多いように思います。

病気によるもの

生理周期が短い場合、黄体ホルモンの機能不全や、無排卵月経が生理不順の原因となっている場合があります。これらは基礎体温をつけるとわかります。

また、甲状腺の病気や糖尿病でも、ホルモンバランスが乱れて生理不順が生じることがあります。生理不順が続くようなら、一度婦人科で検査してみましょう。

その他

原発性無月経といって18歳を迎えてもまったく生理の発来をみないというものもあります。この場合、様々な検査を行って原因を調べていきます。具体的な検査法としては、エコーをはじめとする画像検査、内分泌検査、染色体検査などが用いられます。

これに対し、生理のあった女性が、次の予定の頃になっても出血が始まらない場合を、続発性無月経と呼びます。


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基礎体温のつけかた

朝、起きたらすぐに婦人体温計を舌の下に挟み、計測します。毎日同じ時間帯に体温を測りましょう。ホルモンバランスが整っていると、2週間ごとに低温期と高温期にきれいに分かれます。

個人差はありますが、一般的には以下のような流れになります。

基礎体温の周期

  • 生理が始まるときに体温が下がる。
  • 生理後は低温期。
  • 体温が上がってきて高温期となる。

高温期が半月以上、人によっては20日近く続いていれば妊娠している可能性が大きいです。

基礎体温計は、基礎体温を測るだけのものに加えて、自動的に測定値を記憶してグラフを作成してくれるもの、次の排卵や生理日を計算してくれる便利なものもあります。

生理不順になったときの経験やアドバイス

私自身がそうでしたが、生理不順や生理痛が1ヶ月おきにくる方がいます。

生理は、2つの卵巣から1ヶ月おきに交代でくるので、人によっては片側の卵巣の生理がいつもきついということがあるのです。婦人科にいくときには、このような生理不順の特徴もきちんと伝えた方がスムーズに診断がすすみます。

また、生理不順や生理痛は、他人の状態と比べるよりも、「自分の以前の状態と比べて変わった」という基準で判断した方がいいそうです。

婦人科の検査というと、何をされるのかわからないのでちょっと怖いですよね。たしかに、「リクライニング状態」のいすに寝かされたと思ったら、おしりの部分の部品が「ガチャンガチャン」と外れていって、いつの間にか検査用の姿勢に自然とされてしまいます。本当に「何をされるんだ〜!」という気持ちになります。

でも、お医者さんの顔も見えなくなっているし、「怖い」ということをお医者さんもわかっているので、緊張をほぐしてくれます。一瞬なので怖がらなくて大丈夫ですよ。最近は女医さんも増えています。

心配しすぎてストレスになり、よけいに生理不順に陥ってしまうよりも、一度病院に行ってみましょう!

ちなみに、私は、以前は生理周期が25日程度だったのが、33日くらいに変わってきて、経血量も増えてきて半年目くらいで婦人科を受診しました。

いろいろ検査をしてもらったのですが、異常もなく、「そういう体質に変わってきた」だけだということがわかって安心しました。

自分でできる対策

生理不順の原因がストレスの場合、そのストレスを取り除くことが一番の治療法です。

アロマテラピーや、ペットとすごすなどいろいろストレス解消法はありますが、私は婦人科に行って「ストレスが原因の生理不順です」と診察してもらうのが一番早いのではないかと思います。

診察してもらうと「悪い病気ではない」という安心感が生まれました。

大豆イソフラボンを摂取しましょう

食生活や生活のリズムを整えて、ホルモンバランスを整えることも大切です。

更年期の生理不順は、女性ホルモンの減少によって生じるため、女性ホルモンと同じような働きをする大豆イソフラボンを摂取しましょう。

肉やスナックなどを過剰摂取すると女性ホルモンが過剰に分泌され、生理不順に繋がります。野菜や魚を食生活に取り入れ、脂っぽいものは控えめにしましょう。

病院での生理不順の治療法

病院では、黄体ホルモン剤を注射することによるホルモン療法が行われます。でも、まずは自分の生活リズムを整えることを勧められ、ホルモン療法を行うのは生理不順がひどい場合と考えておきましょう。

最近は、低用量ピルを使用した治療が増えてきました。低用量ピルは、確実な避妊にもなり、月経も軽くなります。いずれにしろ、婦人科できちんと診察してもらうことが大切です。

看護師からひとこと

婦人科を受診する際には、基礎体温表を持参しましょう。できれば数か月分あると良いです。

まとめ

原因

生理がはじまったばかりの若い年齢では、生理周期が安定していないので、生理不順でもあまり心配はいりません。

楽しいことも含めてストレスなどでもホルモンバランスが崩れて生理不順の原因となることがあります。無排卵出血や子宮内膜症などが原因となっていることもあるので、昔と比べて経血量がすごく増えたり、生理痛がひどくなったりしている場合には婦人科を検診してみましょう。

対策

病院では低用量ピルなどを使って治療が行われますが、まずはストレスなどをうまく解消することが大切です。

毎日基礎体温を測り、食生活を改善し、規則正しい生活を心がけましょう。3か月以上、生理不順が続く場合は、婦人科を検診してください。

生理不順に関する質問や回答が寄せられていますので、こちらも参考にしてください。

[カテゴリ:中年以降に多い, 女性の病気, 若年に多い]

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