7時間寝ないと太る!その原因と正しい睡眠時間、眠れる方法をご紹介!
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健康的な生活にとても大切な睡眠ですが、睡眠時間をしっかりと確保しないと太る傾向があるのです。これは多くの調査に基づくもので、原因もはっきりとしています。睡眠不足と太ること、眠りやすくする方法についてご紹介します。
7時間より睡眠時間が少ないと太る傾向にある
過去にコロンビア大学で約1万8000人を対象に、睡眠と肥満に関する大規模な実験が行われました。平均睡眠時間である7時間を基準として、他の睡眠時間の人と比較した肥満度の上昇率を表すと、次のような結果になったと報告されました。
- 6時間睡眠で23%
- 5時間睡眠で50%
- 4時間睡眠で73%
また、スタンフォオード大学でも同様の調査を行っていて、この調査によると、以下の表のようになり、睡眠時間が7時間から8時間くらいの人の肥満度は低くなっていますが、それ以上になると再び上昇しています。
日本でも富山県の12歳、13歳の中学生5,800人ほどを対象にした調査があります。この調査の中で女子3,000人を対象にした睡眠時間と肥満発生危険率の関連性を示した統計があり、ここでは、7時間未満と7時間以上では、2倍近い開きがあります。
その他にも看護師の睡眠と肥満を調査したものもあり、7時間程度の睡眠が最も肥満度が低いという結果が出ています。
こういった調査から見ると、長時間の睡眠もよくありませんが、睡眠不足の場合、7時間より睡眠時間が少なくなると、人間は太ってしまう傾向にあるとうことが分かってきたのです。
睡眠と肥満にはホルモンが影響している
睡眠不足で太る原因として、ホルモンの関与が強く示唆されています。特に、レプチンとグレリンという食欲を司るホルモンと、ストレスホルモンであるコルチゾールが深く関係しています。
以下にそれぞれのホルモンが睡眠不足と肥満に与える影響を解説いたします。
食欲をセーブする「レプチン」
レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンの一種で、通称「食欲抑制ホルモン」と呼ばれています。
レプチンは後で説明するグレリンとシーソーのようにバランスをとるような関係になっています。グレリンが増加すればレプチンが減少し、レプチンが増加すればグレリンが減少することで、食欲を正常に制御しているのです。
レプチンの作用は、食欲を抑制するだけではなく、必要以上の脂肪が蓄積しないようにエネルギー代謝を増進し、脂肪を燃焼させる働きがあります。
つまり、レプチンの分泌が低下すると、脂肪の燃焼が阻害されて、脂肪が蓄積しやすい体になるのです。
そして、様々な研究から、睡眠不足になるとレプチンが低下することが示唆されています。
食欲を増やす「グレリン」
レプチンと反対の働きをするホルモンがグレリンです。
グレリンは胃で生成されるホルモンで、食欲を増進させる働きがあります。また、最近の研究より、グレリンの分泌が多いと人間は、ケーキやポテトチップス、パスタなど高脂肪の食べ物やカロリーが高く味の濃い食べ物を好むようになることが分かっています。
一方で、スタンフォード大学の研究によって、5時間睡眠の時は8時間睡眠をした時よりもレプチンが16%少なく、グレリンが15%増えることが判明しています。
つまり、睡眠不足になるとグレリンが増加し、より脂肪を溜め込みやすい食生活に変化してしまうのです。
インスリンを分泌させる「コルチゾール」
ストレスを感じた時に出ることで知られているのが、コルチゾールです。
近年では、ストレステストにも用いられるホルモンですが、このコルチゾールも睡眠と食欲に深く影響を与えています。
コルチゾールには血糖値を高めてインスリンの分泌を促進する作用があります。実はインスリンは体脂肪を貯蔵する働きがあり、インスリンの過剰分泌は体脂肪率を高めてしまいます。
コルチゾールは睡眠不足で交感神経が刺激されると継続的に分泌されるようになり、コルチゾールの継続分泌によりインスリンが過剰に分泌されて、脂肪を蓄えやすい体質に変化してしまうのです。
短時間睡眠と長時間睡眠はどっちが太らないの?
一度の睡眠に10時間前後を費やすことを長時間睡眠と呼び、6時間以下の睡眠しかとらないことを短時間睡眠と呼びます。
最初に述べた調査のように、あまりに長い睡眠は肥満度が上昇する傾向にあり、ダイエットなどには逆効果になりますが、これを比較した場合、短時間睡眠よりも長時間睡眠の方が太りにくいと言われています。
その理由には次の3つが挙げられます。
- グレリンの分泌
- 成長ホルモンの作用
- 睡眠中の断食状態
以下にそれぞれの理由の詳細を説明いたします。
短時間睡眠はグレリンの分泌過多を引き起こす
シカゴ大学の研究から、4時間睡眠と10時間睡眠では、4時間睡眠の方がグレリンの分泌が30%も増えることが明らかになっています。
つまり、長時間睡眠よりも短時間睡眠の方がグレリンの分泌過多に陥って、太りやすくなってしまう傾向があるのです。
一説では、短時間睡眠だと活動に必要なエネルギーを蓄えるために食欲が増進して代謝を抑制するようにホルモンが機能するようになると言われています。
短時間睡眠は成長ホルモンの分泌を低下させる
成長ホルモンとは、筋肉や骨格を形成し成長させる働きや傷ついた細胞を修復し回復させる働きを持ったホルモンを指します。脂肪分解を促進する作用もあるため、ダイエットや美容業界で注目を集めているホルモンの一つです。
実はこの成長ホルモンは、睡眠中に大量に分泌されるという特徴を持っています。ですので、短時間睡眠になると、成長ホルモンが減少して、脂肪の分解が低下してしまうのです。
ある研究では、5.5時間睡眠では消費体重の20%のみが脂肪であったのに対して、8.5時間睡眠では消費体重の50%が脂肪だったという報告もあります。
つまり、短時間睡眠だと活動による脂肪の消費が低下して、それがダイエットの大きな障害になってしまうのです。
長時間睡眠は断食状態を作る
睡眠中は一種の断食環境を作り上げていると言えます。睡眠時間が短ければ短いほど活動している時間が長くなり、それに比例する形で空腹を感じる時間も増えます。
睡眠中は1時間あたり約50キロカロリーを消費していると言われています。
睡眠中はカロリーを消費するだけですが、起きているとカロリーを摂取してしまう時間も多くなってしまうのです。
よく眠れるようになるための方法
もっとも理想的と言われているのが、7時間~8時間の睡眠です。
これだけの睡眠時間を確保するためには、入眠しやすい状態を作り上げてあげなければなりません。
そのためには、次の3点が特に重要になってきます。
- メラトニンの生成
- 体温の上昇
- 副交感神経の刺激
以下にそれぞれに効果のある方法をご紹介いたします。
日光を浴びて「メラトニン」の原料を生成
メラトニンとは、人体を睡眠へ誘導するためのホルモンです。よく眠れるようになるためには、メラトニンを生成しやすい状態にしなければなりません。
実はこのメラトニンは、「セロトニン」と呼ばれる日光を浴びると生成されるホルモンを原料に作られます。セロトニンからメラトニンが作られるためには、約16時間~17時間要します。
つまり、7~8時間睡眠をするためには、朝7時か8時に起床してすぐに太陽の光を浴び、その16~17時間後である0時に眠るというサイクルが必要になってくるのです。
入浴による温熱効果で入眠へ誘導
寝付きをよくするためには、眠る1時間くらい前に体を温めておくと効果的です。
人は入眠する時に、体温を低下させていく仕組みになっています。体温を上昇させておくと、少しずつ体温が低下していき、スムーズに入眠することが出来るのです。
効果的な入浴方法は、38~40度のぬるま湯に20分程度浸かるということがポイントです。ぬるま湯に浸かることで、体をリラックス状態にして、より入眠しやすい状態を作ることが出来ます。
寝る前のストレッチで副交感神経を刺激
人間は、自律神経のバランスで生命活動を維持しています。自律神経は人体を興奮させて活動状態にする交感神経と人体をリラックスさせて休止状態にする副交感神経の拮抗関係によって成り立っています。
睡眠しやすくするためには、副交感神経を刺激して、体をリラックス状態にさせる必要があるのです。
それに効果的なのが、ゴキブリ体操などの寝る前に行う緩やかなストレッチです。方法は至ってシンプルで、お布団に仰向けになって両手両足を天井に向かって伸ばし、ゴキブリがひっくり返ったようにブルブルと手足を揺らすだけです。
他には体を大の字にして脱力するヨガの屍のポーズも大きな効果が期待出来ます。
最後に寝付きをよくするための簡単なストレッチ方法を紹介した動画をご紹介いたします。
まとめ
睡眠時間と肥満の関係はかなり古い時期から、多くの調査が行われてきて、その結果から睡眠時間が短いと太りやすくなってしまうこと見て取れます。
また、ホルモンの働きと睡眠時間の関係からも、その調査結果がしっかりと裏付けられています。
健康と美容のためには、やはり睡眠がとても大切です。規則正しい生活を送って、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
タグ:ダイエット