熱中症は予防が重要!予防法や対策グッズ、子どもの注意点について
※当記事にはPRを含みます。
更新日:2017年07月12日
熱中症について
近年、夏の気温が上昇しているように感じませんか?熱中症患者は、毎年大勢発生しています。
熱中症は気づかないうちに進行し、体が危険な状態になっていることが多いため、意識して熱中症予防・対策を行う必要があります。
特に小さな子どもさんは自分の意思を伝えるのが難しいこともあり、親御さんが気を配っていないといけません。
最近では熱中症対策グッズも豊富にあります。うまく熱中症対策グッズを利用して、熱中症にならないよう備えてください。ここでは、熱中症の予防や対策、子どもの熱中症に関する注意点について説明していきます。
熱中症の予防・対策
熱中症は予防することが最も大切です。意識的に行動することで、十分に熱中症を防ぐことができますので、実践してみてください。
スポーツ、外出時
- 水分補給をこまめに行います。水筒やペットボトルは必ず持ち歩くようにします。
- スポーツやアウトドアを行う日の天気・湿度・最高気温(特に体温の36度より高い日は大変危険)に注意し・暑い日の屋外スポーツでは、15~20分ごとに必ず休憩を取ることが必要です。
- 広いスポーツ会場などでは、体調が悪くなったときに休めそうな日陰などの涼しい場所を見つけておきます。
- 熱疲労を予防するため、体調が悪い日は不要の外出を控えてください。
- 気温が35度を越える場合は運動を中止することが好ましいです。(気温が25度くらいでも湿度が高いときは熱中症を発症しやすいので要注意)
- かぜや下痢など以外にも、寝不足や疲労がたまっているという場合は、無理な運動は禁物です。体温の調節は自律神経が行うので、疲れていると機能が低下します。
室内
- 汗がたくさん出る屋内でも熱中症は起きますので、屋内でも気温に注意が必要です。
- 扇風機やエアコンを適切(設定温度28度以下、湿度60%以下)に使い、すだれやカーテンで直射日光を防ぐなどして、暑さを避けます。
- 市販のスポーツ飲料(100ミリリットル中に40から80ミリグラムのナトリウム(塩の成分)が入っている飲料水)や経口補水液を冷蔵庫に常備し、タイミングを見て摂取する。
- 瞬間冷却スプレー、保冷材などの冷却グッズを用意しておきます。うちわや扇子などについても冷房が作動した部屋で使用すれば冷房効果が上がります。
- 夜間のエアコンは眠ってから3時間程度で切れるように設定します。寝ついてからの3時間ほどには、深いノンレム睡眠が集中していて、脳の休息に大事な役割を担っています。また、熱帯夜になると、一晩で500~1,000ミリリットルも汗をかくことも珍しくありません。これだけの水分と塩分を失った後、暑い日中にさらに汗をかくと熱中症になりやすくなります。
- また、早朝には血液が濃くなっているので、心筋梗塞や脳卒中の危険性が高まってしまいます。したがって、あらかじめ失われると予測される水分と塩分の一部を補っておく必要があります。寝る前にも水分補給を忘れないようにしましょう。
服装
- 外出や運動する際の服装は吸湿性・通気性のよい素材を使用した、軽快な服装を心がけます。
- 休憩中に着替えたり、衣服をゆるめたりして熱を逃す工夫も必要です。
- えり元はなるべく緩めて、熱気や汗が出ていきやすいように通気します。
- 白系の服を着て、熱を反射させ、熱がこもらないようにします。
- 意識的に涼しい服を着用し、暑さに応じて脱着するようにします。
- 日中は帽子を着用し、直射日光を避けます。
行動など
- 本格的に暑くなる前から日常的にウォーキングをするなどで汗をかく習慣をつけ、身体を暑さに慣れさせます。
- いつもエアコンの効いた部屋にいて汗をかかずにいると、暑さに弱くなってしまいます。
水分補給について
- 通常時やスポーツ後などの水分補給であれば市販されているスポーツドリンクなどが適していますが、スポーツドリンクは糖分が高く電解質(ナトリウムやカリウムなど)が低いため、熱中症の症状が生じている場合は、経口補水液を利用する方が望ましいです。
- 飲み物は、ほどよく冷えた5~15度くらいが適しています。
- 水分補給の量は体重の2%程度が目安です。例えば体重が50kgの場合は1リットルが目安となります。
- 運動前には250mlから500mlを数回に分けて飲むことが好ましいです。
- 運動中は約20分ごとに1口から200mlずつ飲むようにします。
- ビールなどで水分の補給はできません。アルコールは尿の量を増やし体内の水分を排出してしまいます。同じくお茶に含まれるカフェインも利尿作用があるため、水分補給には適しません。
その日の体調など
熱中症の発生には、その日の体調が影響します。風邪などで発熱している人や下痢などで脱水症の人、小さい子どもや高齢者、肥満の人、心肺機能や腎機能が低下している人などは熱中症を起こしやすいので、暑い場所での運動や作業には配慮が必要です。
また前日に深酒をしたり、朝食を抜いた状態で暑い環境に行くのは避けた方がいいでしょう。集団で活動する場合には、お互いの配慮や注意も必要です。お互いに声をかけあい体調を気づかうことや、活動の後に涼しい環境で安静にするなど、皆で工夫しましょう。
熱中症対策グッズ
熱中症対策グッズについて、少し紹介します。最近では、便利なグッズがたくさん販売されています。実際に購入しなくても、どういう商品が出ているのかを見るだけでも、熱中症対策に必要なことが分かってきたりします。
参考までに主なものをご紹介します。
冷却タオル
保冷してくれるタオルのようなもので、マフラーのように首に巻いて使うものもあります。首には動脈が通っていますから、首まわりを冷やすのは熱中症対策として効果がありそうです。家族皆で使えそうです。
【参考】冷却タオル。マフラーのように首にまいて使うものもあります。
ベビーカーグッズ
抱っこ紐やベビーカーに兼用できる保冷シートです。ベビーカーは地面に近いので、大人よりも温度が高くなってしまいます。少しでも涼しくしてあげたいですね。
熱中症、紫外線対策(UVカット)用の帽子
夏のお出かけには欠かせない帽子です。熱中症、紫外線対策(UVカット)にやはり効果的です。
フェイスガードなど
炎天下の中の登山などの際に、頭部を守ってくれるグッズです。フィエスガードなどと呼ばれているようです。
【参考】熱中症、紫外線対策(UVカット)のフェイスガードなど
経口補水液
水分補給に最も効果的な経口補水液です。熱中症対策には必須です。家に常備しておきたいですね。
子どもの熱中症に関する注意事項
特に子どもに対しては、身体や体力など、大人と異なる点が多いので、通常の予防策に加えて次の点に留意してください。
子どもは体温調節の機能が弱い
子どもは大人より暑さに弱いことを認識してください。
乳幼児や小児は体温調節機能が未発達で、特に汗をかく機能が未熟で、体に熱がこもりやすく、体温が上昇しやすいものです。気温が体表温度より高くなると熱を逃がすことができず、反対に周りの熱を吸収する恐れもあります。
地面からの照り返しを意識する
大人よりも身長が低いため、地面から照り返しの影響を強く受けます。
このため、大人が暑いと感じているとき、子どもはそれ以上の高温環境にいることになります。大人の顔の高さで32度の時、子どもの顔の高さでは35度くらいあります。
ベビーカーは、地面からの位置が高いものを選ぶと、照り返しの影響を受けにくくなります。
自分では予防策が取れない
子どもは遊びに熱中して、暑いことを忘れて熱中症にかかることがあります。
また、乳幼児については、自分で水分を補給したり、服を脱いだりするなどの暑さ対策ができないため、熱中症にかかりやすくなります。したがって、保護者が水分や塩分を補給するといった対応を適切に行えない場合は熱中症のリスクが高くなります。
車内への子どもの放置
車内の温度は、短時間で一気に上昇します。気温が30度以下でも直射日光が当った車内では気温が50度以上になることがあります。
また、冷房をつけていても、何かの拍子で切れることもあります。季節にかかわらず、わずかな間であっても「少しくらい」などと思わず、車内に子どもだけを残さないようにしてください。
体調の異変に気を配る
顔が赤く、ひどく汗をかいている場合は、涼しい場所で十分な休息を取らせましょう。
子どもだけで出かけるときなど
自己管理や判断ができる大人と違い、子どもの場合は遊びやスポーツなどに夢中になるあまり、熱中症になってしまうこともあります。
子どもが一人で遊びに出かけるときは、次のことをしっかりと言い聞かせておきましょう。
- 少しでも疲れたと感じたら、日の当たらない涼しい所で休むこと
- のどが渇いていなくても、外にいるときはなるべく飲み物を飲むこと
- 気分が悪くなったら、周りにいる大人に早目に伝えること
眠るとき
夜間の冷房の使い方は難しいのですが、一例として、睡眠中の汗の蒸発を助けるために、就寝1時間程度前からエアコンのドライ機能で部屋を除湿し、子どもが眠る直前にエアコンを切るという方法もあります。
睡眠中に寝苦しそうな場合は、頭部の上の方(耳より上)を保冷材や冷凍させたタオルで冷やしてあげたり、お湯でしぼったタオルを使い足の裏を拭いてあげたりしてもいいでしょう
車での移動時
- 出かける前にエアコンの風がちゃんと後部座席に届いているかチェックし、エアコンの設定を変えても風が不十分な場合などは、シガーソケットを電源として使える小型の扇風機を用意することなどの考慮も必要です。
- カーテンやシェードを使って、子どもに強い日光が当たらないよう、後部座席の日よけ対策を行いましょう。
- チャイルドシートについても、気をつけないと熱中症を起こしてしまう危険があります。顔や腕などの目が届く場所は汗をかいていなくても、背中の発汗で脱水症状を起こしていたということもあります。チャイルドシートに密着している赤ちゃんの背中は汗をかきやすくなっていますので、気を配ることが大切です。
- 少しずつでも水分補給を行なうことが必要です。赤ちゃんがいる場合は、時折車を停めて、様子を見ることも大切です。
学校などでの活動時
熱中症は体育や部活動中に多く発生しますが、それ以外の学校行事でも発生します。環境やその時の行動、体調などに注意が必要です。
学校の管理下における熱中症の死亡事故は、野球、サッカー、テニスなどをはじめとする部活動中に発生することが多くなっています。休憩の取り方や水分補給はもちろんのこと、次のことを意識することが必要です。
- 我慢せずに水分や休憩を取る。
- 休憩中は衣服を着替えたり、冷たいタオルで身体を拭いたりし、水分も補給する。
- 体調が悪いときなどは、無理をせずに先生やコーチに伝えて休む。
- ダッシュを繰り返すランニングや持久走は回数や時間を減らす。
- 体力のない低学年や肥満の子どもに発生する率が高いので、夏場のトレーニングは別メニューにする。
- 指導者の熱中症対策について意識を確認しておく。
看護師からひとこと
部活動など、日中どうしても運動するという場合は、スポーツドリンクの他に塩タブレットや経口補水液、経口補水液のゼリーを持たせてあげましょう。
また、親の目の届かないところでの熱中症も起こりうるので、お子さんにも正しい熱中症の知識・対策を説明してあげましょう。
参考リンク
- 環境省熱中症予防情報サイト … その日の熱中症のかかりやすさ、暑さの指数を表示してくれていますので、出かける前にチェックするといいでしょう。