子どもの好き嫌いの原因を知って、しっかりと解消しましょう。

好き嫌いは多くのお子さんに見られます。また、それで悩んでいる親御さんも多くいます。好き嫌いには理由があります。理由もわからずに無理やり食べさせても解決しません。原因や解決法のポイントを教えます。

  [生活習慣病, 食事]

更新日:2017年12月18日

この記事について

監修:豊田早苗医師(とよだクリニック院長)

執筆:当サイト編集部

多くのお母さんやお父さんが子どもの好き嫌いで悩んでいます。

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子どもの好き嫌いは多くの親御さんを悩ませていると思います。

特に1歳から4歳位までは食べ物を口に入れる事すらしてくれない場合も多いです。

親としては周りの子と比べて不安になったり、困り果ててしまったりすることも多いと思いますが、子どもが食べ物に慣れるまでには時間がかかります。

食べないからと慌てる必要はありません。

ここでは、子どもの好き嫌いの特徴について説明していきます。

家庭で実践出来ることも多くありますので、参考にしてみて下さい。

好き嫌いが起こる原因とは

食べ物の好き嫌いの理由には先天的な要因と後天的な要因があります。

先天的な要因

先天的な要因としては、子どもは大人と「味覚が違う」ということです。

大人が好んで食べる物は、実は子どもにとって苦手な物が多いです。特に初めて食べる物は受け入れにくいです。

子どもの年齢によっても味覚は微妙に違います。

味覚の中の「酸味」や「苦味」は乳幼児にとって本能的に「毒」や「腐敗物」だと判断されます。そのため小さいうちは酢の物のような酸っぱい物やピーマンのような苦い物は苦手なことが多いのです。

また、赤ちゃんよりも1歳を過ぎてからの方が、好き嫌いが出やすいのも特徴の1つです。

その理由は、視覚・臭覚・味覚などの知覚の発達により食べ物の見た目、味、色などに敏感になるからです。

そのため今まで食べていた物も食べなくなることもあります。ある意味好き嫌いの出現は成長の証とも言えます。

後天的な要因

後天的な理由としては、「心理的なもの」が大きくなります。

食べないと親に叱られた、罰を与えられた、叱られてクラスの子に笑われたなど、心に傷を作ってしまうことでその食べ物へのイメージが悪くなって嫌いになってしまうパターンが非常に多いです。

また、親が嫌いで「まずい」「くさい」などと言っていると、それを聞いている子どもにとっても、その食べ物の印象が悪くなり、一緒に嫌いになってしまうこともあります。

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好き嫌いが成長などに与える影響

食べられなくても良いと言う訳ではありませんが、基本的に好き嫌いがあっても、他の食べ物を代用してきちんと栄養が補えるなら、それ程問題はありません。(肉が嫌いだから魚でタンパク質を補うと言った感じです。)

しかし、あまりに好き嫌いが多く、栄養が偏ってくると問題になってきます。

これを「偏食」と言いますが、偏食は子どもの成長や発達に様々な影響を及ぼします。

偏食による影響を身体面と精神面に分けて説明します。

身体面に与える影響

お菓子ばかり、お肉ばかりと言った偏ったものばかり食べると腸内環境が悪くなります。

腸内環境には身体を病原体から守る免疫が約70〜80%存在します。

偏食の人の場合は腸内環境が悪くなるため免疫力が落ち、風邪などの病気にかかりやすくなる恐れがあります。

その他、免疫異常によるアレルギーやアトピーにもなりやすいことも分かっています。

また、腸内環境が悪いと大腸がんなどの悪性腫瘍のリスクも高くなる可能性があります。

例え病気にならなくても、疲れやすい、肌が荒れる、頭痛などの症状が出やすくなります。

肥満のリスクも高まり、これは糖尿病や高血圧などの生活習慣病を誘発します。

体型などは一見体質や遺伝だと思われがちですが、体質には食生活が大きく影響してきます。

親子で肥満体質の人は遺伝だけではなく、同じような食生活を送っていることが原因かもしれません。

精神面に与える影響

根拠はあいまいですが、よく「好き嫌いの多い子=わがままな子」と言われます。

それは一体なぜでしょうか。それは、嫌いな物を食べずに育った子は「自分が嫌いなもの、苦手なものは受け入れなくても良い」と思って育ってしまうからです。

このような考えが修正されまいまま成長すると食べ物だけではなく、勉強や人間関係、仕事などに対しても同じように考えてしまう可能性が出てくるのです。

また、偏食の多い子は、好き嫌いのない子と比較して好奇心や意欲、自主性が消極的だという研究結果が出ています。

ただし、これは偏食の子全員に当てはまるものではありません。「好き嫌いが多い=わがままな子」と決めつけるのは止めて下さい。

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好き嫌いの解消法

子どもの好き嫌いに対して「食べなさい!」と一方的に叱ってもなかなか好き嫌いは克服出来ません。

しかし、ちょっとした工夫で子どもの場合好き嫌いを解消することが出来ることも多くあります。

以下に解消法をいくつか挙げていますので参考にしてみて下さい。

ゆっくり食べ慣らしていく。

子どもは食べ慣れない物や見た目でその食材を嫌いだと断定することが多くあります。

食べないからと言って食卓に出さないのではなく、調理方法や味付けを変えて、何度も出して少しずつ食べ慣らしていきましょう。

食べ慣らす上で注意しなければいけないのは「少量の量で出す」ということです。

最初は1口分だけでも良いので食べ切れる量だけ出し、本人の自信に繋がるようにしてあげて下さい。

食べた時はしっかり褒めてやる。

褒めてあげることで子どもの自信に繋がり、食べる意欲もあげられます。

初めのうちは少量から始め、食べ残しにくいようにしてあげましょう。

食べ物の大きさ、硬さを月齢・年齢に合ったものにする。

食べ物が大きすぎたり、硬すぎたりすると子どもにとって食べにくく嫌いになる原因にもなります。

顎の発育のためにしっかり噛むことは大切ですが、月齢や本人の体調に合わせて工夫してあげて下さい。

家族みんなで食事をする。

食事は出来るだけ家族揃って食べる方が子どもの食欲もあがります。

また、家族の人が楽しくおいしそうに食べているのを見ると、子どもも食べてみようと意欲が沸きやすいです。

家族でなくても友達同士で一緒に食べる事も効果的です。

間食は控え目にする。

間食でお腹をいっぱいにしてしまうと食欲が落ち、本来の食事の摂取量が減ってしまいます。

食器などを工夫する。

本人の好きなキャラクターの食器などを使うなど工夫してみるといいでしょう。

たくさんの種類の物を食べさせ、食べ物に触れさせる。

様々な食べ物を経験させることにより色んな味覚、食感などに慣れていきます。

無理に食べさせないようにする。

例え残してしまっても怒らないようにしましょう。

かえって本人のトラウマになり、ますます食べ物が嫌いになってしまう原因になります。

この他にも、外食などで環境を変えて嫌いな物に挑戦してみるのも良いでしょう。

必ずしも「食べない=嫌い」ではないことを頭に入れておきましょう。

子どもが苦手な食べ物・嫌いな食べ物ランキング

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子どもが苦手なものには、苦みや刺激の多いものが多くあります。

苦味や刺激、香りが強いものは、大人でも苦手という人もいると思いますが、苦手なものをしっかりと認識して、一つ一つ対策を立てていくことが大切だと思います。

子どもの苦手なものや、嫌いなものランキングに入るものとしては、以下のような食べ物があります。

苦味の多い物

ピーマン、セロリ、ゴーヤなど。

火を通すことで苦味が減りますので、火を通すととても食べやすくなります。

刺激の強い物

玉ねぎ、ネギ、ショウガなど。

刺激の多いネギ系の食材ですが、こちらも火を通すことで甘みが増しますので、とても食べやすくなります。

香りの強い物

にら、パクチー、セロリなど。

こちらは、子供だけでなく、大人でも苦手な人は多いのではないでしょうか。苦手なままではずっと食べることができないままですので、少しずつでいいので、無理せず徐々に食べさせて、慣らしていきましょう。

食感が独特な物

しいたけ、トマト、ナスなど。

こちらは、それぞれに独特な食感や見た目がありますので、そういう意味で大人でも苦手な人をたまに見かけます。

こちらについても、無理強いせず、徐々に食べ慣らしていくことが大切です。

妊娠中の食事も実は大事です!

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子どもの好き嫌いは妊娠中の食事の影響もあるのです。

研究の結果、必ずという訳ではありませんが、妊娠中お母さんが好んで食べていたものは子どもも大好きなことが多いです。

また、妊娠中に色々な食材を食べていたお母さんから生まれた子は、お腹にいた頃からたくさんの味に触れているため新しい味への許容度が高いことが分かっています。

このようにお腹にいる頃から食育は大切です。

妊娠を機に自分の食生活を見直すのも良いかもしれません。

大人の好き嫌いについて

大人でも好き嫌いがある人は結構います。

どうしても食べ物の好みなどもあるので、1つや2つ食べられない物があっても仕方がないでしょう。

しかし、子どもと同様、偏食は身体に良くありません。

偏食の原因は子どもの好き嫌い同様の理由もありますが、子どもの頃の食環境の影響も大きく関係しています。

例えば、子どもの頃に添加物の多く含まれた物や加工品ばかり食べており、本来の食材の味が分からず味覚障害がある場合があります。

ファストフードやインスタント食品も美味しいですが、本来の食材の旨味とはまた別物です。

また、味付けの濃い家庭で育った人も同様に本来の味に慣れていないため、好き嫌いが多い傾向にあります。

このように幼い頃の食環境は大人になっても大きく影響してくることがあります。

好き嫌いが多い人のイメージ

その他、子どもと同様に好き嫌いの多い人は、わがまま、頑固、協調性がないなどのイメージを持たれることも多いです。

好き嫌いは育った環境も原因であり、決して本人だけの問題ではありませんが、相手への印象を悪くしてしまうことがあるので出来るだけ克服する方が良いでしょう。

大人の好き嫌いを治す方法

好き嫌いを直す方法は子どもと同じように、最初は嫌いな物は小さく刻んで他の食材に混ぜ込む所から始めます。

その後、ゆっくり切る大きさを大きくするなどして食材に慣れていきましょう。

他にも、上司と一緒に食事をして嫌いな物にチャレンジするのも良いかもしれません。

なぜなら、上司に対してはわがままを言えないので、敢えて嫌いな物を食べなければいけない状況に自分を追い込めるからです。

また、嫌いな物を使って料理を自らしてみるのも良いでしょう。自分で一生懸命作ったものは例え嫌いな物でも食べる意欲が沸きやすいからです。

好き嫌いを克服するのは時間が掛かります。焦らず少しずつ親子で楽しみながら色んな食材に挑戦していって下さい。

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