ルバーブの効能、ジャムなどのレシピ・食べ方をご紹介します!

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ルバーブは酸味や渋みから、これまであまり受け入れられてきませんでしたが、多くの栄養素があり美容効果も高いことから、最近では広く普及してきました。家庭などでも料理を作る人が増えてきました。ルバーブの効果や効能、注意点、美味しい食べ方やレシピをご紹介します。

ルバーブとは

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ルバーブは、シベリア南部が原産の多年草、タデ科ダイオウ属の植物です。

その歴史は古く、紀元前3000年頃には古代ローマやギリシャなどで食用として栽培をされていたと言われています。

ただし、ルバーブは元々、中国北部や四川省などに自生していた「薬用大黄(ダイオウ)」を食用に改良して作られたものと言われており、明治時代に日本へと伝わった際にはその流れから「食用大黄(ショクヨウダイオウ)」という和名が付けられていました。

なお、大黄とはタデ科の多年草植物の総称を指しており、中国では古来より根茎の外皮を取り除いて乾燥させたものを生薬として利用していました。

漢方名はそのままダイオウとなっており、その薬効の強さから「将軍」と称されるほどです。

日本薬局方でも主要生薬の一つとして掲載されており、便秘や便秘に伴う腹部の膨満感などに昔から処方されています。

ルバーブは、ハート型の大きな葉とフキに似た葉柄(茎と葉を繋いでいる部分)からなり、食用とするのは葉柄の部分になります。

葉柄は緑色ないし赤い色をしており、春から夏に掛けて花を咲かせます。

ルバーブには強い酸味や渋味があるため、当初の日本ではあまり受け入れられませんでしたが、酸味を好むヨーロッパでは古くから食材として用いられており、特にイギリスでは様々な用途に使用され、とてもポピュラーなものとなっています。

それが近年、日本でもルバーブを使った料理などが盛んに紹介されるようになると、一気に知名度が上昇してその需要が高まりつつあります。




ルバーブの効果

ルバーブが日本で一躍注目され始めているのは、独特な味や香りが受け入れられただけではなく、その栄養素の高さにあると言われています。

そこでここでは、ルバーブに含まれる成分からその効果をご紹介したいと思います。

① ペクチン(食物繊維)

腸内環境を整える効果のあるペクチンは、便秘解消は勿論のこと、大腸ガンの予防にも効果があると言われています。

また、血糖値を緩やかにする作用もあるため、食べたものが脂肪として蓄積するのを防いでくれます。

また、ルバーブは薬用大黄を食用に品種改良したもののため、今もなお根茎は大黄の代用として使用されています。

根茎は下剤としての薬効作用があるのですが、葉柄にも僅かに成分が含まれるため便秘解消効果が期待できます。

② カリウム

体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、高血圧の予防・改善や女性に多いむくみの解消にも効果があります。

③ ビタミンC

高い抗酸化力のあるビタミンCは、肌の老化を防ぐだけではなく、風邪などの感染症や動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果があります。

④ カルシウム

骨や歯の元となるカルシウムを摂ることは、健康な体を作るためには欠かせませんが、日本人はカルシウムの摂取量が少ないと言われているため、積極的に摂りたいミネラルとなっています。

また、カルシウムはマグネシウムやビタミンCなどと一緒に摂ると体内での吸収率が上がるため、ビタミンCが含まれているルバーブは相乗効果も期待できます。

⑤ アントシアニン

ルバーブの赤色は、アントシアニンというポリフェノールによるものです。

アントシアニンには強い抗酸化作用があり、活性酸素による細胞の酸化を防ぎ、血管を丈夫にして動脈硬化などの生活習慣病を予防・改善する働きや、アンチエイジング効果も期待できます。

⑥ タンニン

ルバーブの渋味の元であるタンニンも、アントシアニンと同様にポリフェノールの一種です。

タンニンには抗酸化作用の他、殺菌作用や脂肪分解作用もあることから、下痢の改善やダイエットにも効果があると言われています。

ルバーブの注意点

ルバーブは、薬用として取り扱われている大黄とは異なり、あくまでも食用として流通していますが、ダイオウ属の植物であることから食べる時には注意が必要なケースもあります。

① 妊婦や授乳中の方は摂取を控えて下さい。

ルバーブの根茎には、下剤として利用される大黄の成分が含まれており、食用とする葉柄にも少量ながら同成分が含まれています。

そのため、妊婦の方が摂取すると下痢や子宮収縮などを促してしまう恐れがあります。

また、授乳中の方も母乳から赤ちゃんに成分が混じると、赤ちゃんが下痢を起こす場合があるので控えましょう。

② ルバーブは葉柄のみを食べて下さい。

葉の部分も一見葉物野菜のように見えるため、サラダなどで食べてしまいたくなりますが、決して食べないようにして下さい。

葉にはシュウ酸が多く含まれていることから、食用には適しません。

シュウ酸を多く含む食べ物を摂取すると、体内でカルシウムと結合し腎臓結石の原因となる場合があります。

特に、胆石や痛風などの持病を持っている方は、シュウ酸が病状を悪化させることがあるため摂取しないようにして下さい。

ルバーブの選び方

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ルバーブを購入して食べてみたいと思っても、食べ方がわからないとどうにもなりません。

また、どのようなルバーブを選ぶとよいのかを知っておくことも重要ですよね。

まずは、選び方のポイントをご紹介します。

葉柄全体が張っていて瑞々しいものを

ルバーブは葉の部分を落とし、葉柄のみが束になって売られていますが、葉柄全体がピンと張っていて、切り口が瑞々しいものを選びましょう。

葉柄がしおれていたり、切り口が茶色に変色しているものは鮮度が落ちているため避けるようにして下さい。

初夏のものがおすすめ

日本で栽培されているものは、6~8月に掛けて出荷されますが、初夏のものの方が葉柄が太く、夏に向かうに従い細くなっていきます。

食感や形をなるべく残して調理したい場合は、早い時期のルバーブを買うのがお勧めです。

色による違いを意識する

ルバーブには、葉柄全体が赤いものと、根元だけが赤くて他は緑のもの、赤と緑がグラデーションのようになっているものなどがあり、ジャムなどの加工品にした時に、赤色が強いほど鮮やかな色になります。

なお、緑色のルバーブは、赤いルバーブに比べて香りがやや強く、肉質がやわらかいと言われています。

ルバーブの食べ方

ルバーブは加熱すると煮崩れしやすいため、ジャムやコンポートにするのが一般的です。

なお、ルバーブはフキのように皮を剥き、アク抜きをしてから食べるのがよいと言われていますが、赤いルバーブの場合、皮の部分にアントシアニンが多く含まれていることから、その部分を剥いてしまうのは勿体ないと言えます。

ルバーブはきちんととアク抜きさえすれば、皮ごと食べても問題ありませんので、調理の前に水に浸してアクを抜いておきましょう。



ジャムの作り方

ルバーブの活用方法として、最も多いジャムの作り方をご紹介します。

  1. ルバーブを1~2㎝ほどにカットし、葉柄の総重量に対して40~50%ほどのグラニュー糖(グラニュー糖の量はお好みで)を用意します。
  2. 鍋に、カットしたルバーブとグラニュー糖を交互に敷き詰め、そのまま3時間ほど放置します。
  3. ルバーブから水分が出たら、鍋を火にかけて溶かしていきます。
  4. 焦がさないように混ぜながら、浮いてきたアクをとり、煮詰めていきます。
  5. 仕上げにレモン汁を加えると、色が鮮やかになります。
  6. 煮沸消毒した瓶に詰めて完成です。

その他のレシピ

ルバーブは、ジャムとして食べるだけではなく、色々な料理に使うことができます。

ここでは、ルバーブを使ったお勧めのレシピをいくつかご紹介したいと思います。

コンポート

コンポートは、果物や野菜をシロップやワインで煮込んだものを言います。

ジャムと比べて果肉そのものの食感が残るため、ルバーブの風味を楽しむことができます。

コンポートだけを食べても美味しいですが、ルバーブの酸味が生クリームや乳製品とよく合うので、アイスクリームやヨーグルトのトッピングとして頂くのがお勧めです。 

作り方

  1. ルバーブを水に浸してアク抜きをします。
  2. 皮の食感が気になる時は、セロリの筋を剥く要領で皮を剥いて下さい。
  3. ルバーブを2㎝程度にカットしたら鍋に入れ、ルバーブの量の30%ほどのグラニュー糖をまぶします(砂糖の量はお好みで)。
  4. そのまま数時間~半日置いておくと、ルバーブから水分が出ます。
  5. そうしたら、ザルなどで濾してルバーブと水分を分け、水分のみを鍋に戻してレモン汁を加えて火にかけましょう(レモン汁はなくてもよい)。
  6. 水分が3分の1程度まで煮詰まったら、鍋にルバーブを入れ、中火にして1分半~3分ほど加熱して完成です。

火にかけ過ぎるとジャムになってしまいますので注意しましょう。余熱で溶けてしまいそうな場合は、ボウルに移して底を冷やして急冷しましょう。

パイ

ルバーブは、ヨーロッパでは「パイプランツ(パイのための植物)」と言われるほどパイには欠かせない食材として知られています。

アニメの〝赤毛のアン〟でもたびたび登場することから、「小さい頃から食べてみたかった!」という方は多いのではないでしょうか。

作り方

  1. 冷凍パイシートを耐熱皿に敷きます。
  2. そこに水に浸してアク抜きをしたルバーブとイチゴジャムを混ぜ合わせたものを載せます。
  3. さらに冷凍パイシートを載せて閉じます。

フィリングは、ルバーブ単体でも美味しいですが、イチゴのジャムと合わせると酸味に甘みが加わり、一層美味しくなります。ルバーブと同様に生のイチゴを使いたい時は、ルバーブの半量程度の砂糖を加えて混ぜたものを載せてもOKです。

生のルバーブではなく、煮たものをフィリングとして使うこともできます。

  1. アク抜きしたルバーブをカットし、ルバーブの半量程度の砂糖をまぶして30分ほど置きます。
  2. 水分が出て来たら10分ほど加熱して、火を止め冷ましておきましょう。

ルバーブはクリームとの相性がよいので、カスタードクリームを作り、耐熱皿に敷いたパイ生地の上に、カスタードクリームとルバーブを載せ、パイ生地で蓋をして焼き上げます。

クランブル

ルバーブを好んで食べる欧州の中でも、とりわけルバーブを愛しているのがイギリス人と言われています。

そんなイギリスの方が初夏の楽しみとしているのが、伝統菓子のルバーブクランブルです。
 

作り方

  1. 水に浸しアク抜きをしたルバーブを1~2㎝程度の大きさにカットします。
  2. クランブルを作ります。
    小麦粉90gにカットしたバター55g、砂糖55gを加え、手ですり合わせるようにして混ぜます。
  3. ルバーブと大さじ3程度の砂糖をまぶし、混ぜ合わせたら、耐熱皿に敷きつめ、その上にクランブルを載せます。
  4. 180度のオーブンで35~40分焼いて完成です。

熱々のところに、バニラアイスを載せて食べるのがイギリス流。

シロップ

ルバーブに砂糖を加えて漬け込むだけで、簡単にシロップが完成します。

出来上がったシロップは水や炭酸で割って飲んでも、かき氷にかけても美味しく頂けます。
 

作り方

  1. ルバーブと同量の砂糖を用意します。
  2. 水に浸しアク抜きをしたルバーブを、5㎜程度に細かく刻み、煮沸消毒した瓶に砂糖と交互になるように入れていきます。
  3. ルバーブと砂糖が混ざるように瓶を振ったら、毎日2回(朝晩)手でかき混ぜましょう。
  4. 1週間~10日程度かき混ぜて完成です。

番外編 ルバーブジャムの以外な活用法

ルバーブのジャムは、トーストに塗ったりヨーグルトのソースにする他にも、実は和食でも大活躍します。
 

ご飯やお酒のお供に

  1. ささがきしたゴボウに片栗粉をまぶします。
  2. 火にかけたところに、ルバーブのジャム(大さじ2)と醤油、酒、バルサミコ酢(それぞれ大さじ1)を混ぜた調味料を加え、さらにバターを入れて混ぜ合わせます。

そのままご飯に乗せて食べても、お酒のつまみとして食べても美味しいです。
 

暑い夏に食べたくなる、冷しゃぶのソースとして

冷しゃぶのソースは、ポン酢かごまタレが一般的ですが、ルバーブのジャムに酢とレモン汁を混ぜ合わせたもの(それぞれ適量)をソースにすると、爽やかな酸味と甘みで豚肉をさっぱりと頂けます。

簡単に照り焼き風の一品が完成

焼いた鶏肉にルバーブのジャム(大さじ2)と醤油(大さじ1)を混ぜ合わせたものを加えると、簡単に照り焼き風になります。