プロテオグリカンは美容液よりサプリ!その効果やサプリの選び方をご紹介します。

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美容効果の高い成分として注目されているプロテオグリカン。もともと体内で重要な役割をしていて、膝の痛みなどにも効果あると言われています。その役割や効果、美容液よりもサプリメントの方が適しているという理由などをまとめました。

プロテオグリカンとは

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プロテオグリカンとは、タンパク質(プロテイン)グルコサミノグリカンと呼ばれる糖が結合したもので、糖タンパク質の一種です。

プロテオグリカン = タンパク質 + グルコサミノグリカン

(糖タンパク質 = タンパク質 + 糖鎖)

糖タンパク質とは、糖鎖と呼ばれる様々な糖が連なったものと、タンパク質が結合したもので、体内では多くのタンパク質は、糖タンパク質として存在していて、いろいろな働きをしています。

プロテオグリカンは、コラーゲンやヒアルロン酸と同様に、人間を含む動物の皮膚や軟骨などに元々含まれている成分ですが、近年はコラーゲンやヒアルロン酸を凌ぐ次世代の美容成分として、大変注目を集めています。

最初の発見

プロテオグリカンは、19世紀末に動物に含まれるグルコサミノグリカンの研究中に発見されました。

さらなる研究により、プロテオグリカンには優れた保水性や、EGF(上皮細胞増殖成長因子)と呼ばれる皮膚や細胞を成長・再生させる物質に似た働きがあることがわかり、美容や医療の分野での活用への関心が高まりましたが、当時は牛の気管軟骨や鶏の鶏冠(とさか)などごく限られた部分からしか抽出することができなかったため、1gあたり3,000万円もの高値となってしまったことで、広く世の中に普及することはありませんでした。

日本の新技術で鮭から大量生産!

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しかし、プロテオグリカンの働きに注目した弘前大学が中心となり、青森県にて産官学共同のプロジェクトが始動すると、鮭の鼻軟骨からプロテオグリカンを抽出することに成功しました。

鮭の鼻軟骨は、北海道や東北地方の一部では、昔から〝氷頭(ひず)〟として知られており、この氷頭を薄切りにし、大根と塩、酢、砂糖の調味料を和えた氷頭なますが食されていました。

しかし、通常は鮭の加工過程において頭部は廃棄されてしまうため、その有効利用が模索されていたところ、弘前大学の高垣教授を中心に、酢酸及びアルコールのみで鮭の鼻軟骨からプロテオグリカンを抽出する技術が開発されたのです。

これによって1gあたり30万円以下での供給が可能となり、大量生産への道が開かれました。




プロテオグリカンの種類

プロテオグリカンは、タンパク質と結合するグルコサミノグリカンの違いによって、現在は約20種類が発見されていると言われていますが、ここではその中でも代表的なものを3つご紹介したいと思います。

アグリカン

主に動物の軟骨組織に多く存在し、プロテオグリカンの代表的な種類です。

パールカン

細胞と結合組織の間にある、薄い膜状の基底膜に存在しているプロテオグリカンです。

バーシカン

皮膚の真皮層に存在しているプロテオグリカンです。

プロテオグリカンの体内における役割、機能とは

細胞をつなげる

プロテオグリカンの役割は大きく2つあります。

  • 皮膚や軟骨などの弾力や粘性を保つ
  • 細胞を結合させて、体中の組織を作る

皮膚や軟骨などの弾力や粘性を保つ

プロテオグリカンに含まれるグルコサミノグリカンには、多くの水を保持する性質があり、これが皮膚や軟骨などの弾力や粘性を保っているのです。

グルコサミンやコンドロイチンなど、近年、コマーシャルなどで膝などの関節痛によいとして認知度が高まっています。これは、グルコサミノグリカンに含まれる成分の一種であり、膝を曲げる場所などにある軟骨部分には元から存在しています。

細胞を結合させて、体中の組織を作る

生物は細胞によって成り立っていますが、細胞は単体では役割が決まらず、働くことができません。体の中で細胞がしっかりと働くためには、多くの細胞が集まり強く結合し、役割が決まらなければなりません。

細胞を結合させてその働きを決めていくのが、細胞の外側にある組織で、細胞外マトリックスと呼ばれるものです。

プロテオグリカンはこの細胞外マトリックスの一つで、体の中の至るところに存在しています。体の組織を作るとともに、神経の伝達なども行い、さらには、血液によって運ばれた栄養や酸素を、一旦貯蓄し、必要に応じて細胞へと供給していくのです。

ヒアルロン酸やコラーゲンも同様に細胞外マトリックスの一つであり、ともに
体内で重要な役割を果たしています。

プロテオグリカンが不足するとどうなるのか

膝

プロテオグリカンは、動物(人間を含む)の体内に元々存在する成分ですが、加齢ともにその量が減ってしまいます。

プロテオグリカンには、EGF(上皮細胞増殖成長因子)に似た働きをすることがわかっていることから、不足してしまうと、細胞の新陳代謝や再生機能が低下して肌の老化が進んだり、膝などの関節の軟骨部分がすり減ってしまう〝変形性関節症〟を引き起こす恐れがあります。

効果

プロテオグリカンには、次のような効果があると言われています。

美肌効果

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プロテオグリカンは、皮膚の成長を促したり、代謝機能を促進させたり、再生させたりする機能を持っています。

これまでも説明したとおり、これはEGF(上皮細胞増殖成長因子)にとても似ている機能です。EGFとは、アメリカの生物学者スタンレー・コーエン博士によって発見されたタンパク質の一種で、皮膚の表面にある受容体と結び付くことで、上皮細胞の増殖を促進させるもので、成長ホルモンを活性化させます。

年齢とともにEGFは減少していきますので、そのまま減少すると老化の一途をたどることになります。したがって、EGFに似た働きをするプロテオグリカンは、老化を食い止めるためには、非常に重要なものなのです。

また、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す働きもあることから、皮膚の保水性を高めてシワやたるみなどの改善や、メラニンの生成を抑えてシミやそばかすなど抑制する効果があると言われています。

なお、プロテオグリカン自体も保水性に優れた性質を持っていて、コラーゲンの1.3倍にも及ぶと言われています。

変形性関節症の症状を緩和

変形性関節症は、関節の軟骨がすり減ることで骨同士がぶつかり、痛みや炎症などが起こる病気です。

プロテオグリカンは、軟骨の構成成分の一つとして、その高い保水力によってクッションのような働きを行い衝撃を吸収していますが、同時に軟骨細胞の増殖や軟骨細胞が早く軟骨を形成するように促す作用があることから、変形性関節症の症状をやわらげる効果があると言われています。

炎症の抑制

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プロテオグリカンには、炎症を抑えるサイトカイン(免疫細胞から分泌されるタンパク質)の働きを促進する作用があります。

中でも腸管で炎症物質を抑えることがわかっていて、主に大腸炎の予防効果が期待できると言われています。

また、ストレスやたばこ、アルコールなどの刺激によって炎症物質が過剰に産生されると、活性酸素が大量に発生し、ガンなどの重大な病気の原因となる場合もあることから、炎症の抑制はこのような病気の予防にも繋がると考えられています。

生活習慣病の予防・改善

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プロテオグリカンには、糖尿病や肥満などのいわゆる生活習慣病を予防・改善する効果があると言われています。

特に、血液中の糖に過剰な状態(高血糖)が続くと、余分な糖が体内のタンパク質と結合して、グリコヘモグロビン(HbA1c)が生成されるため、糖尿病が疑われる場合には血液検査でHbA1cの値が調べられますが、プロテオグリカンはこのHbA1c値を抑制する効果があることがわかっています。



摂取方法

プロテオグリカンを摂取するなら、経口摂取がよいでしょう。

プロテオグリカンは胃酸に強いため、腸まで消化されずに届いて、腸管から吸収される仕組みになっています。

先にもご紹介した通り、鮭の鼻の軟骨を使用した氷頭なますは、プロテオグリカンを摂取できる食品となっていますが、毎日氷頭なますを食べるというのは手間などが掛かり過ぎると言えます。

そのため、現状ではプロテオグリカンが配合されたサプリメントや、ドリンク、ゼリーなどを摂取することが、最も手軽で確実な方法と言えるでしょう。

しかしここで、女性ならば1つの疑問が生じないでしょうか?

プロテオグリカンと同様に、真皮に存在するコラーゲンやヒアルロン酸は、肌の保湿効果を高める美容成分として、肌には欠かせないものとなっています。

ドラッグストアやデパートなどの化粧品売り場には、「コラーゲンの保湿成分が肌の奥まで浸透」「ナノレベルのヒアルロン酸が真皮層に届く」など、魅力的な謳い文句と共に、化粧水や美容液が数多く販売されています。

そのため、「プロテオグリカンも、コラーゲンやヒアルロン酸入りの美容液と同じように肌に塗ることはできないの?」と思う方も多いのではないでしょうか。

ですが、皮膚科や形成外科などの医師の中には、化粧水や美容液は肌の深い部分までは浸透しないと提言している方がいらっしゃいます。

これには、皮膚の構造が関係しています。

美容成分は塗っても、肌の奥まで届かない?

皮膚は主に、次の3層に分けられています。

皮膚組織

  • 表皮
  • 表皮は、上から角質層・淡明層・顆粒層・有棘層・基底層となっており、一番下にある基底層にて細胞分裂を繰り返しながら新しい皮膚が作られ、角質層へと上がってきます。(これを肌のターンオーバーと言います。)

  • 真皮
  • 表皮の下にあり、厚さは2~3㎜となっていますが、プロテオグリカンを始め、コラーゲンやヒアルロン酸などが存在する、皮膚の本体とも言われる部分です。

  • 皮下組織
  • 真皮の下にあり、主に皮下脂肪によって形成されています。

このように、肌は表皮・真皮・皮下組織の3層となっており、私達が普段、皮膚と認識しているのは、最も表面にある表皮の角質層です。

そして、市販されている化粧水や美容液は、薬事法によってその作用は角質層までと限定されています。

つまり、化粧水や美容液には、元々角質層までの浸透が許可されているだけで、例え同じ表皮であっても、その下の淡明層・顆粒層・有棘層・基底層までの作用は許可されていません。

真皮はさらにその下に位置することから、プロテオグリカンを肌に直接塗っても、細胞レベルに働きかけるような効果はないと言えます。

ただし、コラーゲンやヒアルロン酸が入った化粧水や美容液には、肌表面の乾燥を防ぎ角質層を潤す効果はありますので、塗っても全く意味がないわけではありません。

サプリメントの選び方

サプリメント

プロテオグリカンは、サプリメントによる経口摂取がよいと思われます。

そこで、プロテオグリカンが配合されたサプリメントの選び方をご紹介します。

熱処理のされていないものを選びましょう

プロテオグリカンは、主成分がタンパク質のため熱処理をすると変性してしまい、得られる効能や効果を失ってしまいます。

そのため、サプリメントを選ぶ時は必ず製造工程を確認し、熱処理をしていないものにしましょう。

原料を確認しましょう

サプリメントは、天然素材を使用したものと化学合成を利用したものの2種類があります。

天然素材を使用しているものの方が、体内での吸収率が高く、余分なものを摂取する危険性も少なくなります。

しかし、化学合成の製品の方が価格が安いこともあり、「長く続けるにはこちらの方がよい」と選ばれているケースも多いようです。

とは言え、せっかく体によいものを摂っているつもりが、効果がないだけではなく本来は必要のないものまで摂ってしまっているとしたら本末転倒ですので、サプリメントを選ぶ時は価格だけで決めず、天然素材のものを選ぶようにしましょう。

添加物の有無を確認しましょう

これは原料を確認することにも通じることなのですが、サプリメントは飲みやすさなども重視されることから、全製品において添加物が全く含まれないものは存在していません。

しかし、体のために摂取するサプリメントが、添加物だらけだとしたら、返って健康を損ねる可能性もありますので、添加物がなるべく少ないものを選ぶようにしましょう。

製造年月日を確認しましょう

サプリメントは食品に区分けされており、賞味期限が設けられています。

このため、製造から日数が経過しているほど、鮮度は落ち、効果が薄れると考えられます。

インターネット通販などでサプリメントを購入する時は、製造年月日を確認することができない場合もありますが、通常売られている価格よりも極端に値下げされている時には、賞味期限が間近に迫っている可能性が考えられますので、購入前に確認するようにしましょう。

なお、サプリメントは食後30分以内に摂取するのが、最も体内での吸収率を高めると言われています。

まとめ

美容成分として注目を集めているプロテオグリカンですが、その働きは美肌といった表面だけにとどまるものではなく、体内の細胞を働かせるために重要な役割があります。

そして、その働きが十分になってくると、肌の組織が活性化されて、効果を発揮してきます。

また、摂取方法は美容液を勧めるホームページなどもありますが、薬事法で化粧品はその効果が限定されていますので、真皮までは届きません。サプリメントで摂取して効果を見極める方が効果が高いと思います。

プロテオグリカンには、美容と健康の両面の効果があります。加齢による肌の不調や関節部の痛みを感じたら、プロテオグリカンを意識して摂取してみましょう。

参考サイト

プロテオグリカン応用研究プロジェクト
高知大学水産利用学研究室(体を支える細胞外マトリックス)