ストレートネックはパソコンやスマホの長時間使用が原因となります。何日にも渡る頭痛、眼精疲労、肩こりなど、ツライ症状が出てきます。ストレートネックかなと思ったら病院で検査を受けるといいでしょう。ここでは病院や整体での治療、自宅でできるストレッチ、症状や原因などをご紹介します。

ストレートネックとは

通常、頚椎(首の骨)は生理的前彎(ぜんわん)と言って、弓なりに曲がっています。

しかし、この曲がりが消失し骨の配列が直線的になってしまうことを、ストレートネックと言います。

頚椎が元々曲がっている理由

By Anatomography (en:Anatomography (setting page of this image)) [CC BY-SA 2.1 jp], via Wikimedia Commons(当サイトで文字を追加)

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人の頭の重さは、体重の10%前後にもなると言われており、体重が50kgの方なら5kg相当の重さになります。

この重さを首や肩だけで支えようとすると、当然ながら大きな負担が掛かってしまいますが、頚椎が前方に緩く湾曲することで、頭の重心が前になるのを防ぐことができ、体全体でバランスをとることができます。

診断基準

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正常な人の場合、最も頭に近いところにあるC1頚椎と、首と背中の境目にあたるC7頚椎までの角度は30~40度と言われています。

しかし、ストレートネックの方はこの角度が30度以下のため、レントゲンを撮ると文字通り〝まっすぐな首〟として映ります。

なお、ストレートネックは、正式な病気(病名)ではなく、このような首の状態を示す言葉として使用されているものです。

簡単なチェック方法

壁を背にした状態で立ち、かかと、骨盤、肩甲骨、後頭部が壁に付くかどうかを試してみて下さい。

通常は、この4か所がぴったり壁に付きますが、ストレートネックの方は後頭部が離れたりするので、無理をしないと4か所を付けることができません。

原因はパソコンやスマホ、猫背など

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パソコンやスマホの長時間使用

パソコンやスマホで作業をしていると、気が付かないうちに画面を覗き込むような前屈みの姿勢になってはいないでしょうか。

今、この記事を読んで下さっている方も、改めてご自身の姿勢を確認してみて下さい。

首が前に出て、背中が丸まっていませんか?

このような姿勢は、本来湾曲している首の形にそぐわないため、筋肉や骨に大きな負担となってしまいます。

このような姿勢が癖になってしまうと、凝り固まった筋肉によって骨に少しずつ歪みが生じ始め、やがてストレートネックを招いてしまいます。

近年、ストレートネックが注目されるようになった背景には、パソコンやスマホの普及によって症状に悩む方が増えているためと言われています。

そのため、ストレートネックは現代病とも言われています

猫背・巻き肩

パソコンやスマホの使用時に限らず、日頃から猫背の方はストレートネックを発症しやすいと言われています。

ただし、猫背には背中が丸くなっているというイメージが強いため、背中が丸なっていなければ自分は猫背ではないと、自覚がない方も多くいらっしゃいます。

しかし、肩巻き猫背(巻き肩)と言われる姿勢は、一見すると背中はそれほど丸まって見えないため、本人や周囲が猫背だと気が付かないことがあります。

両手の力を抜いた状態で立った時、手の平が少しでも体の前方を向いている方は、肩巻き猫背の可能性があります。

姿勢がよすぎる

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猫背や前屈みの姿勢がストレートネックの主な原因なら、背筋がピンと伸びている人はストレートネックにならない・・と考えてしまいがちですが、実はそうではありません。

社交ダンスやバレエダンサーなど、背骨をまっすぐにすることで体の軸を築いている人は、背中の生理的湾曲(正常なS字の曲がり)が失われ、それに付随するように首もまっすぐな人が多いと言われます。

とは言え、社交ダンスやバレエダンサーの方全てがストレートネックによる症状に悩んでいるわけではありません。

首の骨がまっすぐであっても、体全体の筋肉が整っているため症状が出ない人も多いのです。

先天的なもの

生まれつき背骨の生理的湾曲が小さい方や、臼蓋形成不全(股関節が上手くかみ合わない病気)などの場合は、骨盤が前傾しやすくなるため、頭の重さを支えるために、首の前彎が失われてしまうことがあります。

外反母趾などが原因の場合も

浮き指や外反母趾の方は、体重が足のかかとに片寄ってしまいがちなため、体のバランスをとろうと背骨や首の生理的湾曲が失われてしまうことがあります。

症状は頭痛、めまい、肩こりなど

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  • 頭痛
  • 頭が重い
  • めまい
  • 吐き気
  • 耳鳴り
  • 食欲不振、胸やけ
  • 肩こり
  • 眼精疲労
  • 首が痛い、動かない
  • 上を向きにくい
  • 腕の痺れや脱力感

このような症状は珍しくはないため、ストレートネックが原因だと気が付かないケースがほとんどです。

自律神経失調症や鬱病の原因になることも

ストレートネック自体は病気というわけではありませんが、首や肩の筋肉が常に緊張している状態から生じるため、首の後ろを通っている自律神経にも大きな影響を及ぼします。

上記の症状は、自律神経失調症や鬱病を診断する時の目安として確認されるものですが、人間関係や仕事などのストレスだけがこのような病気を引き起こすわけではなく、首や肩の異常が原因で起こる可能性があることも認識しておくことが大切です。

自宅でできる治し方・改善方法

枕を使う

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ストレートネックの方は、枕を使うと首が痛くなるため使わないという方が多くいらっしゃいます。

しかし、枕を使わないと頭が沈み込んでしまい、頚椎に余計に負担をかけてしまいます。

ストレートネックを改善するには、仰向けの姿勢で頭が布団に対して15度傾いた状態で寝るのがよいと言われています。

なお、うつ伏せも頚椎には大きな負担となってしまいますので注意しましょう。

ストレッチ

ここでは、ストレートネックを改善・予防するストレッチ方法をご紹介します。

パソコンやスマホなどを長時間使用される方は、一時間に一度の割合で行うとより効果的です。

ストレートネックの原因となりやすい背骨のストレッチ

  1. 足を肩幅程度に開いて立ちます。
  2. 背骨を伸ばしながら顎を前に出し、そこから顎をおへそに近付けるイメージで円を描くように動かします。ゆっくりと10回ほど繰り返しましょう。
  3. 次に両手を前方に伸ばし、肩甲骨を開きます。
  4. さらに、両手を頭の上にくるように伸ばします。

首のストレッチ

  1. 鎖骨に手をあて、首を前後にスライドして動かします。顔の位置は変えないようにし、首だけを動かしながら5回繰り返しましょう。
  2. 次に両手をあげてバンザイの姿勢をとり、そのまま背中を反らして10秒キープします。椅子に座ったまま行うことができます。

首周辺、肩の緊張やコリをほぐすストレッチ

  1. 息を吐きながら首を後ろに倒し、息を吸いながら顔を正面に戻します。
  2. 息を吐きながら首を前に倒し、息を吸いながら顔を正面に戻します。
  3. 息を吐きながら首を横に倒します。この時、倒した方の手で頭を引っ張ります。息を吸いながら顔を正面に戻します。
  4. 反対側も同様に行います。
  5. 息を吐きながら顔を真横に向け、息を吸いながら正面に戻します。反対側も同様に行います。
  6. 首を斜め上に向けてキープした後、首を回して反対側の斜め上でキープします。
  7. 正面に戻って終了です。

タオル枕を使用する

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  1. バスタオルを用意して縦半分に折ります。
  2. さらに、半分の大きさになるように横に折ります。
  3. タオルをくるくると端から巻いていき、最後まで巻き終わったら、弛まないように両端を輪ゴムやリボンなどで留めます。
  4. 巻いたタオルを首のくぼみに入れるようにして、仰向けで寝ます。
  5. その状態で、左右に首を10回揺らします。大きく揺らす必要はありません。
  6. 次に、首を小さく前後に10回うなづきます。この時、頭の重みで後ろへ引っ張られないように注意をして下さい。
  7. 最初は3分、慣れてきたら5分、10分と時間を徐々に伸ばしていきましょう。

体操をする

背骨を整える体操

  1. 楽な姿勢から、頭を後ろに持っていきます。この時、顎を引くようにしながら行うとよいでしょう。
  2. さらに効果をアップするには、顎を手で押してみましょう。頭の位置を戻す時はゆっくりと行いましょう。これを5回繰り返します。
  3. 次に、顎を引いて頭を後ろに持っていった状態から、さらに頭を後ろに倒してきます。
  4. そこから、首を左右に小さく、ゆっくりと振っていきます。これを5回繰り返します。ただし、痛みがある場合は無理に行わないようにして下さい。

猫背を改善する体操

  1. 立った状態で手の平を外側に向け、手首を回すように振ります。
  2. 次に両手を太ももにあてるように、パタパタと動かします。
  3. もう一度、手首を回すように振ってから、肩を上下に動かしながらストンストンと脱力させます。
  4. 1~3を今度は体の前側で同様に行います。
  5. さらに、1~3を体の後ろ側でも同様に行います。
  6. 1~5をリズミカルになるように繰り返します。

小胸筋をほぐして、猫背・巻き込み肩を治す体操

  1. 胸と腕の境目の付け根あたり(小胸筋)を触り、筋肉が固まっているところを見つけたら、そこを手で触れながら前屈姿勢になります。
  2. 片方の腕を下げた状態で、力を入れないようにしながらぐるぐると回していきます。
  3. 小胸筋を抑えた方の手に、固まった筋肉がゴリゴリとあたることで筋肉のコリを解します。
  4. 20周ほど行いましょう。

テニスボールを使った方法

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  1. テニスビールを2個、ガムテープなどで横並びにくっつけます。
  2. テニスボールを首の後ろにあて、マッサージをします。

また、床に置いたテニスボールの下に2㎝ほどの厚さの本を並べ、その上に後頭部の窪みがテニスボールにあたるように仰向けになって寝て、1~3分ほど圧力を掛ける方法もあります。

本を置くのは、テニスボールの位置がずれないようにするためです。この時、体を少しだけ下にずらすとテニスボールによって頭が引き上げられるので、よりマッサージ効果が高くなります。

温熱治療

ホットパックなどの温熱治療器を用いて血行を促進することで、首や肩の筋肉の緊張を解し、症状を緩和させることができます。

自宅でも蒸しタオルなどを使用して首や肩を温めると効果的です。


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まずは整形外科にかかりましょう

病院へ行くか整体へ行くかを迷った場合、まずは病院へ行くことをお勧めします。病院では整形外科を受診しましょう。

整体よりも病院へ先に行く理由は、病院で病名がついたり、医師から指示が出れば、整体などでのリハビリを保険適用で受けられるからです。

薬物治療

痛みが強い時は、病院にて非ステロイド系の鎮痛剤を処方されることがあります。

ただし、痛みの緩和には繋がりますが、薬物治療はあくまでも対処療法となり、ストレートネックの根本の解決にはなりません。

手術

ストレートネックでは基本的に手術に至ることはありませんが、ストレートネックが原因で頚椎椎間板ヘルニアや頸椎症などを引き起こし、日常生活において次のような支障が生じている場合は、手術を行う場合があります。

  1. 箸を使っての食事ができない
  2. 上着のボタンを掛けることができない
  3. 字が書けない
  4. 冷たいものや熱いものに触れても感覚がない
  5. 足がもつれる、歩きにくい
  6. 尿意を感じなかったり、尿が出にくい

このような症状がある場合は、ストレートネックによって重度の頸椎症などを発症している可能性があります。

症状を放置してしまうと、例え手術をしても完全に回復することが難しくなるため、早めに病院を受診するようにしましょう。


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整体で治す方法

ストレートネックは首だけを治せばよいという話ではありません。

なぜなら、ストレートネックを発症している多くの方が、不良姿勢(猫背など)によって背骨や腰などにも問題があるからです。

そのため、首だけを治療しても根本的な解決とはなりません。ストレートネックを改善するには、全身の整体や矯正が必要となります。

なお、上記の病院での治療のところにも記載しましたが、まずは整形外科を受診することで、整体の治療を保険適用のもとで受けられることがあります。また、正確な診断をする上でも、まずは整形外科への受診をお勧めします。

整体で行われているタオルを使用した治療法

  1. タオルを首の後ろにかけ、両端を手で持ちます。
  2. 両手でタオルを前方に引きながら、顎を引いて後頭部を後ろへ押していきます。頭の真後ろに壁があって、その壁を後頭部で押すイメージで行うとよいでしょう。また、この時、顎が上がったり頭が下がったりしないように注意しましょう。

看護師からのアドバイス

自己判断でストレートネックだと判断して、整体や間違った対症療法を行ってしまうと、場合によっては状態が悪くなることも考えられます。

病院では、病名の診断がでますので、医師の指示が出れば、保険でリハビリを受けることもできます。

まずは整形外科で検査と診断を受け、その上で日常生活において注意することやストレッチについて相談することをお勧めします。

ストレートネックに関するQ&Aが多く寄せられていますので、こちらも参考にしてください。

[カテゴリ:上半身, 整形]

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