近年、男性用尿漏れパンツや男性用尿漏れパッドの売れ行きが良くなってきているそうです。女性で尿漏れに悩んでいる人は多いですが、実は50歳をすぎた男性の2割は軽い尿漏れの経験があるといいます。男性の尿漏れの主な原因は前立腺肥大症。尿漏れではなく、残尿感や尿のキレが悪いといった症状で悩んでいる方も多いようです。前立腺肥大症による排尿障害、対策法などについてまとめています。

更新日:2016年12月05日

※この記事は看護師が監修をしています。

前立腺肥大症とは?

男性イメージ

前立腺肥大症とは、尿道を取り巻く前立腺が大きくなってしまい、尿漏れ、残尿感、尿の出が悪いといった排尿障害を起こしやすくなる病気です。

前立腺肥大症の原因は、加齢、男性ホルモンの減少によるホルモンバランスの崩れ、喫煙、肥満などが挙げられますが、実際のところははっきりしたことはわかっていません。

日本人男性の80%の人が80歳までには前立腺肥大症になると言われている一般的な病気です。

前立腺肥大症は前立腺がんなどとは異なり良性であり、日常生活に支障がない程度の症状であれば病院に行く人はあまりいません。

尿漏れや残尿感といった症状も、自分で対策をしている方が多いのが現状です。病院でも、治療を始めるかどうかは、前立腺肥大の程度よりも本人の生活への影響度合いによって変わってきます。

しかし、男性の尿漏れ、残尿感、尿の出が悪いといった排尿障害は、前立腺肥大症以外の前立腺がんなどの重篤な病気でも発現する症状です。

排尿傷害がひどくなると、逆流した尿によって腎臓に悪影響を及ぼすことがあります。気になる症状がある場合は、定期的に検査を受けてください。


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前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症の主な症状には次のようなものがあります。

1 排尿症状障害

 排尿症状障害とは、尿が出にくくなる症状です。前立腺肥大症では、次のような症状が出てきます。

  • 尿意を感じてから尿が出るまでの時間が長くなる
  • 尿が細くなり、チョロチョロとしか出ない
  • 尿が散ってしまう
  • 尿の最後のキレが悪くなる

2 蓄尿症状障害

蓄尿症状障害とは、尿をためられなくなる症状で、次のような症状が現れてきます。

  • 急にがまんできないほどの尿意がおそってくる
  • 昔よりも頻尿になった
  • 夜中に何度もトイレにいく

3 排尿後症状障害

排尿後症状障害とは、尿をし終わったのに残尿感がある、排尿後に尿道に残っていた尿が少量漏れるといった症状です。

4 その他の症状

トイレイメージ

男性の場合も、女性の尿漏れと同様に、、「くしゃみをしたときに尿漏れが気になる」「急に立ち上がろうとすると多少尿が漏れる」「子供や孫を抱きあげるときに尿漏れすることがある」といった症状に悩んでいる人が多いそうです。

排尿時であれば準備はできますが、不意の尿漏れでは準備ができないので不安ですよね。かといって、「病院に行くまででも・・・」という方が多いのではないでしょうか。

症状が軽いうちであれば、、後半で説明している予防法やサプリメントといった対策によって尿漏れなどの症状が改善されるかもしれません。

また、最近は、男性用の尿漏れパットや尿漏れパンツなども売っています。父は「お酒を飲みすぎて酔った時はいつも以上に尿漏れしやすい」と言っていました。

毎日ではなくても、「今日は飲み会」「今日は孫に会う」といったときには、これらを利用して対策をしておくと安心です。

自分の症状はどの程度?症状スコアでチェック!

自分の前立腺肥大症の症状がどの程度日常生活に支障を及ぼすものなのかを調べるチェック項目があります。、これはWHO(世界保健機構)が定めたもので、前立腺肥大症の自覚症状を点数化し、客観的にどの程度に位置するのかを把握するためのものです。

国際前立腺症状スコア(IPSS)

各項目で、自分にもっとも近い程度の点数をつけます。全項目の合計点(総計35点)によって、「0〜7点:軽症」「8〜19点:中程度」「20〜35点:重症」に分類します。

  • 「全くない:0点」
  • 「5回に1回の割合より少ない:1点」
  • 「2回に1回の割合より少ない:2点」
  • 「2回に1回の割合くらい:3点」
  • 「2回に1回の割合よりも多い:4点」
  • 「ほとんどいつも:5点」

この1ケ月間に、どのくらいの割合で次の症状がありましたか?

  1. 尿をした後にまだ尿が残っている残尿感があった
  2. 尿をしてから2時間以内にもう1度しなければならないことがあったか
  3. 尿をしている間に尿が何度も途切れることがあったか
  4. 尿意を我慢するのが難しいことがあったか
  5. 尿の勢いが弱いことがあったか
  6. 尿をし始めるためにおなかに力を入れなければならないことがあったか
  7. 夜寝てから朝起きるまでに、何回トイレに行ったか(回数=点数。5点(5回以上)まで)

QOLスコア

QOLスコアは、現在の排尿状態に対する満足度の指針を調べるものです。

現在の尿の状態がこのまま変わらずに続くとしたら、どう思いますか

  • 「とても満足、満足:軽症」
  • 「ほぼ満足、なんともいえない、やや不満:中程度」
  • 「嫌だ、とても嫌だ:重症」

前立腺肥大症の治療法

前立腺肥大症は、薬物療法が中心です。

α1ブロッカー

交感神経に作用して前立腺の緊張をとき、尿道を広げることで排尿障害を改善するものです。このα1ブロッカーは、前立腺自体を小さくするものではありません。

抗男性ホルモン剤

抗男性ホルモン剤は、前立腺そのものを小さくする薬です。

α1ブロッカー、抗男性ホルモン剤のいずれにしても、根治を目指すものではなく、、前立腺肥大症の症状緩和を目的とした治療法となります。

手術による治療

検査イメージ

前立腺肥大症の症状がひどい場合や、膀胱や腎臓などに機能低下がみられる場合には、手術による治療が行われます。

前立腺肥大症の一般的な手術方法は、尿道から内視鏡を挿入して電気メスで前立腺の肥大部分を除去する「経尿道的前立腺切除手術」です。

また、前立腺の内腺側のみをくりぬいて膀胱内で細切りにして体外に取り出す「ホルミウムレーザー前立腺核出術」や、経尿道的にレーザーを挿入して前立腺の肥大部分を蒸散する「光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)」といった新しい手術法も保険適用で受けることができるようになりました。

尿漏れや残尿感といった症状はかなり改善されると言われています。

どのような治療法を選んでいくのかは、それぞれの症状の度合いと生活環境などによって医師と話し合いながら検討していくことになります。治療が必要な場合でも基本的には薬物治療がメインとなりますし、「すぐに手術!」ということはほとんどありませんので、気になる症状がある場合は早めに病院に行きましょう!


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前立腺肥大症の予防・対策

前立腺肥大症の原因はまだわかっていない部分が多いのですが、肥満に気を付けたり、禁煙といった生活習慣の改善が前立腺肥大症の予防・対策となります。

また、前立腺肥大症では尿道を圧迫していることが多いので、膀胱や尿道を守ることが症状悪化を防ぐことにつながります。

  • 食べ過ぎない、飲みすぎない
  • 禁煙
  • 唐辛子などの刺激物は食べすぎない
  • 十分に水分をとる(アルコールは水分に含まれません!)
  • 尿意を感じたら、我慢しない
  • 体を冷やさない(温かい食べ物や飲み物をとる、入浴の習慣をつけるなど)

前立腺がんの検査

前立腺肥大症の症状で病院に行くと、念のため前立腺がんの検査が行われます。前立腺がんの検査では、前立腺から分泌されるPSA(前立腺特異抗原)を腫瘍マーカーとして利用するPSA検査が行われます。

PSA検査

通常はPSAが2ng/mL以下、50歳では4ng/mL以下が標準値で、それを超えると前立腺がんの疑いありとしてさらなる検査が行われます。

F/T比

PSAには、タンパク質と結合したものと、結合していない遊離PSAがあります。F/T比とは、PSAの総数に対する遊離PSAの割合を示すものです。F/T比が低いほど前立腺がんの可能性が高いと考えられます。

PSA速度

PSA値を計測した後、さらに時間を空けて再度計測したときの値の上昇の速さを示しています。検査値が高い(PSA値が速く上昇している)場合は、前立腺がんの疑いがあります。

[カテゴリ:下半身, 中年以降に多い, 尿, 男性に多い, 目・鼻]

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