アスコルビン酸の効果、副作用、摂取方法などをまとめました。

アスコルビン酸は、私たちが生きていく上で欠かせない栄養素です。そして、その効果は、抗酸化作用を中心として美白、ストレス緩和など様々です。また、水溶性で体外へ排出されやすいため、摂取方法に注意が必要です。

アスコルビン酸とは

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〝アスコルビン酸〟と聞いて、すぐにピンとくる方はあまりいらっしゃらないのではないかと思います。

中には、食品の成分表示で見掛けたことがあるという方もいるかも知れませんが、多くの方はそれが一体何なのかというところまでは知らないのではないでしょうか。

では、〝ビタミンC〟・・と聞いたらどうでしょう?

ビタミンCは、多くの方が知っている栄養素です。

具体的にどのような働きをしているのか、詳しくご存知の方もいらっしゃるでしょう。

ビタミンCは、私達が生きる上に欠かせないものですが、体内で合成することができないため、主に食べ物から積極的に摂取する必要があります。

そのため、普段の食生活でも意識してビタミンCを摂っている方も多いと思いますが、実はこのビタミンCの化学名はアスコルビン酸なのです。

つまり、アスコルビン酸とはビタミンCのことを指しています。

大航海時代には壊血病予防に柑橘類を摂取

大航海時代

アスコルビン酸の発見は、16~18世紀の大航海時代まで遡ります。

当時、船の乗組員達の間では、「壊血病」という病が大変に恐れられていました。

壊血病は、貧血や脱力、体力の衰弱といった症状から始まり、やがて歯肉や皮膚、粘膜からの出血が起こり、死に至る病気です。

バスコ・ダ・ガマがインド航路を発見した時には、160人の乗組員のうち100人が壊血病で命を落としたとも言われています。

その壊血病の予防に、レモンやライムといった柑橘類の摂取がよいということを証明したのが、イギリスの海軍医であったジェームズ・リンドでした。

長期間の航海中は、新鮮な果物や野菜の摂取ができなくなることに気付いたジェームズは、壊血病が起こる原因としてそれらに含まれる栄養素が足りないからではないかと考えたのです。

そこで、壊血病を患った船の乗組員に、毎日オレンジとレモンを食べ続けさせたところ、病状が回復したことから、柑橘類には壊血病を予防する働きがあることを突きとめたのです。

以後、長期航海の際には各地で柑橘類を調達し、乗組員に摂取させることが義務付けられ、壊血病の予防が行われるようになりました。

しかし、実はこの時点ではまだ、なぜこれらの果物で壊血病を予防できるのかということはわかっていませんでした。

その理由が解明したのは、200年後の1920年。

アスコルビン酸=「壊血病に対する効果」

イギリスの化学者・ドラモンドは、オレンジ果汁に壊血病を予防する成分があることを発見し、この成分をビタミンCと名付けました。

さらに1928年になると、ハンガリーの化学者アルベルト=セント・ジョルジが、牛の副腎からビタミンC(正式にはヘキロス酸と命名され、この時点ではビタミンCと同一とは見なされていなかった)を結晶として分離することに成功すると、次いで1932年にアメリカのグレン・キング博士がレモン果汁からビタミンCを結晶として分離し、それがヘキロス酸と同じものであることを突き止めました。

そして翌年の1933年には、イギリスの化学者ノーマン・ハワーズによって、ビタミンCの化学構造が明らかになり、合成によってもビタミンCを作ることを可能にしたのです。

その際、ビタミンCの化学名は、アスコルビン酸と名付けられました。

アスコルビン酸は英語で、ascorbic acidと表記しますが、これはanti(抗)、scorbutic(壊血病)、acid(酸)という言葉から成っており、「抗壊血病効果を持つ酸」という意味があります。


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アスコルビン酸の効果

アスコルビン酸の効果は、ビタミンCの効果ということになります。

ここでは、誰もがよく知っているアスコルビン酸(ビタミンC)の働きから、意外な効果までを詳しくご紹介したいと思います。

強い抗酸化作用

アスコルビン酸とは

私達は、生きるために呼吸によって酸素を体内に取り入れていますが、一部の酸素は活性化され、活性酸素に変化します。

活性酸素というと厄介者、というイメージを持っている方も多いと思いますが、活性酸素には侵入してきた細菌やウイルスを撃退する働きがあるため、私達の体にとっては必要不可欠なものと言えます。

しかし、体内で増えすぎてしまうと正常な細胞や遺伝子なども攻撃するようになり、さらに細胞の膜に含まれている不飽和脂肪酸と結合して、過酸化脂質となって細胞を酸化させ、肌のシワやたるみなどを引き起こします。

私達の体には活性酸素を取り除く酵素があるのですが、加齢と共に酵素の量は減っていってしまいます。

すると、活性酸素による酸化が体のあちこちで起こるようになります。

この酸化こそが、いわゆる老化現象と言われているものです。

そのため、年を重ねるごとに抗酸化作用のある食べ物を摂取する必要があるのですが、アスコルビン酸は数ある成分の中でも特に抗酸化作用が強いことで知られています。

抗酸化とは、体内に発生する活性酸素を抑える働きのことを言いますが、アスコルビン酸は、自らが活性酸素と結び付いて酸化することで、他の物質が酸化させられるのを防いでいます。

コラーゲンの生成を促す

コラーゲンと言うと、女性にとっては肌のハリやキメを整えるために欠かせない成分という認識がありますが、コラーゲンの働きは実はそれだけではありません。

コラーゲンは、私達の体の元となるたんぱく質のおよそ3分の1を占めており、皮膚は勿論のこと、骨や血管、内臓などにおいて、細胞と細胞を強く結びつける接着剤のような役割を果たしています。

アスコルビン酸は、コラーゲンが生成される時に補酵素として働いているため、アスコルビン酸がなければコラーゲンを作ることができません。

美肌・美白効果

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肌は、紫外線による刺激を受けると、一番奥にある基底層という部分でメラニンを作り、そのメラニンが紫外線を吸収することで、紫外線が肌の奥深くまで入り込むのを防いでします。

もし、メラニンが作られなければ、肌に炎症が起こったりDNAを破壊して皮膚ガンを発生させてしまう可能性もあるため、メラニンは私達にとってはなくてはならないものと言えます。

しかし、一方でメラニンはシミやそばかすの原因になるため、美肌を保つ上では厄介な存在とも言えます。

その時に、役立つのがアスコルビン酸です。

アスコルビン酸には、メラニンの元となるチロシンの働きを抑える効果があります。

また、すでにできてしまったシミやそばかすに対しても、抗酸化作用によって色素を薄くして目立たなくする効果もあります。

免疫力を高める

私達の体は、外部から細菌やウイルスが侵入すると、白血球がそれらを自らの内に取り込んで消化することで増殖を防いでいます。

また、白血球だけではなく、インターフェロンというたんぱく質にも同様の働きがあることがわかっていますが、アスコルビン酸には白血球を強化し、インターフェロンを増やす働きがあるため、免疫機能を高める効果があると言われています。

ストレスを緩和する

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仕事や人間関係などで強いストレスを感じた時、副腎から抗ストレスホルモンが分泌され、血圧や脈拍を上げて心身を防衛状態にすることで、ストレスに対抗しようとします。

その抗ストレスホルモンが作られる際には、アスコルビン酸が材料として使われることから、ストレスに晒されやすい環境にある方はアスコルビン酸が欠乏しやすいと言われています。

そのため、ストレスを感じることが多い場合は、アスコルビン酸を日常的に摂取することが大切です。

なお、ストレスとは緊張やプレッシャーといった心理的なものだけではなく、気温や紫外線、騒音、睡眠不足、喫煙・アルコールなどの環境的な素因も含まれます。

貧血を予防・改善する

女性に多いと言われている鉄欠乏性貧血は、その名の通り鉄分の不足が原因で起こります。

そのため、鉄分を意識した食生活を送っている方は多いと思いますが、鉄分には体内で吸収されやすいヘム鉄と吸収されにくい非ヘム鉄があり、非ヘム鉄を摂っても効率よく吸収されません。

しかし、アスコルビン酸を同時に摂取すると、非ヘム鉄でも体内での吸収率が上がることがわかっています。

貧血についてはこちらをご覧ください。

欠点・副作用・注意点

厚生労働省が定めるアスコルビン酸の摂取量の目安は、成人の男女であれば100mg/日、妊婦の場合は110mg/日、授乳中の方は145mg/日となっていますが、これは心臓血管系の疾病予防効果並びに抗酸化作用効果からの算定です。

【参考】日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要(厚生労働省)

日常的に喫煙やアルコールの摂取を行っている方や、ストレスを感じやすい人などはこれよりも多めに摂る必要があると言われています。

具体的には、健康維持のためには800mg/日以上、美容効果を期待するなら2,000mg/日以上(3,000~5,000mg/日とも言われています)摂るのがよいでしょう。

目安量よりもかなり多い量の摂取が推奨されているので、「そんなに摂取しても問題ないのか」と心配になる方もいらっしゃると思いますが、アスコルビン酸は水溶性ビタミンのため、過剰に摂取しても余った分は尿として体外に排出されるので特に問題はないと言われています。

ただし、体質などによってはアスコルビン酸の摂取で次のような副作用が出るケースが報告されています。

  • 1,000mg/日の摂取で、下痢を起こすことがある
  • 2,000mg/日の摂取で、吐き気を催すことがある

また、500mg/日のアスコルビン酸の摂取で、腎臓結石を起こしたケースもあることから、いきなり推奨量を摂るのではなく自身の体質や体調などを考慮しながら、少量ずつ増やしていくのがよいでしょう。

いくら体によいからと言ってたくさん摂り過ぎると、返って健康を損ねることもあるため注意して下さい。

摂取方法・摂取タイミングなど

摂取タイミング

アスコルビン酸は人間の体内では生成されないため、アスコルビン酸を含む食品やサプリメントにて摂取するのがよいでしょう。

そこでここでは、アスコルビン酸を多く含む食品や、摂取方法、サプリメントの選び方のポイントをご紹介したいと思います。

アスコルビン酸が多く含まれる食品

  • 赤ピーマン
  • 黄ピーマン
  • アセロラ
  • 芽キャベツ
  • レモン
  • ゆず
  • ケール
  • ゴーヤ
  • いちご
  • キウイフルーツ
  • モロヘイヤ
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • オレンジ
  • パパイヤ
  • 焼き海苔
  • 味付け海苔
  • せん茶の茶葉
  • じゃがいも
  • かぼちゃなど

アスコルビン酸の摂取方法

アスコルビン酸は、空腹時よりも満腹時の方が体内に留まりやすいと言われているので、果物から摂取する時は食後のデザートとして摂るのが最適です。

また、アスコルビン酸は水溶性ですので、水に浸けておくと成分がどんどんと水に溶け出してしまいます。

とは言え、野菜によっては茹でたり煮たりしなければ食べづらいものもありますよね?
そのような時に便利なのが電子レンジです。

電子レンジは、食品に含まれるアスコルビン酸の流出が少ないため、調理の際に活用するとよいでしょう。

スープやシチュー、カレーなど、野菜を茹でた汁ごと料理に使うことができると、例え水にアスコルビン酸が溶け出しても、摂取することができます。

なお、アスコルビン酸の多く含まれるレモンやオレンジ、パセリなどには、同時にソラレンという成分が含まれているため、摂取するタイミングに気を付ける必要があります。

ソラレンには、紫外線の吸収率を上げる働きがあり、シミを作りやすくなってしまいます。

そのため、レモンなどを食べる時は、紫外線の強い時間帯に外出する時は直前に摂取しないようにし、紫外線が気にならなくなる夕方から夜に掛けて食べるようにするのがよいでしょう。


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サプリメントの選び方

天然由来と化学合成はどちらを選ぶべき?

サプリメントには、天然由来のものと化学合成があり、一般的に天然由来のものの方が効果が高いという認識があると思います。

結論から申し上げると、アスコルビン酸の働きに限って言えば天然ものも合成も変わりがないようです。

体に長く留めておく成分や製造方法を確認しましょう。

サプリメント

アスコルビン酸は体内に溜めておくことができず、摂取してから2~3時間で排泄されると言われています。

そのため、一度に大量のアスコルビン酸を摂るよりも、朝食・昼食・夕食のタイミングで適量を摂取した方が体内への吸収効率がよくなりますが、摂取するタイミングがとりにくい場合や、一日3回だとつい飲むのを忘れてしまうということもありますよね。

そのような方は、ポリフェノールが含まれているサプリメントを選ぶと、アスコルビン酸の働きが安定し、効果が持続しやすいと言われています。

また、サプリメントの成分が体内で一気に溶け出すのではなく、少しずつ溶けるように設計された「タイムリリース型」と呼ばれる製造を施してあるものであれば、時間を置いてサプリメントを飲む必要がなくなるので便利です。

まとめ

アスコルビン酸はビタミンCのことです。

美肌やストレス緩和に効果がありますが、やはり強い抗酸化作用が何より優れています。毎日、効率よく摂取することで、10年後、20年後の自分に大きな変化が出てくるでしょう。

摂取タイミングに注意しながら、継続摂取を心がけましょう。


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