フラーレンには驚くべき抗酸化作用が!その効果や摂取方法、副作用について解説します!
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近年注目の美容成分と言われるフラーレン。高い抗酸化作用があり、その効果はビタミンCの172倍とも言われています。その抗酸化作用には持続性があることから、アンチエイジングや美白成分として、また癌の治療の研究にも使用されています。フラーレンの効果や摂取方法、副作用について詳しく説明します。
フラーレンとは
コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、エラスチンといった美容成分は、今やエイジングケアに欠かせないものとして、必ずといっていいほど化粧品に配合されています。
そのような中、次世代の美容成分として高く注目されているのがフラーレンです。
フラーレンの発見と由来
フラーレンは、1985年にイギリスの化学者ハロルド・クロトー博士ら3人によって偶然に発見されました。フラーレンの構造は、正五角形と正六角形を組み合わせた球状で、60個の炭素分子のみで構成され、化学式ではC60と表記されます。
現在、サッカーボールにも応用されているこの形は、1967年のモントリオール万博にて、アメリカ館の開発・設計を行った建築家リチャード・バックミンスター・フラーによって世に発表され、それが後のフラーレン発見のヒントとなったことから、名前にちなんでバックミンスターフラーレン(略してフラーレン)と名付けられました。
フラーレンの歴史
フラーレンは、発見された当初は宇宙空間に存在するものとされていましたが、以後の研究によって、落雷によって生じる鉱物や備長炭、ローソクなどの地球上にある物質中にも存在することがわかっています。
さらに、フラーレンを発見したクロトー博士らは、レーザーによって黒鉛の蒸発させる方法でフラーレンを合成していましたが、1990年にはアーク放電法、2000年には炭化水素による燃焼法が開発されたことにより、飛躍的に合成量を増やすことに成功しました。
なお、フラーレンを発見した功績が称えられ、1996年にはクロトー博士ら3人はノーベル化学賞を受賞しています。
多種多様な産業への応用
フラーレンの価格は、発見された当初は5,000円/gほどでしたが、技術革新により、日本の国内トップメーカーでは500円/gにて販売されていますが、今後生産量の拡大がさらに見込めれば、将来的には50円/gまで下がると言われています。
このような生産コストの大幅な削減によって、現在は美容業界を始め、医療、半導体、燃料電池などの様々な分野での研究・開発が進んでいます。
※フラーレンには、最初に発見されたC60の他に、現在はC70やC84といった高次(70個以上の炭素で構成されるもの)フラーレンも存在します。
例えば、C70は太陽電池の材料などへの活用が期待されていますが、今回ご紹介するフラーレンは美容や医療の分野にて研究が進んでいるC60を前提とさせて頂いています。
フラーレンの体内における働き・機能
驚異の抗酸化力
呼吸や喫煙、食事、紫外線、ストレスなどが原因となり体内で発生する活性酸素は、細胞を酸化させ、老化や病気の発症の大きな要因と言われています。
そのため、活性酸素をできるだけ体内から除去することは、アンチエンジングや病気の予防に繋がるとして、これまでもビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなど、様々な抗酸化作用が美容成分やサプリメントなどに配合されてきましたが、フラーレンの持つ抗酸化力はビタミンCの172倍に匹敵すると言われています。
また、ある実験によると、ビタミンCやビタミンEは、活性酸素の中でも特定の種類にしかその効果を発揮しなかったのに対し、フラーレンは代表的な活性酸素全てに高い抗酸化力を発揮し、その高い抗酸化力を示しています。
抗酸化作用が持続
フラーレンは、高い抗酸化力を持つだけではなく、その働きが他の抗酸化物質と比べて長く持続するという特徴も持っています。
これは、ビタミンCやビタミンEの抗酸化のメカニズムが、自分の身を活性酸素に酸化させることで周囲の細胞を酸化から守るのに対し、フラーレンの場合は活性酸素を自らに取り込んでしまう吸着型、ないし活性酸素を分解する分解型であるからと考えられています。
また、フラーレンとビタミンCの両方配合されていると、フラーレンによってビタミンCの酸化が守られるため、ビタミンCの抗酸化作用を安定させるという機能も持ち合わせていると言われています。
メラニン色素の生成を抑制
地表に届く紫外線の95%を占めるUVAは、20~30%ほどが肌の真皮層へと届き、肌のハリやキメを失わせると同時に、シミやソバカスの原因となるメラニン色素の生成を促します。
フラーレンには、このメラニン色素の生成を抑える働きがあります。
また、肌の表面で吸収されるUVBは、紫外線全体の5%ほどと少ない量でありながら、UVAよりも強いエネルギーを持ちますが、フラーレンにはUVBを吸収して影響を抑える働きがあると言われています。
肌バリア機能を回復
フラーレンには、皮膚のバリア機能を高めるコーニファイドエンベロープというたんぱく質の膜の形成を促す作用があることが実証されています。
活性酸素が体を酸化させ、老化や病気につながる
フラーレンは体内で合成される成分ではなく、生成されたものを摂取することで体内で活用させるものです。このフラーレンには高い抗酸化作用がありますが、それを理解するために、ここでは活性酸素の実体についてご説明したいと思います。
活性酸素とは
活性酸素とは、フリーラジカル(free radical)の代表的なものです。
フリーラジカルは、本来であれば原子の周りを回っている電子が2つのペアであるのに対して、電子を1つしか持たない構造のため、他の原子から電子を奪い取ってしまうという特徴を持っています。
ただし、活性酸素の全てがフリーラジカルというわけではなく、体内の中で私達の体に侵入した細菌やウイルスを除去する免疫細胞と同じ働きを持つ種類もあるため、必ずしも活性酸素=悪というわけではありません。
活性酸素の元凶は酸化
近年、美容や健康の分野で多く目にするようになった言葉に、酸化があります。酸化とは文字通り、物質に酸素が化合する反応のことを言い、使い古しの油が変色したり、鉄が錆びるのは酸化によるものです。
そして、これと同じことが体内でも起こるのですが、その原因が活性酸素と言われています。活性酸素の中には、電子を奪い取ることで相手を酸化させる毒性の強いものが存在します。
電子を奪われた原子は、細胞内において正常に働くことができなくなり、やがて死んでしまうのですが、これこそが老化や病気を促す大きな原因と言われています。
人の持つ抗酸化作用
活性酸素は様々な原因によって体内で発生しますが、呼吸によって取り込まれた酸素のうちの2%が、活性酸素に変化すると言われており、生きている間は必ず体内で活性酸素が発生しているということになります。
しかし、私達の体には、活性酸素を除去する働きを持つSOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)という酵素が存在します。通常は、この酵素によって活性酸素が無毒化されていますが、残念なことにSODは加齢と共にその働きが低下していきます。
つまり、年齢を重ねることによって老化現象が生じてしまうのは、体内で発生した活性酸素をSODで除去しきれないからです。
老化や病気を防ぐためには
SODは、亜鉛やセレンといったミネラルを摂取することで体内で合成されますが、それも加齢と共に合成量は減っていきます。そこで大切なのが、抗酸化作用を持つ成分を補うこと。
その中でも、特に優れた効果が期待できるフラーレンが、とても注目されているのです。
フラーレンの効果
アンチエイジング
フラーレンによる強い抗酸化作用によって、細胞の酸化を防ぎ、肌のシワやたるみを改善し、若々しい皮膚を保つアンチエイジング効果が期待できます。
また、この効果は同じ皮膚である頭皮にも作用することから、頭皮や頭髪を健やかに保つ効果もあると言われています。
美肌効果
フラーレンには、抗酸化作用による肌細胞の活性化だけではなく、ヒアルロン酸やグリセリンといった、肌内部に存在する保湿成分を回復させる働きがあると言われています。
さらに、肌のバリア機能を高めることによって、乾燥肌やニキビ、アトピー性皮膚炎などを抑制・改善する効果があると言われています。
美白効果
紫外線(UVA、UVB)の働きを抑える作用のあるフラーレンは、美白効果に優れた成分と言われています。
また、抗酸化作用により皮脂の酸化を防ぐことで、毛穴の開きや黒ずみを改善するため、肌が引き締まり、毛穴の目立ちを抑える効果があると言われています。
セルライトの抑制
フラーレンには、脂肪細胞による脂肪の取り込みを阻害する働きがあることから、セルライトの抑制に効果があると言われています。
がん治療
フラーレンは、医療用としての研究・開発も活発に行われており、改良型の一部に真核細胞を細胞死させる働きがあることがわかっています。
これにより、将来的にはがん細胞の死滅などに応用できるとして、さらなる研究が進められています。
遺伝子導入による糖尿病治療
糖尿病治療に効果のあるインスリンを作るDNAを持った遺伝子と、フラーレンを結合した遺伝子導入法の動物実験に成功したことにより、糖尿病の新たな治療として研究が進められています。
これまでのウイルスや脂質類似物質を使った遺伝子導入法では、DNAとの結合に安定性がなかったり、肝臓や腎臓に機能障害が認められていましたが、フラーレンとの結合では、大量に合成することが可能であり、機能障害もないことから安全性にも優れていると言われています。
摂取方法
水溶性フラーレンと油溶性フラーレン
フラーレンは、化粧品に配合して販売される際に、他の成分と混ざりやすくするために加工がされています。フラーレンには主に、水に溶けやすい水溶性フラーレンと、油に溶けやすい油溶性フラーレンとがあります。
水溶性フラーレン
水溶性フラーレンは、粉末状のフラーレンを水に溶けやすくするため、高分子ポリマーを使用しています。
水に溶けやすいという特徴を生かし、水分量の多い化粧水や美容液に配合されており、高濃度で配合することが可能です。
なお、化粧品に配合される水溶性フラーレンは、三菱商事の子会社であるビタミンC60バイオリサーチ社が特許を取得しているもので、商標名をラジカルスポンジといい、2005年より販売が開始されています。
ラジカルスポンジという名は、フリーラジカルをスポンジのように吸着する作用から名付けられました。
油溶性フラーレン
油溶性フラーレンは、植物性スクワランをフラーレンに溶解したもので、クリームや乳液などに配合されています。
先出のビタミンC60バイオリサーチ社においては、リポフラーレンと命名し(リポには脂肪という意味があります)こちらは2009年に販売開始・商標登録されています。
リポフラーレンは、肌への浸透性が高く、原料がフラーレンとスクワランのみのため、ナチュラル志向の方にも受け入れられやすいと言われていますが、水に溶けにくいため化粧品へ高濃度で配合するのが難しいと言われています。
どちらを選ぶのがよいの?
私達の肌は水分と油分を含んでおり、毎日のスキンケアにはその両方を補うのがよいと言われていることから、フラーレンを使用する時には水溶性フラーレンと油溶性フラーレンのどちらも配合されたものを選ぶのがよいと言われています。
また、ビタミンC60バイオリサーチ社が独自で設けている規定量(1%以上)を配合した製品には、「R.S」や「L.F」といったロゴマークの付与が許可されています。化粧品を選ぶ時には、このようなロゴが入ったものを選ぶのとよいでしょう。
副作用、注意点など
フラーレンは、炭素分子のみで構成されています。炭素と聞くと、ダイヤモンドや鉛筆の芯に利用されるグラファイト(黒鉛)を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は人間の体は水分を抜いた2/3が炭素となっており、体重70kgの人であれば16kg程度の炭素を持っていることになります。
つまり、炭素は私達にとって遠い存在どころか、とても身近なものであると言えます。
実際、フラーレンが配合された化粧品を使用してトラブルが起こったという報告は、今のところ販売するビタミンC60バイオリサーチ社には入っていないようです。
また、同社では第三者機関による安全性試験を始め、光毒性試験や変異原性試験などによって、フラーレンに毒性や変異性がないことを確認しており、現時点では副作用は認められていません。
まとめ
ビタミンCをはるかに凌ぐ抗酸化力をもつフラーレン。美容効果だけでなく、癌の治療、その他多くの分野に応用ができ、その注目度はさらに上がっていくことが予想されます。
これだけの効果を言われながら、副作用もなく、安心してフラーレン配合の化粧品を利用できるのは嬉しいところです。水溶性、油溶性のフラーレンを上手に利用して、継続的に摂取していくことを心がけましょう。