更年期障害に漢方は効果がある?その関係について説明します。
PR
更年期障害に漢方を使っている人が多くいます。私自身もそうですが、周りでも使っている人が結構います。手軽に手に入る漢方ですが、更年期に本当に効果があるものなんでしょうか。その辺について、少しまとめてみたいと思います。
更年期障害とは
更年期障害とは、更年期に現れる様々な症状のことで更年期症候群ともいいます。
更年期とは、閉経前後の5年から10年程度のことをいい、その時期に体やホルモンの変化から自律神経失調症などを中心として、はっきりとした原因がわからないのに、様々な症状が出たりします。
代表的な更年期の症状とは
精神的な症状として、憂うつやイライラ、無気力といったことがあったり、気温が涼しいにもかかわらず汗が出たり、火照り、ホットフラッシュ、のぼせなどが起きたりします。
他にも頭痛、めまい、肩こり、肌の乾燥、肌荒れ、泌尿的な症状ですと、残尿感、尿失禁なども起きてきます。
更年期の度合いをチェック
自分の更年期の症状がどのくらいかを判断する指標があります。
クッパーマン閉経期指数というものを日本人に則したものとした簡略更年期指数というものがあります。
以下に引用します。各点数の合計を出してください。
強 | 中 | 弱 | 無 | |
---|---|---|---|---|
顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 |
汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 |
腰や手足が冷えやすい | 14 | 9 | 4 | 0 |
息切れ、動悸がする | 12 | 8 | 5 | 0 |
寝つきが悪い、または眠りが浅い | 14 | 9 | 4 | 0 |
怒りやすく、すぐイライラする | 12 | 8 | 5 | 0 |
くよくよしたり、憂うつになることがよくある | 7 | 5 | 3 | 0 |
頭痛、めまい、吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 |
疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 |
肩こり、腰痛、手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
点数の合計を求めたら、以下の内容と照らしてみてください。
簡略更年期指数の結果
- 25点以下・・・現在のところ異常なし。
- 26〜49点・・・食生活、運動などに留意しながら生活することが必要。
- 50〜59点・・・更年期の病院外来が必要。
- 60点以上・・・病院できちんとした治療が必要。
これで大まかな更年期障害の度合いがわかったと思います。
更年期の治療法
病院で更年期障害を治療する場合の代表的な方法としては、以下のものがあります。
代表的な治療法
- ホルモン補充療法
- 精神安定薬
- 漢方療法
治療開始時には、血液検査、肝臓・腎臓機能の検査、マンモグラフィーによる検査など、様々な検査を行い、治療方針などを決定していきます。
ホルモン補充療法では女性ホルモンのエストロゲンを補充することなどが行われます。精神安定薬では、抗不安薬や抗うつ薬などが処方されます。
そして、漢方薬も重要な治療法となります。漢方については以下に記載します。
更年期に対する漢方の考え方
漢方には「気」「血」「水」という概念があり、病気を判断するポイントとされます。
漢方の病気判断の概念
- 気・・・生命のエネルギーであり、精神神経系に近い働きのことをいいます。
- 血・・・血液のことをいいます。
- 水・・・体液、分泌液などを指します。
この気、血、水のどこに異常があるのかを探ることで、その原因にあった漢方薬が使われることになります。
例えば「気」の場合、「気虚」といって気がない状態(元気がない、意欲がない、冷え性など)であれば、補中益気湯や四君子湯を使用するといった具合です。
主な症状や対応する漢方は以下のようになります。(代表的なもの一部)
更年期障害に漢方が効果的な理由
病院で更年期の治療を行う場合は、ホルモン補充療法が有効とされていますが、更年期に伴う多くの症状はホルモンによるものばかりではないため、気・血・水といった状態に応じて使用できる漢方が効果的だと言われます。
例えば、のぼせやイライラなどは精神神経的なものですが、漢方の「気」に当てはまり、「気逆」の状態とされます。のぼせに加えて月経異常などがあれば「瘀血」の状態と考えられ、むくみなどがあれば「水滞」と言えます。
こういった状態の違いに応じて、漢方が使用されることになります。
主な状態 | 症状 | 漢方薬 | |
---|---|---|---|
気 | 気虚 | 元気や気力がないなど。 |
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、 人参湯(にんじんとう)など |
気滞(または気鬱) | ストレス、倦怠感、不眠など。 |
香蘇散(こうそさん)、 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)など |
|
気逆 | のぼせ、発汗、動悸など。 |
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、 苓桂甘棗湯 (りょうけいかんそうとう) など |
|
血 | 血虚 | 貧血、髪が抜けるなど |
四物湯(しもつとう)、 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)など |
瘀血 | 月経異常など | 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など | |
水 | 水滞 | めまい、立ちくらみなど | 五苓散(ごれいさん)など |
漢方薬の飲み方
漢方薬は病院でも処方されますが、薬局でも市販薬として販売されています。
西洋医学の薬と異なり、服用にあたっての注意点は少ないとされますが、即効性のある漢方薬もあるため、飲み方は医師や薬剤師の指示や、市販薬を購入した場合は添付資料の内容を守ることが大切です。
更年期をのり切るには
更年期は40代後半から50代という時期ですので、若い頃とは体が違うという点を踏まえる必要があります。
症状がひどい中で、無理に仕事を詰めて頑張りすぎたり、休息や睡眠の時間を削るというのは厳しいと思います。
仕事でキャリアを積んできた女性にはツライ部分もあるかもしれませんが、適度に休息を取ることも重要です。
その上で、うまく漢方やサプリメントを使用することが良いと考えられます。
私が使用している桂枝茯苓丸
漢方もいろいろとあるので、自分にあっているものを見極めるのは難しいと思います。
私が使用しているのは桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)というものです。
桂枝茯苓丸は婦人系の病気に対して、かなり広く使われています。更年期障害だけでなく月経困難症などにも使われます。
前段の表では、瘀血に効果があるものとして記載しました。もう少し詳しくいうと以下の状態に作用があるとされます。
- のぼせや火照り
- 頭が重い、めまい
- 月経異常・生理痛
- シミ
私の場合、飲んですぐに効果が出たとまでいいませんが、のぼせや生理痛の悩みも気にならなくなり、気持ちよく過ごせるようになりました。
漢方は更年期には必須だと感じました。気になる方はこちらをご覧ください。
まとめ
更年期障害で悩んでいる人は多いと思います。症状が軽い人はサプリメントなどで対応されていると思いますが、病院を受診するまでではないけど、薬はあまり飲みたくない。
そんな人には漢方がいいと思います。
医薬品ですので効能・効果が認められていますし、手頃な価格の商品も出ています。一度試してみるといいと思います。
タグ:漢方