ストレートネックは現代病のひとつであり、長時間パソコンで仕事をしてることなどで症状が出てきます。ストレートネックで悩んでいる人は多くいますが、回復した人も多くいます。ここでは、悩んでいる人や回復した人の体験談を中心に、ストレートネックの治療法やケアなどをお知らせします。

更新日:2017年11月02日

この記事について

監修:大河内昌弘医師(おおこうち内科クリニック院長)

執筆:当サイト編集部

ストレートネックとは

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慢性的な肩こりや頭痛に悩んで病院を受診すると、レントゲン検査によってストレートネックが判明する場合があります。

しかし、「あなたはストレートネックです」と言われても、多くの方はそれが一体どういうことなのか、いまいちピンとこないのではないでしょうか。


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首がまっすぐなのは間違い

ストレートネックを直訳すると、まっすぐな首という意味になります。

聞いた限りでは特に何も不都合はないような気がしますが、実は頚椎(首の骨)は本来、生理的前彎と言って前方に向かって弓なりに曲がっているのが正常です。

人の頭の重さは体重のおよそ10%に達すると言われており、頚椎や背骨がまっすぐだと、頭の重みによってバランスが崩れてしまい、上手く二足歩行することができません。

そのため、生まれたばかりの赤ちゃんの時にはまっすぐな頚椎が、成長とともに緩やかなS字を描くようになり、これによって立ち上がって歩くことができるようになると言われています。

レントゲンで診断

By Anatomography (en:Anatomography (setting page of this image)) [CC BY-SA 2.1 jp], via Wikimedia Commons(当サイトで文字を追加)

By Anatomography (en:Anatomography (setting page of this image)) [CC BY-SA 2.1 jp], via Wikimedia Commons(当サイトで文字を追加)

レントゲンで頚椎を撮影した際、通常であればC1頚椎からC7頚椎までの前彎角度は30~40度と言われています。

しかし、ストレートネックの方の場合は、この角度が30度以下になり、首の骨の配列がまっすぐに近い状態で映ります。

進行すると後方ネックに

後方ネックとは、本来は前に向かって曲がっているはずの首の骨が、後ろに向かって曲がってしまうことをいいます。

ストレートネックが進行すると後方ネックになり、変形性頸椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどを発症することがあります。

病気ではない

ストレートネックは、あくまでも頚椎の状態を指す言葉であり、それ自体が何かの病気を示しているわけではありません。

実際に、レントゲンによってストレートネックであることが判明しても、症状が何も出ていない方も多くいらっしゃいます。

ストレートネックの体験談(悩んでいる人・改善した人)

ここで、ストレートネックに悩んでいる人や、改善したという人の体験談をご紹介します。

悩んでいる人の声

  • 大学受験のために毎日机に向かって勉強をしていたところ、首が痛くなったり疲れやすくなるなどの症状が現れるようになりました。元々猫背ということもあり、首を前に突き出すような格好をよくしていたという自覚はあるのですが、病院へ行ったところストレートネックと診断されました。筋肉の緊張を解す薬を処方されましたが、最近は症状が悪化しているように感じ、ひどい時は頭全体が圧迫されるような強い頭痛を感じることもあり、講義の内容に全く集中することができずに困っています。
  • ストレートネックに悩まされています。痛みがひどい時には病院でブロック注射を打ってもらっていますが、痛みが取れるのはその時だけでまたすぐに痛みが出てきてしまい、憂鬱な気持ちになってしまいます。
  • 首の後ろ部分の強烈な張りと、頭痛、頭がボーッとするなどの症状があり、整形外科を受診したところ、ストレートネックと診断されました。温熱療法や牽引などの治療を受けましたが、症状は殆ど改善されず・・。仕事がSEのため、このままでは仕事に支障が出るのではと心配です。
  • ストレートネックにより、首・肩・腰に強い痛みが生じ、睡眠導入剤を使用しないと眠ることができません。それでも朝方に痛みで目が覚めてしまい、症状がよくなる様子もなくて辛い毎日を過ごしています。
  • 以前からストレートネックで悩んでいましたが、最近は頭痛、めまい、食欲不振、耳鳴りなど症状がひどくなっています。大きい病院を3件回りましたが改善されず、辛い思いをしています。
  • ストレートネックの症状が進行し、めまいや吐き気、手の痺れなどから会社を休みがちになって、最終的には退職してしまいました。ストレートネックは日常生活や姿勢の改善や、首の筋肉を強くすることがよいと言われているため、現在は体操などを中心に行っています。
  • ストレートネックと診断されています。首や肩のコリも気になりますが、それよりも私の場合は毎日のようにふわふわとしためまいに悩まされています。ストレートネックでもめまいの症状があるのか、それとも別に原因があるのか不安です。ちなみに脳のMRIを行いましたが異常は見つかりませんでした。
  • 首の痛みや激しい肩こりに悩まれ病院を受診したところ、ストレートネックと言われました。リハビリを行っていますが改善せず、吐き気やめまい、頭痛から自律神経失調症とも診断されてしまいました。
  • 首の骨が普通の人とは逆の方向に曲がっていると言われ、そのためにひどい肩こりや頭痛、ボーッとするなどの症状があります。病院にて電気治療や牽引などを行っていますが、一向によくなる気配がありません。
  • 吐き気とめまいで病院を受診し、整形外科にてストレートネックと診断されました。一日中立ちっぱなしで、常に頭を下に向けた状態で作業をしているためか、最近は休みの日になっても体調が優れず食欲もありません。
  • 以前よりめまいや頭痛、肩こり、吐き気などの症状が慢性的にあり、病院へ行ったところストレートネックと診断されました。私が受診したのは脳神経外科だったのですが、そこではストレートネックに対する治療はないと言われ、めまいや肩こりの症状を緩和する薬を貰って終わりました。自分でPCで調べたところ、整体や接骨院で症状が改善したという話を目にしたものの、一方で間違った施術をされる可能性もあることを知り、首というデリケートな部分なためどのような治療を選択すればいいのか、とても困っています。

改善した人の声

  • ストレートネックと診断され病院での投薬治療や整体院に通ったりもしましたが、思うような効果が出ず困っていたところ、ストレートネックになる人は猫背が多いということを聞きました。私自身も猫背のため、これを改善したら症状がよくなるのでは?と思い、ジムに通って肩や胸など上半身を重点的に鍛えたところ、めまいなどの症状が現れなくなりました。
  • 私の場合は、様々な治療をしてもストレートネック改善には効果がなく、これがダメだったら・・という一縷の望みを掛けて取り入れたのが枕でした。それまでは首をまっすぐにしないと眠れなかったため、枕をすること自体恐怖だったのですが、首にカーブをつけるストレートネック改善用の枕を利用したところ、最初の一週間は痛みが出ていたものの、一ヶ月経つ頃には安眠できるようになりました。この枕を使い始めてからは首が回せるようになり、自分にはとても合った改善法だったと思います。
  • ストレートネックのため、頭痛や肩こり、首の痛みなどがありましたが、ついに手が肘まで痺れるようになってしまい、どうにかして改善しなければと思い、私は鍼治療を選択しました。
    合う・合わないに個人差があると思いますが、私の場合はこの選択が正しかったようでみるみるうちに症状が改善されました。
  • ストレートネックだとわかってから、首に負荷を掛ける体操や水泳を行っています。首の筋肉が強くなると負担が少なくなり、症状がやわらぐと病院で言われました。また、頭痛がする時は我慢をせず鎮痛剤を服用して痛みを抑えています。
  • 頭痛や首のコリ、痛みがあり病院を受診するとストレートネックだと言われました。整骨院や整体などに通っていましたが、効果が感じられずお金もかかるため、別の方法を探していたところ、ストレッチポールがよいと聞き、早速購入して試してみました。上に乗って寝転んでいるだけでよいので簡単ですし、最初はやや痛みなどを感じますが、毎日行っていると首や肩、背中の筋肉のコリや痛みが解れていくのがわかります。これにより症状が改善しました。
  • 首の筋肉疲労や、元々筋力も弱いことからストレートネックを発症してしまいました。整形外科の医師からストレートネックの改善のために行うとよいことを聞いたり、関連本などを読むなどして、姿勢に気を付ける・腕立て伏せを行う・縄跳びをする・床の上に枕なしで5~10分仰向けで寝る、という方法を続けたところ、今では首や肩のコリに悩まされることはなくなりました。
  • ストレートネックによる頭痛、吐き気、ゲップ、眼精疲労、首や肩の不快感があり、痛みが強い時はブロック注射打ってその場を凌いでいる状態でしたが、週1~2回岩盤浴を行うようになったら、血行がよくなったからか痛みがなく注射をしなくても日常生活を送れるようになりました。
  • 病院でストレートネックと診断されましたが、自分で調べてみるとあごを前に突き出していることからクレーンネックの方ではないか?と行き着きました。どちらも猫背が原因で起こるため、猫背を直すと共に胸椎が前部分に傾いてしまうのも意識をして直したところ症状が治まりました。
  • 私は逆にS字カーブをしているストレートネックで、これまで脳外科、整形外科、整骨院、鍼、指圧、カイロプラクティックなどを回り、最終的には相性のよい整体の先生に出会うことができ、日常生活は支障なく過ごせています。なお、全身の筋肉は繋がっていることから、整体では首や肩の筋肉だけを解せばよいというわけではなく、首や肩以外の筋肉もきちんと診てくれる先生を探すことが大切です。また、筋肉のコリを解す以外にも、筋力をアップすることもとても大切で、この2つを行うことにより首や肩周辺の疲労が改善され、吐き気やめまいといった症状がなくなりました。


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病院での治療法

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基本的には急性期には薬や湿布によって痛みをとり、温熱療法やマッサージによって頸部から肩にかけてのコリをほぐします。

その後、胸郭と肩甲骨のストレッチ、股関節やひざ・足などへのアプローチ、さらには、インナーユニット(腹腔を囲む筋肉群)・腸腰筋の強化訓練のほか、オリジナルのスリング(吊るして行うストレッチ)と呼ばれる筋肉へのアプローチ治療を行うことが一般的です。

温熱療法

血行を促進して首や肩の筋肉のコリをほぐします。

薬物療法

痛みが強い場合は、鎮痛剤などの薬物を使用することがありますが、あくまでも対症療法で、ストレートネックの根本的な治療とは異なります。

手術

ストレートネックそのものでは手術を行うことはありませんが、変形性頸椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどを併発し、日常生活において著しく支障が生じている場合は手術を行うことがあります。

自分でできるケア方法

正しい姿勢で生活する

正しい姿勢

スマホやパソコンを使用する時などは、猫背にならないように注意しましょう。

また、日頃から背筋を伸ばした姿勢を意識することが大切です。

ストレッチ

デスクワークや下を向いて行う作業をする時は、一時間に一回の割合でストレッチを取り入れ、首や肩周辺の筋肉疲労を解消するようにしましょう。

体操をする

ストレッチと同様に、首や肩周辺の筋肉のコリなどをほぐすことで、ストレートネックによる症状の緩和・改善に効果があります。

枕を使う

仰向けの姿勢で、布団に対して頭が15度傾いた状態で寝るとよいと言われています。

タオルを使う

タオル

タオルを首の後ろに掛け、両手でタオルを前方に引っ張りながら、同時に顎を引いて後頭部を後ろに押すようにすると、ストレートネックの改善に繋がります。

また、折ってくるくると丸めたものを、首の下に入れて寝、首を前後左右に揺らすのも効果的です。

ストレッチや体操はこちらで詳しく説明しています。
ストレートネックとは?自宅でできるストレッチ、病院や整体での治し方など

原因や症状

パソコン姿勢

主な原因はスマホやパソコンの長時間使用

スマホやパソコンを見る時、無意識に前屈みになって顔を画面に近付けてしまいがちです。

このような姿勢は頚椎に負担を掛けやすく、ストレートネックを発症する大きな原因である可能性が指摘されています。

最近は特にスマホユーザーの増加に伴い、ストレートネックと診断される方が増えていることから、“スマホネック”と呼ばれることもあります。

猫背

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背中を丸め、胸を縮めた状態の猫背は、首が前に出る前傾姿勢のためストレートネックの発症に繋がる可能性があります。

姿勢がよすぎる

猫背とは反対に、背筋がピンと張りすぎた姿勢を長くとり続けると、ストレートネックになることがあります。

ただし、バレエダンサーなどはとてもまっすぐな背骨や頚椎をしていますが、ストレートネックだからといって必ずしも様々な症状があらわれるわけではなく、体全体のバランスや筋肉などの状態によって、症状の出ない方も多くいらっしゃいます。

浮き指や外反母趾

浮き指といって、足のかかと部分に体重がかかり、立っているときに指が地面から離れている人がいます。この場合、バランスをとろうと首が前に出やすくなり、ストレートネックの原因となります。外反母趾についても同様に首が前に出やすくなります。

先天的なもの

生まれつき首のカーブが少ない人もいて、ストレートネックになりやすいと原因の一つです。

症状

代表的な症状としては、次のものがあります。ストレートネック特有の症状というものがないため、レントゲン検査を受けてはじめて診断されることも多々あります。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 首こり
  • めまい
  • 吐き気、食欲不振
  • 眼精疲労
  • 寝違えやすい
  • 上を向くのが辛い
  • 首が回りづらい、または回せない
  • 手や指の痺れ、脱力感など

まとめ

ストレートネックは気付きにくく、診断されたときには、ツライ症状が出ていることが多くなります。

体験談からは様々な方法で改善されていることがわかりますが、まずは整形外科へいって診断してもらうことが大切です。

自分の判断で勝手な療法を行うことは、悪化することにもなりかねませんので、医師の診察を受けて、相談してみるのがいいでしょう。

ストレートネックに関するQ&Aが多く寄せられていますので、こちらも参考にしてください。

[カテゴリ:上半身, 整形]

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