更新日:2017年07月04日
男性更年期障害の原因
女性の更年期障害は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少に身体がついていけないことが原因となります。
男性の更年期障害も女性と同様に、男性ホルモンであるテストステロンの減少によって引き起こされます。
しかし、男性の場合は女性よりもホルモンの減少度合いや元々のホルモン量に個人差があり、症状や進行が穏やかなうえ、女性の閉経のような明確な区切りがないため、なかなかわかりにくいのです。
1 テストステロンの役割
男性ホルモンであるテストステロンは、男性の性ホルモンとしての作用を有するほか、筋肉の増大や骨格の発達を促進するといった機能を有しています。
また、テストステロンは性ホルモンですので、やる気や気力といった精神面にも影響を与えています。
「薄毛・抜け毛」に悩んでいる方も多いのでないでしょうか。テストステロンの減少は「薄毛・抜け毛」にも影響します。女性も男性と比べてわずかながら(5%から10%程度)テストステロンを分泌しています。
2 いつから減り始める?
テストステロンは、一般的には30歳ごろから減少しはじめ、年に1%から2%程度ずつ減少していきます。
つまり、男性でも中年以降に更年期障害がはじまる可能性はあるということです。ただし、テストステロンの量や減少しはじめる時期、減少度合いは人によって大きく異なります。
80代でもテストステロンの量が20代並みという人もいるそうです。すごいですね。
このページの後半にテストステロンの維持の仕方について記載しています。試してみてください。
男性更年期障害の症状
男性更年期障害の症状としては、次のようなものがあります。なお、どの項目も明確な数値基準があるわけではありません。あくまで「元気だったころの以前の自分」と比べて判定してください。
- 朝勃ちがなくなってきた。
- 筋肉が弱くなってきた。
- 夜中に目が覚めてしまい、眠りが浅い。
- やる気が低下してきた。気分が落ち込む日が増えた。
- すでに燃え尽きたという感じがする。
1から3については、加齢で起こりうることとして見過ごされがちです。
4,5については、うつ病との鑑別が難しいと言われています。
うつ病になる明らかな原因に心当たりが見つからない場合や、環境などが変わらないのに急に気分が落ち込むようになった場合などには、精神科に行く前に男性更年期障害ではないか調べてもらいましょう。(最近では男性更年期障害も認知されてきたので、精神科でもホルモン値を調べることがあります。)
男性更年期障害は何科を受診すればいい?
女性の場合は、更年期障害の症状を疑ったらまず行くのは婦人科です。男性ではどこに行っていいのか、なかなか迷いますよね。
基本的には泌尿器科領域の疾患ですので、泌尿器科を受診されるとよいでしょう。
最近は、少しずつですが男性更年期障害について知られてきたため、男性外来が設置されている病院もあります。男性外来がある病院であれば、受診してみましょう。
注意点は、精神的な気持ちの落ち込みなどを感じている場合です。男性更年期障害の症状は、ホルモン検査を受けないとうつ病と診断されるケースが多いのが現状です。
男性更年期障害の症状が出てくるは、職場でも家庭でも重責を担っている働き世代が多く、気力の衰えなどを感じるとまずはストレスなどによるうつ病を疑います。
しかし、精神科を受診して抗うつ剤を処方されたとしても、男性更年期障害が原因の倦怠感や気持ちの沈み込みには効果が悪いことがあります。
男性更年期障害の原因である血清テストステロンの濃度は医療機関で調べることができます。
泌尿器科は男性ホルモンについての専門科ですので、「以前と比べて体や精神的に不調を感じる」という場合はまず泌尿器科で男性ホルモンの数値を調べてもらうのもよいでしょう。
男性更年期障害の改善方法
男性更年期障害の症状を改善するためには、テストステロンを補うことが必要です。
女性の更年期障害では、女性ホルモンであるエストロゲンが減少しますので、エストロゲンの代わりの作用をする大豆イソフラボンなどを摂取したり、ホルモンを補ったりすることで症状を緩和します。
男子更年期障害の原因となるテストステロンを増やすために、下記の対策をぜひ実行してみましょう。
1 良質の睡眠
良質な睡眠によってテストステロンが増加する可能性があります。
睡眠時間を十分に確保するほか、就寝前の1時間はパソコンやスマホの操作をやめることなどによって良質な睡眠を心がけましょう。枕やマットレスにこだわってみるのもいいですよ。
2 有酸素運動や筋トレなど
マラソンや筋トレなどを「少しつらいかな」という程度まで行います。
3 楽しみを持って生きる
何より人生を楽しむことがテストステロン濃度を維持する上で大切です。
仕事でも趣味でも女性関係でも、全力で夢中になって取り組めるものをはじめましょう。デートの回数が多い男性ほど、テストステロンが多いとも言われています。
ホルモン補充について
男性更年期障害の治療法として、テストステロンを投与するホルモン補充療法があります。
まずは医師に相談し、自分に合った治療法を始めることが大切です。
わかってほしい女性の更年期障害
更年期障害を感じている年代の男性は、妻が更年期障害に悩んでいる年代であることが多いのではないでしょうか。
女性の更年期障害は、年齢的には45歳から55歳くらいの閉経前から女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、冷えや不眠、関節痛や耐えがたいだるさ、めまい、耳鳴り、記憶力の低下といった症状があります。
女性の場合、10人に2人は何の症状もでないのですが、2人はのぼせやほてりがあり、2人は治療が必要なほどではないが日常生活に支障を感じる程度の症状を感じ、あとの4人は病院へ行かなければならないほどの症状がでると言われています。
「元気だった妻がだるそうにしている」「イライラして小言が多くなった」「家事の手をぬいている気がする」といったことがあっても、ひょっとしたら更年期障害の症状に悩んでいるのかもしれません。
熟年離婚の原因に女性の更年期障害が関係しているケースもあるようです。疲れやすい年代なのだということを理解し、症状がひどいようであれば病院をすすめるなど、協力して更年期障害を乗り越えてください。
更年期障害の症状や原因、治療・対策について説明します。