女性の3人に1人は尿漏れや頻尿経験者と言われています。私も40代前半ですが、尿漏れ・頻尿経験者です。くしゃみや急に立ち上がるときなどに少しだけ尿漏れしたり、尿意を感じるまでの時間が短くなった気がします。女性の尿漏れや泌尿について体操(骨盤底筋トレーニング)や原因、効果的なサプリメントなどについてまとめました。

更新日:2017年07月22日

この記事について

監修:山浦真理子医師(上用賀世田谷通りクリニック)

執筆:当サイト編集部

女性の尿漏れ・頻尿の原因

女性・尿漏れの悩み

女性は、出産のダメージによって尿漏れや頻尿になることがあります。子宮・膀胱・直腸といった臓器を支えている骨盤底筋にダメージを与えるため、妊娠中や出産直後では、尿漏れに悩む女性が多いのですが、たいていは1年ほどで回復します。

しかし、40代から50代になって筋肉が弱ってくると、尿漏れの症状が再発したり、頻尿の症状がでたりすることがあります。

また、出産が女性の尿漏れの原因と言いましたが、出産を経験していなくても安心はできません。

女性の3人に1人は尿漏れ・頻尿経験者であるとのデータがあるのです。

骨盤底筋は、日常生活の動作ではトレーニングができませんので、日頃から意識して動かさないとどんどん弱ってしまう筋肉です。

女性は40代を過ぎると急激に筋力が弱まりますので、出産経験に関わらず尿漏れや頻尿には要注意です。逆にいえば、骨盤底筋を動かすことが尿漏れや頻尿の改善や予防につながると言えます。


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排尿障害の種類・治療法

女性の尿漏れ・頻尿の原因となる排尿障害は大きく分けて次の3つに分けられます。

1 腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみ、急に立ち上がるといった動作でお腹に力が入ると尿が漏れてしまう症状です。

40代以上の女性の3人に1人の患者さんがいると言われています。腹圧性尿失禁を予防するには、産後のケアをしっかりとしておくこと、日頃から骨盤底筋を動かしてトレーニングすることが重要です。

太極拳やヨガ、ピラティスなども腹圧性尿失禁による尿漏れに効果があると言われています。

腹圧性尿失禁による尿漏れは、トレーニングで改善することも多いのですが、程度がひどい場合や早く治したい場合には、手術することになります。

どの手術法が最適かは症例に応じて異なりますし、日進月歩の分野ですので、トレーニングで改善しないような場合には女性泌尿器科を受診しましょう。

2 過活動膀胱

過活動膀胱は、尿意をがまんできない状態が週に1回以上起こり、尿漏れや頻尿になります。40代以上の8人に1人が過活動膀胱の患者であると言われています。

尿意に関するトレーニングはこのように膀胱などに病気を抱えている人には不向きなものがありあすので、必ず医師に相談してから行ってください。

カフェインやかんきつ類は利尿作用や膀胱を刺激する作用がありますので、水分はそれら以外のノンカフェイン飲料などで取りましょう。冬は1日1リットル、夏は2リットル程度が適量です。

また、過活動膀胱による尿漏れや頻尿では、治療薬もありますので、病院で診察してもらうと安心です。

3 骨盤臓器脱

骨盤臓器脱は、膣から子宮・膀胱・直腸が出てきてしまう病気です。

中高年の女性に多いと言われ、頻尿や排尿障害が生じて、ひどい場合には腎臓が悪くなることもあります。

トイレなどでいきむと骨盤臓器脱が悪化するので、便秘をしないように食物繊維の多い食べ物や乳酸菌を積極的に取りましょう。

産後尿漏れ

産後の親子

産後の尿漏れの多くは腹圧性尿失禁です。子どもと一緒に縄跳びやトランポリンといったジャンプをしたときに尿が漏れてしまうことが多いのではないでしょうか。

通常は数か月~1年で治りますが、産後にしっかりと骨盤底筋のトレーニングを行って予防することが重要です。

また、縄跳びやトランポリンで産後尿漏れが起こるのは、それらの動作によって腹圧がかかり、膀胱にも圧がかかることで、支えきれずに漏れてしまうためです。

尿漏れ防止体操のやり方(骨盤底筋のトレーニング法)

尿漏れや頻尿に効果があると言われる骨盤底筋のトレーニングをご紹介します。方法は以下のとおりで、とても簡単です。(ただし、症状や病状などによってはトレーニングが向かない人もいますので、まずは医師の診察を受けるようにしてください。)

トレーニングの方法

  1. 「何かにつかまって立つ」「仰向けに寝る」「椅子に座る」のいずれかの状態で体の力を抜いてリラックスします。
  2. 肛門をきゅっと締めます。
  3. 尿道と膣を締めます。難しい場合、下腹をへこませてお尻の両骨をさらに真ん中に寄せるようにしぼめます。
  4. さらに、お尻全体をきゅっと上に持ち上げます。

これを朝・昼・晩10回ずつ行うだけで、尿漏れや頻尿が手術不要なくらいに改善します。また、尿漏れや頻尿の予防にもなりますので、今は症状がでていなくても試してみてください。

そうはいっても、最初は感覚がつかみにくくて難しいですよね。婦人科や女性クリニックでは、専門のトレーナーが実際に指を入れて骨盤底筋を触りながら正しい収縮法を教えてくれることもあります。

月1回、30分のトレーニングを3〜4回程度行うと自分でもうまくできるようになります。最初に正しく習っておくと安心で効果も得られそうですよね。

骨盤底筋のトレーニングを紹介した動画がありますので掲載しておきます。参考にしてください。

尿漏れや頻尿とサプリメント

ノコギリヤシ、カボチャの種子、クランベリーなどが配合されたものが多いです。

ノコギリヤシ、カボチャの種、クランベリーともに利尿作用が高く尿切れがすっきりとします。「頻尿で利尿作用?」と思いますが、残尿感が緩和されるため、尿意を感じにくくなることが期待されます。

ただし、これらのサプリメントで「症状が治ってしまう」わけではありません。サプリメントを過信せず、医療機関を受診することや、尿漏れ防止体操で骨盤底筋のトレーニングも実践しましょう。


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尿漏れ対策グッズ

骨盤底筋をトレーニングすることも大切ですが、外出するときや旅行時などには念のため尿漏れしても大丈夫なように準備しておきたいですよね。

実は、「尿漏れしても大丈夫」という安心感があると旅行も楽しめますし、楽しい時間の中では尿漏れや頻尿が気にならないこともあります。

布ナプキン

尿漏れの程度が数滴程度の場合は、おりものシートなどでも大丈夫だと思います。

量が増えてくると市販の生理用のナプキンを使いたくなりますが、蒸れやすいので日常使いには向いていません。雑菌が増えて膀胱炎などの原因となることもありますので注意しましょう。

最近、生理時にも市販のナプキンではなくて布ナプキンを使う人が増えてきました。布ナプキンは、通気性がいいので蒸れにくく、尿漏れや頻尿対策グッズとしても人気があります。

量に合わせて布の枚数を変えられるものもあるので、外出時間などに合わせて調整すれば装着時のごわつきもあまり感じません。布ナプキンを使い続けると生理の経血量が落ち着いてくるという話もありますので、試してみてください。

尿漏れパット

「尿漏れパット」と聞くと「おむつみたいに大きいのでは?」と思うかもしれませんが、生理用ナプキンよりも薄くて使いやすいですよ。

「パンティーライナー」と記載されていることもあります。尿漏れ量によって、厚さを選べるのも安心です。「女性の3人に1人が尿漏れ経験あり」ということですから、恥ずかしいと思う必要はありません。

尿漏れパンツ

尿漏れパットなどは面倒くさいという方は、尿漏れパンツもおすすめです。最近の尿漏れパンツは消臭機能も付いていて、普通のパンツとあまり違いがないくらいおしゃれなものもあります。1枚は持っておくと安心ですよね。

まとめ

尿漏れや頻尿の悩みは恥ずかしいと考えがちですが、多くの人が悩んでいることです。意識して対策をすることが大切です。

尿漏れや頻尿の原因を特定するためには、まずは病院で診察を受けることが大切です。その上で、トレーニングなどを行うようにしましょう。

尿漏れに関する質問や回答が寄せられていますので、こちらも参考にしてください。

[カテゴリ:下半身, 中年以降に多い, 女性の病気, 妊娠・出産]

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