グルタチオンとは?美容から病気にまで使用されるその効果や副作用をご紹介します。

グルタチオンは活性酸素を除去し強い抗酸化作用があるなど、美容の効果があるだけでなく、病気の治療にも使用されるものです。海外では手軽に手に入りますが日本では医薬品であり注意が必要です。食品にも含まれているので、食品などから効果的に摂取することが大切です。

当サイトの記事は美容アドバイザーなどの監修のもとで公開しております。


グルタチオンとは

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グルタチオンは、1921年に、イギリスの生化学者であるホプキンズによって発見され、自然界に広く分布している化合物です。

グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸が結合して構成されています。

複数のアミノ酸が結合した状態をペプチドと言い、ペプチドの中でも2つのアミノ酸が結合したものをジペプチド、3つのアミノ酸が結合したものをトリペプチドと言いますが、グルタチオンは3つのアミノ酸の結合によって構成されているためトリペプチドに分類されます。

グルタチオンは、他のトリペプチドと比べて次のような異なる2つの特徴を持っています。

グルタチオンの特徴

分解されにくい

グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンの順番で結合されますが、グルタミン酸とシステインが結合する時に、通常とは異なる結合の仕方をするため、ごく限られた酵素のみしか分解することができません。

還元力が高い

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グルタチオンは、還元作用が高いチオール基を含んでいます。

還元とは、酸素と結び付いて酸化した物質を元の状態に戻すことを言い、チオール基はその作用がある水素を含んでいます。

グルタチオンは、殆どの動物、植物、微生物の組織内(細胞)に含まれており、それは人間も例外ではありません。

人間の場合は、主に肝臓や皮膚、目の水晶体や角膜に多く含まれていますが、多くは肝臓で生成されたものが血液によって全身へと運ばれています。

また、グルタチオンの生成は加齢や紫外線の影響を受けやすいことから、年齢に応じて生成量は徐々に減少していきます。

還元型と酸化型

グルタチオンには、還元型と酸化型の2種類がありますが、生体内の大半は還元型となっています。

これは、後述するグルタチオンの働きや効果とも関係していますが、還元型グルタチオンが活性酸素と結び付くことで、酸化型グルタチオンに変化した後、酸化型を還元型に誘導する酵素(グルタチオンレダクターゼ)によって再び還元型に誘導されるからです。

そのため、この記事内におけるグルタチオンという記述は、基本的には還元型を表すものとします。


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グルタチオンの効果

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活性酸素の除去

グルタチオンの主な働きは、体内で発生した活性酸素の除去です。

私達は生きていく上で、空気中の酸素を呼吸で取り入れていますが、そのうちの約2%が体内で活性酸素に変化をします。

活性酸素とは?

世の中の全ての物質は原子が最少単位であり、原子の中心部にある原子核の周囲を電子が回っています。電子は通常ペアで結び付き、原子の周りを回っているのですが、電子を1つしか持たない原子というのが存在します。

そのような原子は不対電子と言われ、不対電子を持つ原子はfree radical(フリーラジカル)と呼ばれています。フリーラジカルは、free(自由な)radical(過激な)という意味の通り、自由で過激な原子(もしくは分子)のことを指しています。

フリーラジカルはペアとなる電子が1つしかないため、不安定である自分を安定させるため、周囲の原子から電子を奪い取ってしまいます。

そのフリーラジカルの代表的な存在が、活性酸素です。

そして、原子から電子が一個奪われる状態を〝酸化〟と呼んでいます。鉄が雨風にあたると錆びるのも、電子が奪われたことによる酸化が起こるからです。

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電子を奪われた原子は、細胞内で正常に働くことができなくなるため、病気の発症や老化を早めてしまう原因になると言われています。

活性酸素は、酸素を体内に取り込むことで発生するだけでなく、ストレスやたばこ、激しい運動、大気汚染、紫外線、食品添加物の摂取などでも増えることがわかっており、私達の体内では常に活性酸素が発生していると言っても過言ではありません。

※なお、活性酸素=病気の発生や老化を促進するもの、というイメージを持たれている方も多いと思いますが、活性酸素の中で電子が不安定なフリーラジカルとなるのは、主な4種類のうち、スーパーオキシドとヒドロオキシラジカルだけです。

活性酸素には体内に侵入したウイルスや細菌を排除するという役割もあることから、必ずしも全てが悪いというわけではありません。

抗酸化作用

体の酸化という言葉が世の中に認知されると共に、抗酸化作用という言葉も広く一般的によく知られるようになりました。

抗酸化作用とは、酸化を抗うと書く通り、酸化の原因となる活性酸素を除去する働きのことを言います。

抗酸化作用のある物質は数多くありますが、中でもグルタチオンの抗酸化作用は非常に高いと言われています。

また、グルタチオンと同じ抗酸化物質であるビタミンCは、自らが活性酸素を結び付くことで、他の物質が酸化するのを防ぐ働きがありますが、グルタチオンには酸化してしまったビタミンC(酸化型ビタミンC)を元の形(還元型ビタミンC)に戻し、再び抗酸化物質として作用します。

抗酸化作用により、グルタチオンには次のような効果が期待できると考えられています。

抗酸化作用がもたらす効果

生活習慣病の予防・改善

コレステロールや中性脂肪が活性酸素によって酸化されると、過酸化脂質という物質に変化します。

過酸化脂質は、血管の内壁を傷付けたり蓄積して血栓を作るため、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の原因になると言われています。

また、血栓が心臓の血管で詰ると心筋梗塞、脳の血管で詰ると脳梗塞を引き起こし、さらには、活性酸素はがんの発生の原因と考えられていることから、過酸化脂質の元となる活性酸素の増加を防ぐことは、生活習慣病を始めとして、脳梗塞やがんなどの命に関わる病の予防や改善にも役立つと言われています。

美白・美肌効果

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過酸化脂質は、コレステロールや中性脂肪以外にも、皮膚の皮脂の酸化によっても蓄積します。

皮膚に溜まった過酸化脂質は、やがてたんぱく質と結び付いて、肌のシワの原因になると言われています。

また、紫外線は活性酸素を増やしてメラニン色素を合成するため、シミやソバカスが増える原因になりますが、グルタチオンの抗酸化作用により過酸化脂質の元となる活性酸素を除去することで、シワやシミを抑制する働きがあると言われています。

解毒を助ける作用

グルタチオンには、抗酸化作用の他にもう一つ、大きな働きがあると言われています。

それは、解毒作用を助けることです。これにより、グルタチオンは肝機能を高める効果があると言われています。

グルタチオンは、体内のあらゆる細胞や器官に存在していますが、その中でも肝臓に最も多く存在しています。

解毒とは?

私達は、食事や大気などから、体にとって有害な物質を知らない間に摂取していますが、通常、体内に入った有害物質は肝臓や腎臓を通じて無毒化され、体外へと排出されます。これを解毒と言います。

例えば、アルコールを飲んだ時は肝臓の解毒作用が働き、一旦アセドアルデヒドという中間代謝物質に変化した後、最終的には炭酸ガスと水に分解され、体外に排出されます。大量のアルコールを飲んだ時、ふらふらしたり気持ち悪くなるのは、アセドアルデヒドが体内に蓄積しているからです。時間が経過すると共に肝臓によってアセドアルデヒドが解毒されるため、不快な症状は治まっていきます。

有害物質を囲い込んで排出

肝臓に運ばれてきた有害物質は、グルタチオンに囲い込まれた後、グルタミン酸とグリシンのみが切り離され、イオウ成分を含むシステインに取り込まれて尿と一緒に体外へ放出されます。

これをグルタチオン抱合と言い、肝臓の解毒作用を助けるために欠かせない働きとなっています。

グルタチオンによって肝臓の解毒作用が高まると、体内の有害物質の排出が促されるだけではなく、肝機能の向上にも一役買うことになります。

また、肝臓は解毒の他にもエネルギーの貯蔵や代謝、胆汁の生成にも関わっているため、グルタチオンの働きで肝機能を高めることは、疲労回復や病気の予防にも役立つと言えます。

病気や治療における使われ方

日本では40年以上前から、グルタチオンを病気の治療に使用しています。

また最近は、その強い抗酸化作用によってアンチエイジング効果が期待できることから、美容医療の場においても幅広く普及しています。では、グルタチオンを利用した治療には、どのようなものがあるのでしょうか。

白内障の予防・改善

白内障とは、加齢と共に眼球の水晶体が濁って、視力が低下してしまう病気ですが、発症には活性酸素が関係していると言われています。

眼球の表面は、呼吸と同様に酸素が取り込まれるのですが、その際に眼球を覆う被膜が酸化してしまい、これが長く続くことで白内障を発症すると考えられています。

グルタチオンは、白内障の治療薬として長く使用されており、主に点眼薬として処方されています。

パーキンソン病の改善

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パーキンソン病は、脳内物質の一つであるドーパミンの減少により、手足の震えやこわばり、動作が遅くなる、転びやすくなるなどの症状が徐々に現れる病気です。

近年、パーキンソン病の発症にはドーパミンの減少と共に、グルタチオンの減少が原因と考えられており、アメリカではすでに症状の改善や遅延にグルタチオンの点滴治療が多くの施設で実施されていますが、日本ではまだ少ないのが現状で、保険適用にもなっていません。

肝斑の治療

肝斑は皮膚に現れるシミの一種なのですが、発症のメカニズムについては詳しくはわかっていません。

思春期や妊娠後期、更年期に多く見られることから、ホルモンバランスが関係していると考えられていますが、通常、シミの改善に使用されるレーザー治療や光治療では治療が難しいと言われており、悩んでいる方が多い皮膚疾患の一つです。

この肝斑にグルタチオンが有効と言われており、注射や点滴による治療を受けている方がいらっしゃいます。この他、グルタチオンは以下のような疾患に効果があるとされています。

現在、日本において適応が認められているもの

  • 自家中毒
  • 薬物中毒
  • 周期性嘔吐症
  • つわり、妊娠悪阻
  • 湿疹やじんましんなどの皮膚疾患
  • 放射線治療による白血球減少や口腔粘膜の炎症
  • 角膜損傷 など

日本では適応が認められていないものの、治療効果が期待できるとされるもの

  • アレルギー性疾患
  • 閉鎖性動脈硬化症
  • 線維筋痛症
  • 抗がん剤による末梢神経障害
  • デトックス
  • 美肌や美白

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副作用・注意点

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グルタチオンは、海外ではサプリメントに配合されて気軽に摂取できるようになっていますが、日本においては医薬品扱いとなっており、食品以外から摂取する場合は医師に相談する必要があります。

特に、妊娠中や授乳中の女性は十分なデータが揃っていないため、自己判断でサプリメントを摂取するのは避けるようにしましょう。

また、グルタチオンの摂取によって、次のような副作用が起こる場合があります。

  • 発疹
  • 吐き気
  • 胃痛
  • 食欲不振

このような症状が現れた時はただちに服用を中止し、医師に相談するようにして下さい。

なお、グルタチオンの持つ抗酸化作用は、活性酸素の増加が原因で発症するがんの予防に役立つ側面がある一方で、放射線治療や抗がん剤治療においては、治療の妨げになる可能性があることが示唆されています。

放射線治療や抗がん剤治療では、あえて活性酸素を増やすことでがん細胞を死滅させる仕組みとなっているのですが、抗酸化作用のあるグルタチオンが増えると、治療による効果が薄れてしまうのです。

一重に「がんに効果がある」と言っても、このような二面性があることを覚えておくとよいでしょう。

グルタチオンを含む食品

グルタチオンは体内で生成される成分ですが、20才をピークに生成量が減っていきます。

そのため、グルタチオンが含まれる食べ物を摂ることは、抗酸化作用や解毒作用を低下させないためにとても大切だと言えるでしょう。

そこでここでは、グルタチオンを含む食べ物をご紹介したいと思います。

  • 牛レバー
  • 豚レバー
  • 鶏レバー
  • ブロッコリー
  • アスパラガス
  • キャベツ
  • きゅうり
  • ほうれん草
  • かぼちゃ
  • キウイ
  • アボカド
  • グレープフルーツ
  • オレンジ
  • 赤貝
  • 真鱈
  • ビール酵母 など

グルタチオンには加熱に弱いという特徴があることから、加熱調理が必要な食品以外は、できるだけ生のまま食べるのがよいでしょう。

まとめ

グルタチオンは日本では医薬品扱いとなるもので、手軽にサプリメントとして利用することはできませんが、食品から摂取することや、必要な場合は医師に相談することで摂取することが可能です。

様々な効果がある中で、副作用もありますので、医師の指示を守りながら服用することが重要です。


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