こむら返り 軽く見てはダメ。大病が隠れていることも!
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こむら返りは、誰にでも生じる可能性のあるもので、睡眠中や寝起きに起きたりします。こむら返りが起きた場合は、足を伸ばすことや、ツボ押しなどによって回復しますが、頻繁に起きる場合は、病院へ行く必要があります。たかが、こむら返りと思っていると重要な病気の場合もありますので、注意が必要です。
こむら返りとは
こむら返りとは、足がつるともいい、ふくらはぎ(=「こむら」)に生じる筋のけいれんのことを言います。
こむら返りは、ふくらはぎに生じることが一般的ですが、背中や全身、指などにも生じることがあります。
こむら返りの原因
こむら返りには、一時的に起こるものと、頻繁起こるものがあります。それぞれ、原因が異なってきます。
一時的にこむら返りになることの主な原因としては、筋肉の疲労、運動不足、大量に汗をかいたことなどで、体のミネラルが不足することなどがあげられます。
また、頻繁にこむら返りが起こる原因としては、ミネラル不足が原因に加えて、妊娠中の人、糖尿病、動脈硬化、甲状腺異常などの病気がある人、ホルモン剤や降圧剤などの薬の副作用の場合もあります。
ミネラル不足によるこむら返り
ミネラルは生きていく上で、とても大切な要素です。ミネラルには、亜鉛、ナトリウム、鉄、カルシウム、マグネシウムなどがあります。
人間の体は、ミネラル、特にカルシウムやマグネシウムなどの電解質によって、神経や筋肉の動きを調整しています。カルシウムやマグネシウムが不足すると、筋肉の動きをうまく調整できず、こむら返りなどが生じてしまうのです。
電解質は、汗をかくことや、下痢・嘔吐などで水分を外へ出してしまうとで、体内の電解質バランスが崩れてしまいます。逆に、大量に水分だけを摂取しても、血液濃度が薄まってしまい、バランスが崩れてしまいます。
電解質のバランスを保つには、適正な水分量が必要になってきます。
特に夏場は、汗をかくことが多くなります。熱中症のために水分補給は必要ですが、水分とともに、ミネラル分の補給も重要になります。
病気などに伴うこむら返り
筋肉や神経に関わる病気が原因でこむら返りが起こることがあります。代表的な病気は次のとおりです。
- 糖尿病
- 肝硬変
- 椎間板ヘルニア
- 動脈硬化
- 筋萎縮性側索硬化症
- 腎疾患
- 脊柱管狭窄症
- 閉塞性動脈硬化症
こむら返りの症状とあわせて、のどの渇きや、手足のしびれがある場合は、糖尿病の疑いが出てきます。むくみなどの症状がある場合は、腎臓の病気が考えられます。
また、うまく歩けない、足が冷たくなるなどのことがあると、閉塞性動脈硬化症の疑いが出てきます。
閉塞性動脈硬化症は、足へ流れている動脈が詰まって、硬くなり、足に十分な栄養素などが行き届かなくなってしまいます。そのため、足が思うように動かず、こむら返りなどが生じてしまうのです。
閉塞性動脈硬化症の場合、病状がひどくなると、足の切断をしなければならないことも想定されます。
たかが、こむら返りと思っていると、そのこむら返りは大きな病気の前兆の場合があるのです。
特に、次のような人は、一度病院を受診することをお勧めします。
- こむら返りがよく起きる人
- こむら返りの回数が増えてきた人
- こむら返りの他にも何らかの症状がある人
薬やその副作用によるこむら返り
甲状腺の病気などで使用する抗甲状腺薬や、高血圧や高脂血症の薬、狭心症の薬、ホルモン薬などを飲んだり、インスリン(インシュリン)を注射したりしていると、副作用としてこむら返りが起こることがあります。
アルコールも飲みすぎると危険ですから、注意が必要です。
こむら返りをの再現について
ためしてガッテンというテレビ番組で、以前、こむら返りについて検証していました。次のことで、こむら返りが再現したようです。
- 水のお風呂に30分つかる。(冷やす)
- 2時間自転車をこぐ。(運動)
- サウナに3時間入る。(脱水)
こうしてから、うつぶせになり、ひざを曲げるとこむら返りを起こすということです。
足に対して、悪い条件を与えてから、ふくらはぎの筋肉を収縮させることにより、こむら返りが生じるのです。
寝ている間にこむら返りが起こる原因
寝ている間は、腱紡錘というアキレス腱にある組織が休息しているため、ふくらはぎを制御できません。そのときに、寝返りなどをすると、ふくらはぎの筋肉が収縮して、こむら返りが生じてしまうのです。
こむら返りの予防法
運動などにより、脚が疲れている場合は、寝る前に十分にアキレス腱を伸ばしたりすると効果的です。マッサージなども効果があります。
寝るときは横を向いて寝るなどして、ふくらはぎの筋肉を縮ませないようにすることが大切です。仰向け寝てしまうと、ふくらはぎの筋肉を緩ませるようにしておくと、こむら返りが起きやすくなりますので、横を向いて寝るなどして
普段の生活について
こむら返りの予防するためには、普段から足の血流を良くすることや、疲労回復に努めることが大切です。
日ごろから散歩をすることや、階段を使用するなど、適度な運動で、ふくらはぎの筋肉を鍛えましょう。
また、体を冷やさないようにしたり、血行がよくなる食事をとるよう、心がけることも必要です。冬場などは、足元を温かくして寝ると、こむら返りの予防になります。
こむら返り予防の靴下・ふくらはぎサポーター
こむら返りを予防する靴下やサポーターがあります。寝る時に身につけると、こむら返りにならないようです。
ふくらはぎをしっかりとホールドして、血流も良くなる。そんな靴下とサポーターです。夏にはちょっと暑そうですが、冬には良さそうです。
こむら返りの解消法
こむら返りが起こってしまったら、足首とふくらはぎを伸ばします。
- つま先を手でつかむなどして、こむら返りになってしまった脚を伸ばします。
- そのまま、静止してこむら返りが治るのを待ちます。
- 他の人に脚を伸ばしてもらってもいいでしょう。
- こむら返りが治ったら、軽くマッサージなどをしておきましょう。
ツボによる解消法
ツボを押すことでも、解消できます。「承山(しょうざん)」、「承筋(しょうきん)」、「承間(しょうかん)」というツボです。
ふくらはぎの近辺にある、3つのツボです。覚えておくといいでしょう。
承山(しょうざん)
「承山」はひざの裏側とアキレス腱の真ん中くらいの位置にあります。アキレス腱から上のほうへ手でたどっていくと、腱と筋肉の変わり目の部分があり、その部分が「承山」になります。
このツボは、こむら返りのときに効くだけでなく、足が腫れたとき、しびれたとき、さらには、足やせにも効果があるそうです。
承筋(しょうきん)
「承筋」は、ふくらはぎの真ん中にあり、筋肉も最も太い部分の中央です。このツボについても、こむら返りに効果があるだけでなく、坐骨神経痛や筋肉疲労の緩和にも効き目があるようです。
承間(しょうかん)
「承間」は、「承山」と「承筋」の中間くらいの位置にあります。膝の裏とかかとの中間の位置にあります。
足の血流をよくしたり、坐骨神経痛、痔や肛門の疾患などにも効果があるといわれています。
こむら返りに効く漢方薬
こむら返りに即効性のある漢方薬もあります。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方です。筋肉けいれんや胃腸の痛みなどに用いられるものです。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)については、こちらに詳しい説明がありますので、参考にしてください。
こむら返りに効くサプリメント
こむら返りは、ミネラル分(マグネシウム、カルシウム、ナトリウムなど)の不足が原因となりますので、ミネラル分をとれるサプリメントがオススメです。
オススメのサプリメントのリンクを貼っておきますので、参考にしてください。
病気が原因のこむら返り
自身が何の病気でもないのに(病気だと認識していないのに)、こむら返りが頻繁に起こるという方は、注意してください。
一時的にこむら返りが治まっても、病気が原因の場合、根本の病気を治さなければなりません。
こむら返りは様々な病気が原因となって起こりますので、頻繁にこむら返りが生じる場合は、早期に医療機関を受診した方がいいでしょう。
妊婦さんのこむら返り
こむら返りは妊婦さんにも多いといわれています。妊娠中に急にこむら返りが起きたりすると、転んだりして非常に危険です。
妊婦さんにこむら返りが起こる原因としては、次のようなことがあげられます。
- カルシウムやマグネシウムなどを始めとする電解質が、子どもの栄養素となるため、お母さんの方が不足してしまう。
- お腹が大きくなるため、足へ繋がっていく血管が圧迫されてしまい、足の血流が悪くなる。
- お腹が大きくなり、重くなるため、足の筋肉に負担がかかる。
寝ている間にも、こむら返りが起きてしまいますので、こむら返りが起きて驚いて、ベッドから落ちてしまったら大変です。
こむら返りが心配な方は、布団で寝ることや、広いベッドで寝ることなどの配慮が必要です。