クコの実・ゴジベリーの効果や注意点、レシピを分かりやすくご紹介!
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クコの実はスーパーフードの中でも特に抗酸化物質やビタミン、ミネラルを多く含むといった特徴があります。したがって、アンチエイジング効果が高く、病気の予防効果が期待できます。摂取には妊婦さんや授乳中の人、アレルギーなどにも注意することが大切です。クコの実の成分、効果、注意点、レシピなどをご紹介します。
クコの実とは
近年ゴジベリーという名でスーパーフードとして注目を集めている食材が、クコの実です。
クコの実は、赤色が特徴的な果実であり、杏仁豆腐や中華粥の上にトッピングされている事でよく知られています。
まずは、クコの実の特徴と含有する成分について詳しく解説いたします。
クコの実の特徴
クコは東アジアを原産地とした高さが1mほどのナス科クコ属の落葉低木樹です。
生命力が強く栽培しやすいという特徴を持っているため、日本の家庭でも普通に栽培されています。
クコが日本に伝わってきたのは、平安時代だと言われており、古来から不老不死を司る植物として人々に愛されてきました。
中国では、3000年ほど前からクコの葉・根の皮・実が漢方薬として利用され、薬膳料理を代表に、幅広く生活に取り入れられてきた歴史を持っています。
クコは漢字表記で「枸杞」と示され、乾燥させたクコの実は「枸杞子(くこし)」、乾燥させた根皮は「地骨皮(じこつひ)」、乾燥させた葉は「枸杞葉(くこよう)」という生薬として扱われています。
現在の日本においては、根皮のみが医薬品として扱われており、葉と実は非医薬品となっています。
クコの実に含まれる成分
クコは栄養の宝庫と言われるほど、多種多様な栄養素を豊富に含有しています。
特に抗酸化物質やビタミンをたっぷりと含んでいる事で、体をいつまでも若々しく保つのに有効であると考えられています。
クコの実に含まれる代表的な成分については次の通りとなります。
カロテノイド
クコの実には、色素成分であるカロテノイドの一種、ゼアキサンチンが豊富に含有されています。
ゼナキサンチンは高い抗酸化力を誇る成分であり、特に紫外線による体の酸化を防止する働きを持っています。
また、ゼアキサンチンは眼の網膜の構成成分でもあり、網膜を健康に維持する機能を有しています。
ポリフェノール
クコの実には、ルチンやタンニン、ヘスペリジンなどのポリフェノールがたっぷりと含まれています。
これらのポリフェノールはカロテノイドと同様に細胞や遺伝子を傷つけて人体の老化を加速させる活性酸素を除去する働きがあります。
また、ルチンやヘスペリジンには、毛細血管を強化したり、血圧を下げる作用が報告されています。
ルチンには、その他にもビタミンCの吸収を促進する作用もあります。
ベタイン
クコの実に含まれているベタインはアミノ酸化合物の一種であり、胃酸の分泌を調整したり、脂肪が肝臓に蓄積される事を抑制する働きを有しています。
β-シトステロール
クコの実には、植物ステロールであるβ-シトステロールも含有されています。
β-シトステロールには、胆汁酸と結合する性質があります。
胆汁酸は、通常コレステロールと結合して、コレステロールが腸に吸収されるのをサポートする役割を担っています。
β-シトステロールは胆汁酸と結合する事で、コレステロールに対して拮抗作用を示し、コレステロールが腸に吸収されて血中に入るのを防止します。
ビタミン・ミネラル
クコの実には、ビタミンCやビタミンB1、ビタミンB2などのビタミン類や各種ミネラルが含まれています。
ビタミンCは、白血球や好中球などの免疫細胞を活性化させるという働きや、細胞の接着剤としてしなやかで丈夫な骨や血管、筋肉、皮膚などを作り出すコラーゲンの合成に重要な役割を果たしています。
また、ビタミンCは、血液中の悪玉コレステロールを減らす機能や精神を安定させる機能、メラニンの合成を阻害して肌を美白に導く働きも認められています。
ビタミンB1とビタミンB2は代謝活動に欠かせない栄養素であり、ビタミンB1は糖質のエネルギー変換をスムーズに作動させる働きがあり、疲労物質である乳酸を効率よく燃焼させる作用を有しています。
一方でビタミンB2は、発育のビタミンとも呼ばれており、人体の成長をサポートし、皮膚や粘膜などの健康維持に大きな役割を果たしています。
また、脂質を効率よく燃焼してエネルギーに変換するダイエット作用も有しています。
クコの実の効果
クコの実が「不老不死の薬」と称されるのは、細胞の老化を防止して体を若々しく保つ効果を有しているためです。
高いアンチエイジング効果以外にも、クコの実には健康を維持する上で重要となる効果がたくさんあります。
クコの実の効果は次の通りとなります。
体と肌の老化を防止する
クコの実の健康効果の代表格といえるのが、アンチエイジング効果です。
クコの実は、体だけではなく、肌の老化も防止するため、健康と美容両方のアンチエイジングを叶える事ができます。
老化防止効果を支えているのが、クコの実に豊富に含有されている抗酸化物質です。
色素成分であるゼアキサンチンやポリフェノールの一種であるルチン、タンニン、ヘスペリジンは非常に強力な抗酸化作用を持っており、体内で発生し、細胞や遺伝子を劣化させてしまう活性酸素を無害化してくれます。
また、ビタミンCは食品の酸化防止剤として利用されているように、抗酸化ビタミンとして働くという一面も持ち合わせており、活性酸素の発生を加速させるストレスを緩和してくれる作用もあります。
ゼアキサンチンにおいては、眼の黄斑部に存在しており、紫外線による酸化から眼を守り、眼の老化防止にも寄与しています。
肌のアンチエイジングについては、ビタミンCとタンニンが関係しており、これらの物質にはメラニン色素を作り出すチロシナーゼと呼ばれる酵素を阻害して、シミやそばかすの発生を予防する効果が認められています。
ビタミンCについては、加齢によって減少するコラーゲンの合成を促進し、肌をみずみずしく弾力のある状態に保つ効果も有しています。
クコの実には、ビタミンCの吸収を促進するルチンが含有されているため、相乗効果により、より高いアンチエイジング効果が期待できます。
胃や肝臓の健康を維持する
クコの実に含有されているベタインには、肝臓に脂肪が蓄積されるのを防止する作用があります。
肝臓に脂肪が溜まると、脂肪肝になり、肝硬変や肝臓ガンのリスクを高めてしまいます。
また、ゼアキサンチンの一種であるゼアキサンチン誘導体がクコの実には含有されており、この物質は肝細胞の酸化を抑制する事で肝臓が硬化する事を防ぐ働きが認められています。
クコの実は脂肪肝や肝臓の硬化から肝臓を保護する効果があるのです。
また、ベタインには、胃酸の分泌を調節する作用があるため、過度な胃酸によって胃にトラブルが生じるのを防ぐ事ができます。
眼の健康を保つ
クコの実には、眼の黄斑に存在し、眼を保護する役割を担っているゼアキサンチンが豊富に含まれています。
そのため、白内障や緑内障を予防し、紫外線やブルーライトなどによる視力の低下や眼のトラブルを防止する効果があります。
血流を促進する
クコの実に含まれているルチンやヘスペリジンには、毛細血管を強化して、血管を健康に保ち、血流を促進する効果があります。
また、クコの実には、血流障害を引き起こす悪因子である悪玉コレステロールを除去してくれるビタミンCやβ-シトステロールが含まれています。
その結果、血流が滞りやすい毛細血管の血流障害を防止し、血の巡りを良くする効果を得る事もできるのです。
血流を改善する事で、冷え性や肩コリ、生理痛などを緩和する事が可能になります。
生活習慣病を予防・改善する
高血圧や動脈硬化などの生活習慣病は、心筋梗塞や心臓病など命の危険を伴う病気の発症リスクを上昇させてしまいます。
この高血圧や動脈硬化の原因となっているのが、悪玉コレステロールです。
悪玉コレステロールが血管の内側の壁にくっつくと、血管が傷つき、柔軟性を失って血液の通り道が狭まってしまうのです。
クコの実には、コレステロールの吸収を抑制するβ-シトステロールと悪玉コレステロールを減少させるビタミンCが含まれているため、生活習慣病である高血圧や動脈硬化を予防・改善する効果が期待できます。
免疫力を向上させる・ガンを予防する
クコの実に含まれているビタミンCには、好中球や白血球などの免疫細胞を活性化させて免疫力を向上させる効果があります。
また、クコの実にはたっぷりと抗酸化物質が含有されており、抗酸化物質は細胞や遺伝子の劣化によってガンが発生する事を予防する効果もあります。
実際に、クコエキスを人の乳がん細胞に作用させたところガン細胞のアポトーシス(自然死)が誘導され、乳ガン細胞の増殖が抑制された事が明らかになっています。
疲労を回復させる
クコの実に含まれているビタミンB1とビタミンB2には、糖質の代謝をサポートする作用があります。
そのため、疲労物質である乳酸をエネルギーに変換する経路がスムーズに作動し、乳酸の蓄積による筋肉の疲労を回復させる事ができます。
ストレスを緩和する
ビタミンCには、神経を落ち着かせるGABAやストレスを緩和させる作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を補助する機能があります。
そのため、ビタミンCを豊富に含有しているクコの実は、イライラなど高ぶった神経を鎮静化させ、ストレスを緩和させる効果があります。
脳疾患を予防する
クコの実は、近年の研究によりアルツハイマー病などの脳疾患も予防する効果もある事が示唆されています。
クコエキスをアルツハイマー病のマウスに2週間投与したところ、認知機能が高まり、脳細胞に毒性を示すアミロイドβというタンパク質が減少したと報告されています。
クコの実を摂取する際の注意点と副作用
クコの実には、アンチエイジングなど、美しく健康的な生活を送る上で嬉しい栄養素がたっぷりと含有されていますが、同時に副作用や摂取に注意しなければならないケースも存在します。
経口摂取により、適切な量を食べた場合においては安全であると言われていますが、クコの実を食べる前には、まず自分が摂取しても大丈夫な状況であるかどうか確認するようにしてください。
クコの実の副作用と注意すべき点については以下の通りとなります。
ナス科に特徴的な体を冷やす副作用
クコの実はナス科に属する植物であり、ナス科植物には過食によって体を冷やすという性質があります。
そのため、冷え症が気になる方や内臓の働きが低下していて胃腸が弱い方は、摂取を控える事をおすすめします。
腹痛や下痢などの副作用が出た場合は、すみやかに摂取を中止しましょう。
妊婦さんや授乳中の人は摂取を避ける
クコの実に含有されているベタインという物質には、月経を促進したり、早産や流産を誘発する作用があります。
そのため、妊婦や授乳中の方は摂取を避けるように勧告されています。
アナフィラキシーショックを起こすリスクがある
クコの実は植物アレルギーを引き起こす事が報告されています。
中でも注意が必要なのは、重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックの危険性です。
海外では、クコの実によってアナフィラキシーショックが引き起こされた事例がいくつか報告されています。
ワルファリンとの相互作用
抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)であるワルファリンを服用している方は、クコの実の摂取を控えるようにしましょう。
クコの実はワルファリンと相互作用を起こし、出血傾向を強めてしまう事が報告されています。
ワルファリンと同様に、血液をサラサラに保ち、血液の凝固を防止する作用のある食品やハーブ、サプリメントなどとも併用しないようにしてください。
クコの実の摂取方法
クコの実の効果を最大限に引き出すためには、摂取量や摂取するタイミングにも配慮する必要があります。
摂取量
摂取量については、これといった量の規定はありませんが、5~20粒程度が1日あたりの目安量だと考えられています。
杏仁豆腐や中華粥など、クコの実が使われている料理からも分かるように、健康によいからといって一気に摂取するのではなく、数粒程度を毎日続けることがクコの実の効果を得るためには重要となってきます。
まずは、1日あたり5粒程度から摂取を始めるとよいでしょう。
摂取する効果的なタイミング
クコの実を摂取する効果的なタイミングは朝です。
クコの実は少量であれば、代謝や血行を促進する効果が期待できます。
朝は最も体温が低く、体が活動を始めるタイミングですので、朝にクコの実を数粒摂取する事で、効率よく体温を上昇させ、代謝を高めることができます。
また、クコの実には紫外線によるダメージを防止する効果も期待できるため、紫外線が当たる前や、日焼けしてしまった直後に食べるようにするのも効果的です。
クコの実を使ったレシピ
クコの実は、主に乾燥させたドライフルーツの状態で販売されています。
甘味があるため、そのまま食べたり、サラダやヨーグルトなどのトッピングとして利用したり、スープなどの料理のアクセントとして用いることも可能です。
モデルや女優などの間では、スムージーに入れて飲むという方法も流行しています。
数ある食べ方の中でも今回は、中国でもよく利用されている、クコの実の酢漬け、クコ茶、クコ酒のレシピを最後にご紹介いたします。
クコの酢漬け
用意する材料は以下のとおりです。
- クコの実100g
- お好みのお酢(黒酢やりんご酢がおすすめ)500ml
- ハチミツ300g
作り方は簡単で、次のようにします。
- 煮沸消毒した密閉容器を用意し、その中に酢とハチミツを投入して蓋をし、よく混ぜ合わせます。
- そこにクコの実を入れ、一昼夜漬け込めば完成です。
クコの実だけではなく、漬け汁も1日あたり25mlを希釈して飲むようにしましょう。
クコ茶
用意する材料は次のとおりです。
- クコの実20g
- ナツメ6粒
- 水2L
材料を全てやかんや土瓶などに入れ、30分煎じれば完成です。
飲みにくい場合は、飲む直前にハチミツを少しプラスすると飲みやすくなります。
クコ酒
用意する材料は次のとおり。
- 乾燥したクコの実200g
- 35%ホワイトリカー1.8L
- 氷砂糖0~150g
煮沸消毒して乾燥させた広口の瓶を用意し、材料を全て投入して漬け込みます。
漬け込む期間はだいたい2~3ヶ月となります。
まとめ
クコの実は食事のメインとなるような食材ではないため、脇役になりがちですが、とても抗酸化作用が強く、スーパーフードの中でもオススメの食材です。
アンチエイジングや病気予防など、美容や健康にとてもいいのですが、妊婦さんなど摂取には注意が必要になる人もいます。
また、摂取し過ぎにも気をつけないといけません。
うまく食生活に取り入れて、健康に役立ててください。
タグ:アンチエイジング