効果的に眠気を覚ます方法を教えます!

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毎日眠くて仕方ない。夜に寝ているつもりでも学校や職場で眠気に耐えられないという人は多いと思います。しかし、普段で感じる程度の眠気であれば、効果的に眠気を覚ます方法があります。ぜひ参考にしてすっきりとした生活をしてください。

どういう時に眠くなるのでしょうか。

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「春眠暁を覚えず」ということわざを知っていますか?

春になると、夜しっかり寝ているにも関わらず、日中についウトウトとしてしまう時などにその例えとしてよく使われていますが、実はこの言葉にはそのような意味はありません。

本来は、春の夜は寝心地がよいため朝が来たことに気付かず寝過ごしてしまう、というものです。

とは言え、春になると眠気が強くなることは、科学的にも証明されています。

これは、皮膚表面の血液量が増えることで脳の血液が少なくなり、頭がぼーっとしやすくなったり、冬から春に移りゆく際に天気の変化や気温差が生じやすいことから、自律神経のバランスが崩れて眠気に襲われることが主な原因です。

では、私達はそもそも、どうして眠くなるのでしょうか。

眠気は、「体内時計」と「睡眠促進物質の蓄積」の2つによって成り立っています。

そこでまず最初に、この2つのメカニズムについてご説明したいと思います。



眠気の仕組みとは?

体内時計

体内時計とは「生物時計」とも呼ばれ、地球上に存在する人間を始めとした様々な動植物は、この体内時計によって動いています。

体内時計は、体温や血圧の調整、ホルモンの分泌といった生理現象を適切な時間に行ってくれるものなのですが、中でも「サーカディアン・リズム」の調整という働きは、とても重要な意味を持っています。

サーカディアン・リズムとは、1日を地球の自転と同じ24時間として、時間の変化に合わせた行動を取ることをいい、概日リズムとも呼ばれます。

私達は、朝目覚めて夜眠るという行動を毎日のように行っていますが、これはサーカディアン・リズム(概日リズム)によるものです。

このように、当たり前のことを当たり前に行うためには、体内時計は欠かせないのです。

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また、概日には〝およそ一日〟という意味があるのですが、体内時計は誰しも必ず24時間ぴったりというわけではなく、個人差があり多くの場合は24~25時間と言われています。

つまり、人は本来、地球の自転の24時間よりも長い時間の体内時計を持っていることになります。

このため、25時間近くある体内時計を24時間にリセットする必要が出てくるのですが、この差を埋めるために使用されるのが「視交叉上核(しこうさじょうかく)」と呼ばれる部分です。

視交叉上核は、両目の視神経が視床下部で交わっている部分にあります。

目が光を浴びることでその信号が脳の松果体に送られ、松果体に信号が届くと、14~15時間後に睡眠ホルモンと呼ばれている「メラトニン」が分泌されます。

これにより、夜になると自然と眠くなるのです。

睡眠促進物質の蓄積

私達の体内には、睡眠促進物質が存在し、起きている時間が多いほどその物質はどんどんと蓄積していきます。

そして、睡眠促進物質がある程度蓄積すると、自然と眠気が起こります。

現在、この睡眠促進物質は数十種類程度あると言われており、種類によってその働きが異なります。

主な働きには脳神経の興奮を抑える、神経伝達を抑制するなどがあり、脳神経を鎮めることによって眠気を引き起こします。

なお、昼寝を長くすると夜に眠れなくなってしまうのは、昼寝の際に睡眠促進物質をたくさん使用してしまうからです。

睡眠促進物質がある程度蓄積しないと眠気が起こらないため、夜しっかり寝るためには昼寝は長くても30分程度に留めておくのがよいでしょう。

いかがでしたか?

私達の眠りのメカニズムについて理解できたところで、次に本題の「どういう時に眠くなるのか」という点について考えてみましょう。

実際に眠くなる時とは?

1. 半概日リズムによって眠気が起こる

半概日リズムとは、概日(およそ1日=24時間という意味)の半分、すなわち12時間のことを表しています。

夜しっかりと寝たにも関わらず、昼の2~4時くらいに眠気に襲われることはありませんか?

これは、半概日リズムによってちょうどこの時間あたりに、あらかじめ眠気が起こるようになっているからです。

2. 満腹を感じると眠くなる

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お腹いっぱいにご飯を食べると、それだけ胃腸では消化活動が活発になるため、より多くの血液が消化器官に集められます。

それにより、脳の血液が不足するため眠気が起こります。

また、食事によって血糖値が上がるとそれを下げようと膵臓からインスリンというホルモンが分泌されますが、このインスリンは別名「休息ホルモン」とも呼ばれ、多く分泌されることで眠気を誘うことがあります。

3. 生理前や生理中は眠くなる

生理前や生理中はホルモンのバランスを崩しやすいため、ホルモンと密接な関係にある自律神経の乱れも生じやすく、それによって十分な睡眠時間が確保できなかったり、睡眠の質自体が落ちてしまうことがあります。

また、出血が起こるため脳が防衛反応として休息を取りなさいと指令を出し、眠気を催しやすくなります。

4. 体が温まると眠くなる

私達の体は寝る前に体温が上がり、その後に低下することで入眠しやすくなります。

夜、寝る前にお風呂に入ると寝やすくなると言われているのはこのためです。

例えば夜10時に就寝したいと思ったら、その2時間前の8時にお風呂に入ると、10時頃から体温の低下が始まって寝つきがよくなります。

5. プールや海から上がると眠くなる

これは泳ぐことによる疲労の蓄積もあると思いますが、プールや海は水温が低く体温がどんどんと奪われるため、体温を保つために発熱を促します。

そして、その発熱作用は水から上がってもしばらく続き、上がった体温が今度は下がり始めるため眠気が起こります。

6. 退屈でも眠くなる

刺激のない時間を過ごしていると脳が活動を停止するため、眠くなりやすくなります。

7. 二酸化炭素が多いと眠くなる

一つの部屋に大人数で集まり、窓を閉めきった状態で暖房をつけていると、部屋には二酸化炭素が充満します。

そうすると、脳に行き渡る酸素の量が減って眠くなってしまいます。


眠気を覚ます方法

体内時計や睡眠促進物質によって眠気が起こるのは、規則正しい生活を送る上でも大切なことと言えますが、一方で「ここぞ」という時に強い眠気に襲われるのは辛いものがあります。

そこでここでは、ケースごとに眠気を覚ます方法をご紹介したいと思います。

眠気を覚ます基本は、

  • 脳を覚醒させ活性化させること
  • 体温の上昇を防ぐこと

この2点がとても大切だという意識をもって取り組みましょう。

授業中の場合

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授業中は勝手に立ったり移動したりができないため、基本的には席に座った状態で周囲にバレにくい方法を使うのがよいでしょう。

深呼吸する

通常の呼吸よりも体の隅々までしっかりと酸素を取り込むイメージで、めいっぱい息を吸いましょう。

ただし、一度に連続で行っても効果はあまりありません。それよりも10分に1回のペースで行う方が効果的です。

息を止める

息を止めてそのまま50秒我慢してみましょう。呼吸が停止することで体は生命の危険を感じるため、脳が覚醒し眠気が吹っ飛びます。

ただし、本当に窒息するまで行わないようにして下さい。

全身に力を入れる

全身に力を入れて、できるだけ我慢してみましょう。筋肉に負荷をかけることで交感神経が働き、リラックスや睡眠を促す副交感神経優位の状態から抜け出すことができます。

上靴や靴下を脱ぐ

これは少し勇気のいる方法ですが、可能であれば上靴や靴下を脱ぐことで体温の上昇を防ぎ眠気を払うことができます。

頭の中で歌を歌う

足でリズムが取れる程度のノリのよい歌を、頭の中で歌うことで脳が刺激され眠気を覚ますことができます。

ただし、授業中ですので眠気が収まったら、しっかりと先生の話に集中しましょう。

質問や発表をする

あらかじめ質問や発表をすると決めておくことで、適度な緊張感を保つことができ、眠気を抑えることができます。

職場の場合

コーヒーや紅茶などカフェインの含まれているものを飲む

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カフェインには睡眠促進物質の一つであるアデノシンの働きを阻害する効果があります。

アデノシンは、脳が活動的になったり興奮する作用を抑える働きがあるため、その働きを邪魔することで眠気を覚ましてくれます。

なお、アイスコーヒーはホットコーヒーに比べて覚醒作用が出るまでに時間が掛かるため、素早く眠気を取りたい場合はホットコーヒーがよいでしょう。

また、カフェインは緑茶や栄養ドリンク、コーラなどにも含まれているため、コーヒーや紅茶が苦手という方はこちらの方を試してみましょう。

チョコレートを食べる

チョコレートにもカフェインが含まれていますが、コーヒーなどに比べて作用は穏やかになります。それよりも覚醒作用のあるデオブロミンという成分が含まれているのが、眠気を覚ますのに役立ってくれます。
 
また、チョコレートに含まれる糖分(ブドウ糖)は脳のエネルギーになるため脳を活性化してくれます。

ツボ押しする

眠気を覚ます効果のあるツボ押しをすることで、体をスッキリとさせることができます。

生理前や生理中の場合

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アロマの香りを嗅ぐ

いい香りを嗅ぐことで気分がリフレッシュするだけではなく、自然と呼吸が深くなり脳に十分な酸素を行き渡らせることができます。

ペパーミントやユーカリ、ローズマリーなど清涼感があるものやスッキリとした香りがよいでしょう。

柑橘類を食べる

みかんやレモン、グレープフルーツなどの柑橘類には脳を覚醒させる効果があると言われています。

受験勉強の場合

ストレッチをする

ストレッチで体を動かすことによって、体により多くの酸素を取り込んで脳を活性化させます。

水で手や顔を洗う

冷たい水を手や顔にあてることで、それが刺激になり眠気を覚ますことができます。

また、体温を下げると眠気を払うことができるため、足や首に冷タオルを巻くのも効果があります。

冷たい水を飲む

水で手や顔を洗うのと同様に、一時的にでも体温を下げることで頭をスッキリさせることができます。
 

朝から眠い場合

幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促す

セロトニンは脳内物質の一つなのですが、「幸せホルモン」とも呼ばれ、大脳皮質に作用して脳を覚醒させる働きがあります。

そして、そのセロトニンの元となるのがトリプトファンです。

トリプトファンは体内で生成できない物質のため、食事から摂取する必要があるのですが、牛乳などの乳製品や、豆腐・納豆などの豆製品、バナナ、ナッツ類などに含まれています。

また、セロトニンの合成にはビタミンB6が必要なため、朝食にこれらの食品を摂取することでセロトニンの量が増え眠気をとることができます。 
 
さらに、太陽の光を浴びる、リズム運動をするのもセロトニンの分泌を促すため、朝から眠い時はウォーキングをすると眠気を覚ますことができます。

午後の眠気の場合

仮眠を取る

休憩時間があるなら、15~30分の仮眠を取るのがよいでしょう。30分までなら夜の睡眠の妨げになりませんし、短時間寝ることで脳がリセットされて眠気を覚ますことができます。

食事の後の場合

ガムを食べる

ガムを噛むことで顎の筋肉運動が中枢神経に伝わり、それによって脳の血液循環が活性化して眠気防止になることがわかっています。

また、ガムに含まれるメントールやキシリトールの成分には脳を覚醒する作用があり、眠気を抑えてくれます。

歯を磨く

食後の眠気をとるには、歯磨きはとても効果的です。口腔内がサッパリすることで眠気が収まるだけではなく、感覚に優れた歯茎を刺激したり、腕を動かすことによっても脳を活性化させるからです。
 
また、朝食後に歯を磨いてから会社や学校に行く方が殆どだと思いますが、そのような生活習慣が身に付いていることによって、歯磨き=出社や登校への準備、という意識が働き、気持ちが改められることで適度な緊張感を持つことができるため眠気を覚ますことができます。